雑誌論文「いかに脳を育て、よりよく生きるか?」 小泉 英明
[2006年09月16日] [日記 | 読書録 | 哲学] [コメント (0)] [トラックバック (0)]
私も創刊に関係させていただいたネイチャー・インターフェイス誌で、日立製作所 中央研究所フェロー 小泉 英明氏の「いかに脳を育て、よりよく生きるか?」という記事がありました。
すごく関心あることが書かれていました。
脳科学が発展し、人の認識や慈愛などの感情がどのようにして生まれるか解ると社会科学がもっと進歩するのではないかと楽しみです。
○人間とチンパンジーの比較
人間とチンパンジーの違いは遺伝子に関係するDNAですが,配列差では1%ほどとわずか。その中でとくに大きく異なっているのが前頭前野の部分であり,ここが人間は、チンパンジーの2倍あるのが特徴。ここで人間は複雑な器具を使い、言語を操ることができる。そして、大きな違いは人間は「積極的な教育を行える」ところ。教育が人を人たらしめているわけですね。
ちなみに人とチンパンジーが分岐したのでは600万年前。
○宇宙と生命と脳
生命は38億年前に始まり,太陽系は45億年前,そして宇宙誕生は,最近の天文学の理論では約 137億年前と考えられています。そこから生命はずっと進化してきました。その進化の過程で数億年前,大きな出来事として脳神経系が急速に進化を遂げるようになった。
○赤ん坊の時に脳回路ができる
生後8ヶ月で脳の回路(シナプス)数はピークとなり、その後は環境に合わせてチューニングされ、減る。日本の赤ちゃんは、LとRの発音の区別ができるか、1歳を越えるとできなくなる。また、赤ちゃんの頃に眼帯をすると「画像処理のシナプスは不要なものとされ、画像(目に入る情報)の処理がきなくなる」。生まれつき全盲の人は大人になって手術して目が見えるようになっても脳が視覚画像を処理できない。
○胎児は、母体内で言葉を学んでいる
生まれた5日の赤ちゃんでも母親の言語と他言語の区別をしている。胎内で言葉を認識している。
○脳の思考を計測することが可能となっている
筋肉が全く動かない病気の人に、「YESなら右腕を動かし、NOなら左手を動かして」というと、脳の活動を計測(右手、左手で活性化する脳の位置が違う)することにより、「その意思を計測することが可能」。つまり、非常にプリミティブであるが、なにを考えているかが計測できることになる。
短い論文/記事でしたが、すごく内容が深く感動しました。
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