稲盛財団フォーラム「東アジアの安全保障と日本の将来」
[2006年04月26日] [日記] [コメント (1)] [トラックバック (0)]
京都で米国の外交研究機関CSIS(国際戦略研究所)のカート・キャンベル氏、マイケル・グリーン氏が参加した上記フォーラムが開催されましたので、新幹線で行ってきました。のぞみのおかげで京都も近くなりました。
キャンベル氏と川勝平太教授の基調講演の後、グリーン氏、川勝教授、中西寛教授(京大)、村田教授(同志社大)、福川伸次氏(稲盛財団理事長)のパネルディスカッションが行われました。
川勝先生は、アジアを海洋国家群として捉え、東アジアの中での日本のあり方を長期的な視野から語られました。
グリーン氏は、
・「民主主義国家」としての日本が東南アジアを含めアジアで価値を持つ、アジアにおける外交のビジョンを日本は示す必要がある。民主主義的価値観に基づく外交ビジョンを占めすべき。
・アジアは国家(西洋型との意味だと思われます)が形成されてからの歴史が浅いこともあり、最近ナショナリズムがはげしくなっている。
中西教授は、
・ナショナリズムを政治家などトップがあおる状況が生じている。今まで若者などのナショナリズムを鎮めるのがトップの役割であったが、それが変わってきた。
・歴史問題には日本は真摯に応える必要がある。靖国神社については宗教法人としての位置づけと国家組織の一部だったという曖昧さがある、ここが問題である。
村田教授は、
・小泉首相とブッシュ大統領の関係は個人資産である。引継ぎできるか不明。
・アメリカの対中外交もゆれている。軍事的な脅威と見る目と責任ある経済パートナーにすべきと見る目の二つがある。東アジア共同体というが価値観の共有がなければならない。
・価値観の議論がない共同体は意味がない。
といったご指摘でした。あまり学術的な話ではないと感じました。
川勝教授からは、
・中国は孫文が三民主義(民族、民権、民主?)を唱えたのが1924年、民族という意識の歴史が浅い。
・中央集権から地域分権国家に変わる事例をアジアで日本が先駆けて作ることも意味があるのではないか。アジア諸国は中央集権国家がほとんどである。
質疑
中国について
グリーン氏は、
・アメリカの対中政策は、それほど揺れていない。中国は脅威の可能性があると見ている。特に中国の軍事力の透明性がないことが不安をあおっている。そのため、インドとの外交を進めたりしている。中国とアメリカの貿易関係は深くアメリカも中国の安定を求めている。中国の安定のためには思想の自由などが必要だと考えている。
村田教授は、
・靖国問題について、全ての宗教に開かれた国立追悼施設の建設を進めるべきだと思う。靖国問題は国際的に深く理解されていず、イメージの問題となっている。
外交の価値観について
グリーン氏は、
・アジア諸国の市民社会にアプローチするようにしてはどうか。相手国の権力だけを相手にしていると相手国の権力構造が変わると積み重ねたものが全てなくなる(インドネシアの事例を紹介)。
川勝教授は、
・アジア文化が重要。アジア中から学生を集めたアジアの大学街を京都などに作るべきである。<これはグッドアイディアだと思います>
質問
日米の連携を強化するため憲法9条を変えるべきだとの議論があるがアメリカは同見ているか、を藤末からグリーン氏に質問
アメリカにおいて日本の憲法の議論を正確に理解できている人間はいない。ただ、米国で自衛隊の評価は高い。自衛隊を日米だけのためでなく国際的にどれだけ活動できるかの議論を行うべき。イデオロギーの議論ではない。
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コメント
日本にとって海洋国家と言うのはロマンがある様に聞こえるし、中国のアドバンテージが強まりつつある中では日本が自尊心を満たせる政策オプションではあるのでしょう。
でもよく考えて欲しいのですが、陸上交通と水運(&航空)とでは行き交いのし易さと言う点で差があるのは確かでしょう。幾ら船舶に大量の輸送能力があり飛行機が頻繁に行き交っても、自動車や鉄道の手軽さには敵わないのです。ましてや中国と言う巨大市場を半ば仮想敵の様に捉えて、(実際に中国と言う巨大市場の恩恵を受けている)"海洋諸国"が何の恩恵を受けるのか疑問です。比較的"親日"と言われる東南アジア諸国ですら中国へシフトしている中、ロマンと自尊心のためだけに"海洋国家"を目指すのは、イギリスのEFTAの二の舞を演じる可能性が大きいのではないかと思うのですけど、如何ですかね?
投稿者 杉山真大 : 2006年05月05日 21:46







