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日本の国連安保理の常任理事国入り

[2004年10月08日] [外交] [コメント (0)] [トラックバック (0)]

小池です。今日は、先日小泉さんが国連に行った事もあり、改めて安保理の常任理事国入り問題について考えてみようと思います。

まず現状についてですが、日本が単独で常任理事国入りするのはほぼ不可能で現状外務省が主導で進めているような他国との協調や国連改革と合わせても数多くの関門が待ち受けています。それは手続きを見ても明らかです。まず決議の採択には国連加盟191カ国の2/3以上の賛成が必要であり、実際の憲章改正は5常任理事国を含む2/3の国の批准を経てはじめて可能になります。

そこで特に常任理事国を初めとした各国の支持を取り付けなければなりません。日本は冷戦後の1992年に宮沢総理が始めて国連改革を提起し、その後積極的に内外の説得を進めています。特に国内においては当初日本の役割拡大に対する懸念が高かったものの、その後の国際情勢変遷もあり、常任理事国としてより大きな貢献を果たそうという認識が広まっています。国外では、今回のイラク戦で明らかになった安保理の構造的問題に対する懸念の高まりにのる形で、ドイツ・ブラジル・インドとの連携等を通しながら各国にアピールしています。

ただ肝心の常任理事国ですが、現状維持志向ならびに過度の国益思考の傾向が強い現状からは見通しはそれ程明るくありません。今のところ、米英仏の支持は取り付けられる見通しはあるもののロシア・中国については以前として先行きは容易ではありません。特に中国の反応は複雑です。中国政府は賛否を明らかにしていない一方でメディア(国営新華社通信、人民日報)は反対を強く唱えています。ネットでの調査では96%が反対のようです。理由はそれぞれありますが、中国の既得権益・指導的地位を失いかねないこと、アメリカの勢力が伸びる事に対する嫌悪感、そして日本に対する不信感という点が主だと思います。日本の専門家の中には、中国は日本を敵に回すだけでなく国際的に孤立する事を恐れて支持も不支持もしないのでは、と考える人もいますが、今のように見通しが見えない内はそうでも実際に議題に挙がる際には間違いなく難色を示すと思われます。

ここでもう一度考え直さなければいけないのは、安保理そして国連の位置づけ及びなぜ日本が常任理事国になる必要があるのか、という点です。まず現状の国連の捉え方ですが、結局は第二次大戦の戦勝国が中心となったもので、何か超国家的なものや普遍的のもののような過度な期待は持つべきではありません。ただ一方で、唯一の国際権威であり、安保だけでなく市民生活に直結するルール作りにも大きく貢献しています。特に環境・教育・保険等の分野における役割は無視できません。実はこの点が、問題を更に複雑にしています。つまり戦勝国で集まって非戦を目的にした組織が、その源の思想及び構造を抱えたまま、やがて大きく情勢が変わった現代においても残りかつ分野を拡大しています。今や安保だけでなく当初予想もしなかった広範な分野を抱え、無視する事もできず改革も進まないという現状です。

果たして日本はどうすべきでしょうか。主体的に自らの広義の国益を増進していくという点においては、より大きなリーダーシップが取れるポジションは確保する価値があると私は考えます。その際に、現状の国連に日本が合わせるのでなく、国連しいては国際秩序を変える為に日本が新しい概念を導入していくのだ、という姿勢とその認識を広げていくことが必要だと思います。注意しなければ常任理事国になる事が目的化してしまい、理念を失った全方位外交を続けて結果として予想も付かなかった国の形になってしまうでしょう。現に外部からは「防衛庁を省に」だとか「歴史を見直せ」等の、彼らの価値に基づく条件がちらつかされています。今一度何の為に入るのかと考え直す時期に来ています。

年末には、安保理改革の「ハイレベル委員会」が準常任理事国という拒否権なしの常任理事国の増加という案をおそらく出してきます。実際に進めていく際には前述した多くの課題に加え、日本でも「拒否権なしなら意味が無い」という声がありもちろんすんなりと通る訳がありません。それでも私は、前進のための現実的な一歩だと思います。想像してみて下さい。前提となる旧敵国条項を撤廃し、古い連合国からは敵と見なされていた日本おそらくドイツもとりあえず常任理事国と認められたとなれば、誰もが新しい時代を期待するのではないでしょうか。それは新規加盟国が果たすこれからの役割に対するものだけでなく、それらの国々を受け入れて変わろうとするP5の姿勢に対するものでもあると思います。そしてその際に、拒否権を与えない常任理事国を増やすのであれば、何とか現状の拒否権の力を弱くできればと思います。それには例えば(1)単独では行使できないとか、(2)誰かが拒否権を行使した場合でも安保理構成国の2/3をもって決定を覆す事ができるといった案もあります。

長い課題ではありますが、藤末さんの代、そして少なくとも我々の代には必ず実現していきたい大きな目標であります。

以上/小池

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