遅れている日本のFTA
[2004年09月19日] [政策 | 「技術立国」再び | 外交] [コメント (0)] [トラックバック (0)]
9月17日の日経新聞朝刊で「遅れているFTA(自由貿易協定)の締結」という特集記事が掲載されていました。
同記事では、FTA(自由貿易協定)締結の遅れ(日本はシンガポールとしかFTAを締結していません)の原因を、WTO(世界貿易機構)での交渉に偏重した政府の通商政策にあると述べています。しかし、私は「農林水産省(以降、農水省)」が国内農業の保護に走りすぎていることも大きな理由だと考えています。
わが国は「FTAの締結(自由に貿易を行える相手を増やすこと)」と食料安全保障への対応を急遽行わなければなりません。
以前blogにも書きましたが、わが国の食料自給率は4割程度しかなく、先進国中で最低の状態にあります。また、人が摂取するカロリーベースでなく、重量ベースで計算すると、肉類は飼料作物のほとんどを海外からの輸入に頼っているため、自給率は3割程度に落ちてしまいます。これは、牛などは食べた穀物の1割以下しか肉にならないということです。つまり、飼料として輸入した穀物の1割以下しか日本人の口に入らないことになります。
食糧安全保障や国内の農業振興は重要な政策課題です。しかし、これらの課題はFTAとは別個に取り組むべき問題ではないでしょうか。
また、農水省は国家予算を農業保護に回し過ぎなのではないでしょうか。農業保護に政策が偏重しているため、農業の生産性自体はあまり向上せず、それが結果的にFTAの締結を妨げることになっているように思えます。例えば、今回首相が署名したメキシコとのFTA交渉においても、過去に農水省の横槍で不調に終わったことがあったと聞いています(交渉に関係した省庁に所属する方の情報で
す)。
国内の農業を守るために、FTAの取組みが後れることは、貿易立国の日本の存続基盤である産業を脅かすことになります。例えば、メキシコとのFTAが締結されなかった場合、NAFTA締結後に日本からNAFTA域内に流出した自動車部品等の貿易額約4000億円が失われたままになってしまうといわれています。
FTAは、それを締結することの利害得失を的確に把握し、影響をこうむる国内産業間の調整を行う必要があります。FTAについては、首相をはじめとしたトップの強いリーダーシップのもとで利害調整を行うことが必要ではないでしょうか。
私はこれから、国と国を結びつける通商・貿易を進める政策を考えていきます。
自由貿易によるモノ・サービス・人の交流が、国と国の理解を深め、経済的繁栄と平和を生み出すと考えられるからです。
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