LLP法関連質疑
[2005年04月26日] [「技術立国」再び | 日記] [コメント (12)] [トラックバック (1)]
今日は、有限責任事業組合法(LLP法)案の審議がありました。
60分の質問時間を頂きましたが、ちょっと足りない感じです。
しかしながら、いくつかの収穫があります。
1.LLPは、民法上の組合で、法人格を持ちません。そのため、融資や補助金を受ける主体にはなれない状況ですが、中小企業庁を中心に政府融資や補助金をLLPで受けれるように努力する旨回答を頂きました。
2.LLPの活用については、農業分野(農水省が相当突っ込んだ活用想定を発言いただきました)、産学連携分野などあり、これに加え、私は「大企業初ベンチャー10万社」を提言しました。これは大阪府立大の前田昇先生が提案されていたものです。
3.経済省が、法務省などと連携し、もっとも会社法が充実している米デラウェア州の会社法を研究し、会社法人形態のあり方を示してくれそうです。
今回も資料を配布して質問です。是非、追加もご覧ください。
<以下、私が国会説明で使った図表です>
1.法人組織の形態
米デラウェア州会社法には、会社組織の種類が多く起業環境に適していると聞いているがどうか。また、会社形態のひとつであるS-CORPについてどのように考えるか。(法務省、経済省、財務省)
>経済省と法務省は、前向きな回答を頂きました。財務省は、やはり硬いですね。
会計士法ではLLPが使えず、無限責任となっている。会計士もLLPを使えるようにすべきではないか。(金融庁)>投資者保護のためには無限責任がいい、との回答。投資者保護のためには投資者保護保険や信用保証が有効で、会計士を破産させるために無限責任にするのは間違いです。また、LLPは英国では会計事務所用に作られ、米国でもL&Sの破産訴訟で会計士が破産しまくったので会計士用にLLPを作ったことも金融庁の方がご存じなかったようです。
また、解散時、LLPは権利関係が複雑になり、特に知的財産権(特許は共同出願)のどの処理については、解散時を想定した契約が必要だと考えるが、モデル契約を作るなど対策は講じるのか。(経済省)
雇用契約などは民法上の組合と同じ(組合雇用か組合員雇用)になると考えるが、雇用契約や保険・年金などがどうなるかを「被雇用者」にも明確に知らせるべきでないか。(経済省)
>経済省からきちんとした「LLP設立マニュアル」がでます!
2.LLP活用環境整備
政府系金融機関においてLLP用の融資制度・信用保証制度・補助金制度を作るべきでないか(経済省)、政府研究開発予算などをLLPに出すことは可能か。(経済省)>対応するとのご回答。是非やっていただきましょう。
プロジェクトファイナンス的な融資をもっと促進すべきではないか。担保主義から脱却すべき。政策的な対応はどうなっているか。(金融庁)>私からPFの手法研究をしてほしいとお願いしましたが、金融庁がいい返事をされません。そこで経済省に振ったら、経済省が対応を検討するという感じの回答を頂きました。
LLPに対する信用保証をどうするか(カナダでは、専門家LLP信用保険を、米国でも州によってはLLP保険が義務化されている)。(経済省)>検討したいとの回答。
3.中小企業の利用促進
モデル契約、会計処理などのマニュアルを作り、中小企業などの作業軽減を図る必要があるのではないか(経済省)>きちんと対応していただけるようです。
中小企業LLPは、ベンチャー振興のツールとなる。連携支援法におけるLLPの支援策が十分ではないのではないか。(原則、法人格の枠組みを要求している。)(経済省)>将来の課題として対応。
3.具体的な活用例
技術開発のLLPが想定されているが、米国の半導体製造装置のEUVLLCのような形を想定しているのか。具体的なプロジェクトは動いているのか。(経済省)>話はきているとのこと。
また、大企業からのスピンオフベンチャー促進などでも活用ができるのではないか。(現在、企業の保有する特許の70%が使われていない休眠特許。このような休眠特許を社外で事業化する大きなツールになると考える。)(経済省)>大企業発ベンチャー1万社(あとで10万社に言い直す)を提言しました。明確な回答はいただけませんでしたが。
農業分野での活用はどのように考えているか。また、課題はなにか。(農水省)>集団農業での活用、食品流通と農家の連携など、非常に多くの想定モデルを示していただきました。感謝です。また、農家が使えるような簡便な手続きにしてほしいとの話があり、それを経済省に質問しました。
申請手続き事務、税務事務などの軽減を図るべき、なにか対応を行っているか。(経済省)>きtんとsたマニュアルを作る。中小企業や農家に使っていただきやすく配慮する。
産学連携でLLPの活用を勧めるべきでないか。また、大学教官がLLPに関与する場合の規則を整備するべきでないか。(文部科学省)>文部科学省がやらないとの回答でしたので、またもや経済省に振ったら、経済省の方が「対応する」と仰っていました。これは経済省にキラーパスを出したようなものでは?と思いました。文部科学省の方には、「中央政府としてやるべきことがあるのでは?」と申し上げたい、今まで大学への補助金行政をやっていて、細かいところを指示していたので、独立行政法人国立大学になったら何もでできません、ということはないと思います。
