独禁法改正に関する公正取引委員会からのヒアリング
[2004年11月17日] [政策 | 「技術立国」再び | 日記] [コメント (1)] [トラックバック (0)]
上杉事務総長をはじめとする公正取引委員会幹部の方々から、今国会に上程されている「独禁法改正案」の説明を受けました。
私としては(党の見解とはやや異なりますが)、罰則の強化と審査・審判手続の公正化を担保することによって、公正で活発な市場競争を促進するという改正の大枠には賛成です。
ただし、今回の独禁法改正は、非常に拙速であり、議論が十分に尽くされていない感があります。特に、以下の疑問点に対する議論を深める必要があると考えています。
○現在の公取委の体制で改正独禁法を運用できるのか?
改正案では、犯則調査権(公取委が刑事告発を行う権利。今までは行政調査権しか持っていませんでした)の導入、リニエンシー(課徴金減免制度:自首した事業者の課徴金を減免する措置)などが盛り込まれ、公取委の活動範囲と権限が拡大することになります。ところが、現在の公取委には、670名しか職員がいません。このような公取委の体制で拡大する業務に対応できるのでしょうか。現行法における違法行為に対してさえ、公取委が十分対応しきれていないという意見が多々あります。
また、公取委が刑事告発を行うとなると、組織内に行政執行のみならず刑事法制に関する深い知識を持った人材が必要となるため、職員の中に法曹資格者を増やすことが必要となります。
端的に言うと、改正案を適切に運用するためには、公取委職員の質的・量的増強が必要となることが予測されるということです。これに対しては、公務員の期限付き任用の枠を拡大するなど、公取委が具体的に体制をどう整備するかをきちんと示してもらう必要があります。
○改正独禁法の対象範囲は十分なのか?
今回の改正案では、昨年公取委が公表した独禁法研究会の報告書に比べ、不可欠施設(電話線や電力線など、事業に参入するために不可欠な施設)の所有を悪用した不公正取引や、私的独占への対応が後退しています。また、中小事業者の関心が高い不当廉売、優越的地位の濫用などに関する対応も十分とは言えません。
改正案の附則には、2年後の見直し規定が盛り込まれていますが、見直しの範囲に上記の事柄が含まれているか否かを明確にする必要があると思います。
○課徴金制度自体に問題があるのではないか?
課徴金は、事業者が違法行為を通じて得た不当利得国が回収するという趣旨で設けられたお金です。よって、違反した事業者の不当な利益を計算することが必要となります。よって、不当廉売など不当利益を明確に計算できないものは課徴金を貸すことができない状況にあります(このロジックは正しいと思っています)。よって、課徴金を行政制裁金(交通違反の罰金のような懲罰的性格を持つお金です)に変更し、不当利得を計算しなくとも不正を犯した事業者から制裁金を取れるようにすべきではないかと考えます。
また、2重処罰といわれている課徴金と刑事罰の併課も、行政制裁金に一本化することに関しても議論すべきであると思います。
独占禁止法は、産業活動を規定する大切な法律です。
藤末としても、政府と十分な議論を尽くしつつ、きちんとした制度作りに参加していきたいと思います。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.fujisue.net/MT3/mt-tb.cgi/3372
コメント
Kuramae Journalで貴議員の経歴を知りました。
本件ご意見に賛成です。ご活躍を期待しております。
投稿者 古谷多賀至 : 2004年11月21日 18:36







