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読書感想「武士道 」 新渡戸 稲造著

[2007年03月24日] [日記 | 読書録] [コメント (0)] [トラックバック (0)]

はじめは岩波文庫で読み始めましたが、文字が小さいことと、古い文体訳でしたので、三笠書房の新しい訳本を買いなおしました。正直、格段に読みやすいです。

第2章に『禅とは、「沈思黙考により言語表現の範囲を超えた領域に到達しようとする人間の探究心を意味する」』とあり、私は、「言語表現の範囲を超えたもの=空」と考えていますので、わが意を得たりと感じました。
これは苫米地先生の著書にも「概念抽象化の最上位概念が空である」とあり、これと非常に類似する考え方ではないかと思います。

「知識というものは、これを学ぶ者が心に同化させ、その人の性質に表れて初めて真の知識となる」という指摘は、至言です。王陽明の知行合一のことを指していると言えばそれまでですが、現在、政治家をさせていただいていると、知識が自分の思考や行動に現れるまで咀嚼(そしゃく)できなければ、あまり知識は意味がないと考えるようになっています。

「人が恐れるべきことと、恐れるべきでないことの区別」こそが勇気である。この勇気の定義は、まだ完全に理解できていません。そして、「もっとも剛毅なる者はもっとも柔和なる者であり、愛ある者は勇敢なる者である」とあります。奥が深いです。

また、「ローマ帝国衰微の原因は貴族の商業に従事するを許し、その結果として少数元老の家族による富と権力の独占が生じた こと」とあるのは、現在のわが国にもこの傾向を感じるのは私だけでしょうか?富と権力を同時に持つ者が現れることは、社会の活力を低下させると私は考えています。

「ベーコンが挙げた学問の三つの効用、快楽と、装飾と、能力のうち、武士道はこの中で、能力をもって決定的な最優先とした。それは判断と事務の処理に必要だったからである。」とありますが、私は、学問をやはり快楽(この訳はよくないですね。「喜び」と訳すべきです)のためのウェイトが高いのが現状です。やはり能力に役立つ学問をそろそろ目指すべきです。例えば、中国語や外交論などです。

「フランス人は、漠然とした部分ではあるが、生理学的には意義が明らかであるヴアントルventre(腹部)という語を今なお、「勇気」という意味に用いている。同様に、アントレイユentraille(腹部)というフランス語は、「愛情」や「思いやり」 という意味にも使われている」.とありました。私が専門としているベンチャーやアントレといった「起業」のキーワードが「腹」から来ていると知ってびっくりです。
私の個人的な推測ですが、これは「腹」でなく「丹田(へそ下)」から来ているのではないかと考えます。やはり新しいことを行うには、「丹田が座っていない」とできないということではないでしょうか?

まだまだ書きたいことがありますが、ここで終わります。
本当にいい本でした。

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