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» LLPの審議が進んでいる模様 from 独立しちゃったエンジニア=StepupEngineering=の場合
時々見ている議員さんのBlogによると、LLP法案の審議が進んでいるようです。
行政書士の方にも相談しているんですが、
内部自治、構成員課税、有限責任は... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年05月01日 18:20
コメント
大樹と下草の関係は大企業と中小企業のとの関係に似ています。下草がないと大樹は倒れてその土地は荒れるそうです。大樹が日光をさえぎり下草が生えなくなります。下草が生えないと土壌流失が起こり大樹は立っていられなくなります。そして、その土地は大樹もない下草も生えない荒れた土地になります。・・・・・・中小企業を増やすには大企業に経営資源が集中しないように規制することが大切です。中小企業の経理上の保護も必要ですが、あわせて大企業の経営資源の還流も促進していただきたいと思います。大企業が中小企業を育てるための基金などの設立など如何でしょうか。また野球のwaiver法などが参考になると思います。大企業の利益や資源を中小企業に還元する法が出来るとよいと思います。・・・・・・・強いチームとはどういうチームをいうのであろうか。それは平均的に強い選手がいるチームだそうです。スター選手が全てを独占しているチームは弱いそうです。資源の分割が必要です。政治でもいえそうですね。一人のカリスマが周りの養分を吸ってしまうとその政党は弱体化します。
投稿者 野澤保博 : 2005年04月27日 13:38
野澤保博さんに賛成します。LLP法案には期待しているのですが、最近の法律はヴェンチャー、起業をしにくくする法律ばかりのような気がします。雑草でも草のうちです。
投稿者 ひでき : 2005年04月27日 18:22
野澤さん そのとおりだと私も思っています。今後ご紹介しますが、私は、企業と木に、産業を森に例えた産業政策の資料を創っています。
大きな木だけでは森はできません。また、草原でも安定しない。きちんと調和が取れた生態系(森)を国内に作り、外国からも木を移植することが必要だと思っております。
LLPも未完成のBLOGを載せてすみません。
今から書き変えます。
投稿者 ふじすえ : 2005年04月28日 05:42
登記実務的には、組合員全員の氏名及び住所(第57条第1号)が登記されるため、利用を躊躇する向きがあるのではないかと思います。
組合契約書には組合員全員の署名または記名押印が要求されており(第4条第1項)、また、組合契約書記載事項であり、かつ、登記事項であるものを変更したときは、変更登記が必要となりますが、変更を証する書面にはやはり組合員全員(一定割合以上という軽減が認められる場合もありますが)の署名または記名押印が要求されます。
したがって、数十名規模以上の組合の場合、手続が容易ではありません。経産省と法務省の協議により、簡素な手続を実現していただきたいと思います。
有限責任を担保するためとはいえ、やや使いづらい面があるのでは。
投稿者 内藤卓 : 2005年04月29日 16:34
内藤さん ご指摘のように手続きの簡素化がこの制度の成否にかかりますね。法律が通った後も、きちんとウォッチしていきますので、よろしくお願いします。
投稿者 ふじすえ : 2005年05月06日 14:46
LLP法の施行は、8月1日の予定です。
政令や省令など詳細をBLOGに掲載します。
よろしくお願いします。
投稿者 ふじすえ : 2005年05月10日 23:33
自分はただいま、大学で勉強していましてLLP、LLCは以前から興味を持っているのですがLLP及びLLCのデメリットはどのような点なのでしょうか?
投稿者 櫻井翔 : 2005年05月13日 15:59
櫻井さん 新しいエントリーを立てましたのでご覧ください。
投稿者 ふじすえ : 2005年05月13日 21:12
はじめまして。
LLP法について検索をしておりましたら、ふじすえ先生のプログに辿りつきました。本当にすごく参考になります。また、これまでの先生のご活躍を拝見しまして、とても心強く思いました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
投稿者 信藤 : 2005年05月15日 12:05
LLPについては、どんどん情報を掲載します。ご期待ください。
投稿者 藤末 : 2005年05月23日 14:10
今度、LLCに関する会社法改正にも質問をすることになりそうです。また、BLOGから情報を発信していきます。
投稿者 ふじすえ : 2005年05月23日 14:45
はじめまして。
先生その後、LLPについて新しい情報はないのて゜しょうか。いろいろと本では出ましたが、会計や税務については決定版はみあたりません。経済産業省の石井さんもいろいろなところで講演されていますか゛、肝心なところ、会計面や契約面については空虚です。専門ではないのかもしれませんが。構成員課税がどうのこうのはあまり興味がありません。そもそも組合契約のモデルいまだに出ません。政府はどうこの制度をPRしていくのでしょうか。教えてください。
投稿者 bara3 : 2005年10月01日 13:44







