FTA/EPAを通した対アジア経済政策
[2004年10月01日] [政策 | 外交 | 経済] [コメント (0)] [トラックバック (0)]
小池(外交担当)です。
昨晩は、各国大使館、官僚、政界関係者で開催されている外交懇話会に出席してきました。私は今回初めてですが、定期的に勉強会を開かれているようで今後ともお世話になろうと思います。今回は役所の方を囲んで、ASEANを中心としたアジア経済政策について話し合いました。
これまでは日-ASEANの経済関係と言いますと、日本企業がASEANの安い労働力を利用して製造し、日本への逆輸入を進めていくような形で日本の製造業がまず発展してASEANを引っ張っていくような雁行方発展が典型的でした。
ところが最近の動きはかなり複雑化してきています。まずアセアン域内の経済統合がかなり進んできたことと、中国、インドの台頭による影響が挙げられます。具体的例を挙げますと、現在進められているASEAN-中国のFTA締結によりASEANから今度は中国へ輸出する企業も増えてきますし、中国からの投資も増加するでしょう。また、インドとの関係も活発化しており、去年にはASEA Nはインド、タイとの枠組み協定に署名しており、アーリーハーベストという前倒しで関税を撤廃する方針が盛り込まれました。
もちろんASEANにも課題は山積みです。統合を進めるにあたり、各国がまちまちな制度を統一する必要がありますし、今後拡大も予想される域内格差をどうするかという問題もあります。その点につき、日本の役割として特にメコン地域の支援がASEANとの関係および市場の拡大という意味でも重要な位置付けを占めています。中国もメコン川流域は経済的にも重要と捉え周辺諸国と開発計画を進めています。
今後変化していくアジアの経済政策・動向を正確に見通し、私たちも自身の方針や将来の産業構成を考えていく必要があります。つまり「アジアの一員としてどう生きるか」という事です。やや見えにくいですが、現在の日本のFTA戦略も身近なエリアを攻めていくとい事にあります。そう言うと、メキシコはどうなんだと思われますが、メキシコとのFTAはいわば「守り」のFTAであり欧米諸国と比べた関税差から実損が出始めているのを防ぐという目的が主です。一方本来の姿勢は「攻めのFTA」であり、その意味で日-ASEANのFTAはアクセスの向上や域内分業に有利な結果が期待されます。
つまりFTAがきっかけとなって、ようやく将来の分業体制や自分たちの産業構造のあり方を現実味をもって考えられる時期にきたかと思います。注意点としては、FTA方針を考える際にも決してバイ(二国間)でなくマルチ(多国間)でどう動いていくかというビジョンを持つことです。例えば今回タイが急にFTA交渉に関して強硬になった背景を考えると、関税が引き下げられる中国からの農産品が増え、自国の農産品の向かい先として何とか日本を確保したいという思惑が強くなった為でもあるでしょう。極端な話をすれば、「アジアがEUのような共同体になった時日本はどうなるのか」という見通し及び設計図を見ながら現実的に動いていかなければなりません。
以上/小池
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