「活憲」に関するコメントへの返事
[2006年03月10日] [日記] [コメント (3)] [トラックバック (0)]
「あおいさん」から以下のようなご指摘を頂きました。(いつもコメントをありがとうございます。)
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過去にも何度か書かせて頂きましたが、9条と、”領土外での武力行使の禁止”とは論理的に全くつながりがありません。9条は目的(紛争の解決かどうか)を基準に武力行使を禁じたもので、場所(領土外かどうか)を基準にする概念は含まれていないからです。
現実問題としても、兵器の射程が大幅に延びた現代で、領海内に閉じこもっていては国土の防衛は不可能です。我が国も弾道ミサイルを保有し、「発射したのは領土内だから国外での武力行使ではない」と言い張るつもりなら話は別ですが…。
また、”9条を武器にする”という主張は国際貢献(?)のみを見て防衛という最重要事項を無視しています。いくら奇麗事を言って他国に愛想を振りまいても、自国の領土を守れなければ本末転倒というものでしょう。
不戦主義では領土は守れません。ことに、中国が外洋進出とそのための領土獲得の意思を公然と表明している現状では、です。中国海軍による南沙諸島での既成事実の積み上げなどは非常に参考になるでしょう。
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あおいさん、いつもありがとうございます。
「領土外(外国領土)での武力行使の禁止」については、
9条の解釈として、「場所」の概念はあります。
例えば、
政府答弁書 昭56.4.16では、
「他方、我が国は、自衛権の行使に当たっては、我が国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することが当然に認められているのであって、その行使として相手国兵力の殺傷及び破壊等を行うことは、交戦権の行使として相手国兵力の殺傷及び破壊等を行うこととは別の観念のものである。実際上、自衛権の行使としての実力の行使の態様がいかなるものになるかについては、具体的な状況に応じて異なると考えられるから、一概に述べることは困難であるが、例えば、相手国の領土の占領、そこにおける占領行政などは、自衛のための必要最小限度を超えるものと考えている。」と相手国領土の占領などを否定し、
昭56.11.13 秦豊議員質問主意書に対する答弁書では
「我が国に対する武力攻撃が行われた場合、我が国が日米安保条約に基づいて海上交通の保護のための海上作戦を米国と共同して実施することもあると考えているが、この場合においても、我が国の実力の行使は、我が国を防衛するための個別的自衛権の行使として行うものである。」と公海上での活動を想定しています。
このような解釈を総合すると
防衛に関係しうる政府の見解としては、(1)自衛隊を武力を行使する目的で他国の領土、領海、領空に派遣することは憲法上許されないが、公海上においてわが国の船舶を保護するという目的であれば憲法上許される、(2)わが国の船舶、航空機等に対して多発的、計画的、組織的な攻撃が行われる場合には個別的自衛権行使の対象となり得る、(3)わが国が個別的自衛権を行使する事態が発生しているときに、来援に来た米軍に対する攻撃については、わが国は個別的自衛権行使の範囲内でその米軍に対する攻撃を排除することもあり得る、というものです。
また、私は不戦主義ではないです。ここが、辻本さんとは全く違います。
わが国を護るための防衛力は必要です。また、同時に相手国がわが国に侵攻しないようにする予防外交も同時に必要です。
防衛力の強化による安全保障ではなく、古くは「総合安全保障」と言われたODAや文官交流なども含めた安全保障戦略を議論し、作っていかなければなりません。
長くなりましたので、エントリーを立てさせていただきました。
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コメント
(3)のことを「集団的自衛権」と思っている人が多いのではないでしょうか?
投稿者 ichiro : 2006年03月10日 16:22
わざわざ一エントリを立てて頂きましてありがとうございます。
>防衛に関係しうる政府の見解としては、(1)自衛隊を武力を行使する目的で他国の領土、領海、領空に派遣することは憲法上許されないが、公海上においてわが国の船舶を保護するという目的であれば憲法上許される
どちらも「目的」を基準にしているようにも読めますが、もともと「領土」に場所だけでなく政治・軍事上の意味も含まれていますので(たとえば”占領”が外国領土で行われるのは自明)、分けて考えるのが無意味だったかもしれません。いずれにせよ、政府見解を基にされるというお考えは分かりました。それを超える規制を主張されているのかと思い込んでいました。
また今回改めて読んでみて、中央公論掲載論文では「領土外における武力行使の禁止」となっていたものが、「外国領土における武力行使の禁止」に変わっていたことに気付きました。両者の間には国土防衛の上で大きな違いがありますので、改められたのは良いことだと思います。(公海を容易に超える中距離ミサイルにどう対処するかという問題は依然として立ちはだかりますが。)
>また、私は不戦主義ではないです。ここが、辻本さんとは全く違います
上述のように、事実上国土防衛が不可能な「領土外における武力行使の禁止」を主張されていると思ったこと、辻元氏の論に特に批判もなく「活憲論」と同じくくりをされていたこと、から不戦主義と表現させて頂きました。現実的な防衛政策を支持されるということで安心しました。
>防衛力の強化による安全保障ではなく、古くは「総合安全保障」と言われたODAや文官交流なども含めた安全保障戦略を議論し、作っていかなければなりません
領土・制海権の拡張意図を持ち、かつてない規模で軍事力を増強させている国がすぐ近くにある以上、防衛力の強化は必要なことだと思います。
もちろん総合安全保障政策「も」必要です。効果的な政策を期待します。が、ODAの活用を考えられているなら、まずは巨額の税金を投入したODAの効果の検証が先決でしょう。もう時間的にも金額的にも十分な試行を行ったわけですから、少なくとも効果がなかった援助先についてはこれ以上の支出は認めるべきではないと思います。
投稿者 あおい : 2006年03月11日 03:46
>>ichiroさん
集団的自衛権はあまり理解されていないと感じています。
今度、集団的自衛権に関する説明を書きます!
>>あおいさん
ご意見をありがとうございます。
ご指摘のとおり、ODAも防衛もコストパフォーマンスを検証すべきだと思います。
そのためには、統一された評価指標をどうするかという議論が必要だと思います。
また、辻本さんのことを少々悪く書きましたが、彼女もより現実的な平和構築と仰っており、私と同じような意見になられるかもしれません。(自衛隊と日米安保の否定ではないかもしれません)
総合安全保障的な考えについては、また、エントリーを立てますので、よろしくお願いします。
投稿者 藤末 : 2006年03月15日 11:05







