アメリカは「脱9・11の局面」へ
[2006年12月02日] [外交 | 日記] [コメント (0)] [トラックバック (0)]
アメリカの外交の転換について、話をお聞きしました。
脱9・11への動き
米中間選挙に民主党が議会を握ることより「脱9・11の局面」となっているという話です。
実際、新しい議会に設置された「ベーカー・ハミルトン委員会」は、イラクからの静かなる撤退の検討を開始したようです。
ブッシュは、9・11テロを犯罪でなく戦争と定義した。しかしながら、この5年間でなんら解決できない。ベトナムシンドローム(他国に関与したくないという動きになる可能性がある)になる可能性さえも指摘されている。
ちなみに、
○米兵の死者約3000人(06年11月末現時点)
○イラク人の死者数:最小4.5万人、最大15万人との推定
○累積線費3500億ドル(40兆円)、毎月60億ドル(7000億円)の出費○軍産複合体への回帰(米国軍事費:2000年2945億ドル>>2006年5359億ドル)
9・11への対応でアメリカは、国際社会における理念的を示す指導力を失った。例えば、インドが上海協力機構のオブザーバになったのを見て、インドの核保有を認め、原子力技術の提供まで行った。
過去米国は、新しい理念を示してきた。例えば、ルーズベルトは国際連盟を提案、フランクリン・ルーズベルトは植民地時代を終わらせたIMFや世銀などの新しい国際システムを提案
ブッシュは、「カーボーイ理念」。新しい理念を示していない。
今回のイラク紛争で利益を得たものは『イラン(シーア派)』
宿敵であるイラクを米国がたたいてくれた。
原油価格は大幅に上昇。
アメリカの中国への対応の変化
中国ステークホルダー論が登場。中国に国際社会での役割を果たさせようというもの。
六カ国協議における中国とアメリカの連携などがいい事例。中国封じ込め論は変わってきている。米中関係の方が日米関係より深いかもしれない(私も中国のワシントンDCでのロビイングを現地で聞いているとそう感じます。)。
わが国も責任ある国際社会への関与者になるべき
ICC(国際刑事裁判所)の検討では、議長国までやった。ICCは、国際刑事訴訟法的な対応を行う。拉致問題やテロ問題も対応できるもの。(ICCはいくつかエントリーを書いています)
しかし、アメリカが入ろうとしなかったため、日本も二の足を踏むことに。米国兵が第3国で不当に扱われることを理由に拒む。京都プロトコール、CTBTはアメリカが脱退。わが国はアメリカが孤立主義に陥らないようにする役割があるのではないか。
ちなみに、韓国は、ICC18人の判事のうち一人を出している。一方、わが国は、国連の2割の分担金を出しながらなにも役職が取れない。韓国は事務総長を出すようになった。
わが国も、国際機関などでの外交力強化を本気で考えないと国益を損ねると痛切に感じます。
まずは、中立な外交シンクタンクの設置し外交政策の企画立案のインフラを作るとともに、もっと外交官の方々が外交の仕事と勉強をできるように組織自体を強化し(外交官は、国際政治学の博士号を全員とってもらいたいと思っています)、有力政治家OBを主要国大使に配置するなど政治と外交の距離をもっと近づけることが必要だと考えています。
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