そんなバカな!―遺伝子と神について 竹内 久美子 (著)
[2005年12月30日] [日記 | 読書録 | 哲学] [コメント (2)] [トラックバック (0)]
最近、比較的に面白い本に出合っています。
これはヒットです。いや、3塁打です。
メインは、遺伝子学のセルフィッシュ・ジーン(利己的遺伝子:ドーキンスが提唱)です。肉体は遺伝子を増殖させるための乗り物であるとの説はなかなか面白く読ませていただきました。例示として、姑の嫁いびり、ケチ男・バクチ男は利己的遺伝子の指令で結婚を破棄し、新たな子孫を作る機会を得ようとしているのと説?はちょっと行きすぎかとも思いますが、うなずけるところもあります。
私もセルフィッシュ・ジーン論の影響もあり、生物である人間が残せるのは、名誉や金などでもなく「遺伝子」だと思っています(他に情報(思想)も人間だけが残せると考えます。情報の伝達が人間と他の動物を区別しているというのが私の考えです)。それ故、こどもが最大の財産だと思います(この点は、セルフィッシュなのか、愛情なのかよく自己理解できていませんが)。
いくつか面白かった点を続くに書いておきます。
○ハチのオスは遺伝子が半分しかなく(人間でいうところのXX,XY遺伝子のXしかない状況)であるため、親子の関係よりも、兄弟の方が遺伝子の共通割合が大きくなる。このため、働き蜂は自己繁殖しないで兄弟の繁殖に精を出す。(詳しくは図がないと理解できないですね)
○子供が生まれると冒険心が薄れるのは、遺伝子が子供を守るように指示するから(おそらく著者の論理だと推測します)
○DNAの2重螺旋を発見したワトソンとクリックのうち、クリックは、機雷や地雷の研究をした後に、大発見をしている。専門家の罠(どんどん重箱の隅をつつくような研究をしてしまうこと)に陥らなかったことがプラスに働いた。クリックは、RNAの発見やセントラルドグマ(遺伝子情報がDNA>RNA>たんぱく質と伝わる仕組み)の提唱まで参画しています。
○攻撃型(タカ派:食料を争い常に闘う)と譲歩型(ハト派:戦いを避ける)が存在する場合、タカ派は、ハト派と食料の取り合いになれ食料を手に入れることができ、タカ派同士がであった場合には被害が大きい。一方、ハト派は、タカ派とであった時は食料を得ることができないが、戦いによる被害がない。これをゲーム理論で考えると、タカ派の攻撃力が高くなれば高いほど、タカ派の勢力は拡大しないことになる。実際、狼やライオンは、相手を完全に傷つけるまで争うことはまれである(たしかかばも直接攻撃でなく口を空ける大きさで争いますね)。これは人間の戦争にも言えることかもしれません。
○ちなみに、強い相手を認める行動は、人間が神様に祈る様子に似ている。祈りとは人間が神と言う優位なものに対して絶対服従をする行動ではないか。
○チンパンジーの狸寝入り。えさを見つけたチンパンジーがその場で食べないで、一度巣に戻り、周りの仲間が寝入ってからえさを食べにいったとのこと。チンパンジーが賢くてびっくりですし、やはり生き物は生きるために必死だと感じました。
などなどです。一部、これは本当か?(なぜインドでは牛を大切にするかなど)ということも書いてありますが、楽しく読ませていただきました。
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コメント
・・・・・藤末さん。竹内については遺伝学の知識を自説に都合よく解釈して、現状肯定のタメにする主張に終始していると言う批判があるのをご存知ですか?いみじくも東大助教授を務めていてその辺りの事情もご存知の筈の藤末さんがこんなことを書いたら程度を疑われますよ。
一応、参考までに↓
山形浩生「竹内久美子:女のオヤジ」
http://cruel.org/takarajima/takeuchi.html
投稿者 杉山真大 : 2005年12月30日 18:39
御意見をありがとうございます。ご指摘の点を正直感じます。ネットにはあまり悪いこと(悪口的なこと)を書かないようにしていますので、ご容赦ください。
ちょっと批判的なことを書きましたが、確かに根拠なき話が多いですね。他にももっとおかしいと思うところはあります。
ただ、今後、もう少し売れる(多くの人に読んでいただく)本を書きたいと思う自分にとってはなかなか楽しく読ませていただきました。
これからライフサイエンスも専門的な本を読んで行きたいと思います。
まだまだ序の口ですので、お許しください。
投稿者 藤末 : 2006年01月04日 13:53







