「中国の反日デモについて諸外国はどう感じているか」( アメリカ1)
[2005年06月06日] [日記] [コメント (0)] [トラックバック (0)]
シリーズも第三回目となりました。
今回は、日本と経済のみならず安全保障など他分野における関係が非常に深いアメリカについてです。アメリカに関してはつい最近、ワシントンDCにも行ってアメリカの政治の中枢で働いている方々と話をして参りましたので、このエントリー(中国についての議論、ワシントDCの日本人駐在員との話)と一緒にごらんいただけるといろいろなことが分ってくると思います。
では、主要新聞の社説から報告して行きます。
総評
主要新聞の論調は、中国の非民主的体制と偏向した歴史認識への批判と暴動化したデモの違法性の指摘でほぼ一致しています。一方シンクタンクの研究員の間でも、最近の日中関係の状況を極めて深刻なものであるとして懸念する声が多いです。ただし、このような状況を引き起こした責任については、日中双方に求める議論と中国のみに求める議論とに分かれている模様です。
シリーズも第三回目となりました。
今回は、日本と経済のみならず安全保障など他分野における関係が非常に深いアメリカについてです。アメリカに関してはつい最近、ワシントンDCにも行ってアメリカの政治の中枢で働いている方々と話をして参りましたので、このエントリー(中国についての議論、ワシントDCの日本人駐在員との話)と一緒にごらんいただけるといろいろなことが分ってくると思います。
では、主要新聞の社説から報告して行きます。
総評主要新聞の論調は、中国の非民主的体制と偏向した歴史認識への批判と暴動化したデモの違法性の指摘でほぼ一致しています。一方シンクタンクの研究員の間でも、最近の日中関係の状況を極めて深刻なものであるとして懸念する声が多いです。ただし、このような状況を引き起こした責任については、日中双方に求める議論と中国のみに求める議論とに分かれている模様です。
新聞-社説
反日デモの原因としての、日本の責任の重さについては、各紙論調の差があるのですが、中国側の責任の重さ、デモの暴力行為の違法性を指摘する点は共通してみられます。日本の国連安保理常任理事国入りに反対する議論はほとんど見うけられないです。デモの真の問題点は、資源問題を含めた日中の東アジアでの覇権争いであり、アメリカが日本を台湾問題に深く関与させたことが、この騒動に火をつけたとする社説が目立ちました。なお、有力紙ニューヨーク・タイムズは、反日デモが展開されていた4 月中は、社説でデモを直接的に取り上げていなかったのですが、中国と周辺諸国との関係を論じた5月6日付社説「躍進する中国」の中で、部分的にではあるが初めてデモに触れて日中双方の責任について論じていました。
ワシントン・ポスト紙近隣諸国への過去の残虐行為について、日本の謝罪を評価し、自衛隊派遣による国際貢献や国連への経済的な貢献を評価した上で、デモの引き金となった日本の常任理事国入りは妥当であると論じています。昨今中国政府の香港や台湾への態度が強硬になっていることなどから、共産主義国として周囲に与える危機感にも言及しています。さらに、今後アメリカが中国に対抗する可能性を示唆しています(4月23日付社説)。
ワシントン・タイムズ紙
デモの原因とされた日本の教科書の歴史記述や常任理事国入りに対する中国の反対意見は、特に目新しいものではないと考えています。しかし、デモをアジア地域の国際政治への戦略として利用しようとしている点がこれまでの中国の対応とは異なっていると分析している模様です。「日本が歴史上の失点を言いつくろうことは責められるべきこと」としながらも、日本への反論として政府の扇動による集団暴力は許されないとしています。また、デモにより何らかの利益を得るよりも、経済的な損失の方が大きいと強く論じています(4月19日付社説)。
クリスチャン・サイエンス・モニター紙日中関係を独仏の関係に重ね合わせ、歴史的に対立のある二国間の問題がいかに根深いか今回のデモで露呈したと言っています。日本の政治家による右翼的な言動は、中国政府が内政問題を隠蔽して国民の不満をそらす目的で自国の愛国主義者を煽るために、格好の標的となっているといっています。しかし、現在日中で最重要視されるべきは、経済問題であるとし、両国の経済的な結びつきをデモにより壊すべきではないことを強く指摘しています(4 月12 日付社説)。
ロサンジェルス・タイムズ紙日本は過去の残虐行為について近隣諸国への反省の態度が曖昧であると指摘し、小泉首相の靖国参拝が周辺諸国に不快感を与えていることは確かであると論じています。一方で、中国政府が自国民への虐待、虐殺や他国への侵攻を行ったことについては、口を閉ざしていることを指摘し、日中の歴史問題を日本への脅しに利用しているとしています。中国の目的は、東アジアでの覇権の拡大と日本の常任理事国入り阻止であるので、日本による「真の謝罪」が行われることにより、中国は「当惑」するだろうといっています(4月18 日付社説)。
今回はここまでということで、基本的にアメリカの新聞各社は日本に同情的なようですね。ただ、目立つのは当事者でないということもあり非常に冷静に物事を見ていることでしょうか。非常に日本に役立つことがたくさん見受けられます。政治家の右翼的言動がうまく利用されたり、歴史教科諸問題を利用する背景などがよく書かれています。
また、経済的な面についても感情論でない見地から物を言っているだけに説得力がありますね。
次回はアメリカの政治を動かす一翼を担うシンクタンクについて報告して行きます。
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