世界経済フォーラム東アジア 一日目
[2007年06月24日] [外交 | 日記] [コメント (0)] [トラックバック (0)]
ダボス会議の東アジア版として、シンガポールで開催されることになったものです。シンガポールで開催されアジアの人たちが集まっていました。比較的にアセアンとインドの方が多いですが、アジアの支社などにいる欧米人も多数みられました。経済規模の割には、中国人と日本人は少ないかもしれません。
やはり大きな関心は、東アジアの連携で、中国やインドの成長がアジア経済と政治にどのような影響を与えるかに興味があるように感じます。
また、シンガポールはアジアにおける調整役のポジションを目指していることが見えます。多くのセッションでシンガポール人が会議の進行を仕切れるように人が配置されている感がありました。
正直、日本のプレゼンスは高くなく、英語の表現力が高い日本人を意識的に送り込む必要があるのではないかと思いました。そもそも国と関係なく集まる会合ですが、やはりそれぞれの発言者が国を背負って発言しており、日本としてのプレゼンスを高める必要性を感じます。
キーノートパネル
東アジアの発展に関するリーダーシップのあり方について、アロヨ フィリピン大統領、オンASEAN事務総長、キム韓国政策企画委員会議長、カマル インドネシア経済産業大臣、イエ シンガポール外務大臣、ゴーン ルノー・日産CEO、のキーノートスピーチがありました。
印象深い点を挙げると、アロヨ大統領のキーノートスピーチにおいて、アジアの経済成長と環境問題、農業などとの調和が重要であると指摘がありました。また、カルロス・ゴーン氏からアジア諸国の国際社会におけるリーダーシップへの期待が語られました。
シンガポール外務大臣イエ氏から経済、政治、人種、宗教などを越えるためのリーダーシップが必要だとの話には、シンガポールが置かれた環境が理解されます。
東アジアの発展のためには、FTAの推進が必要であるとの話になり、APEC、EAS(東アジアサミット)、ASEAN+3をうまく使い分けることの指摘がASEAN事務総長及びシンガポール外務大臣からありました。
東アジアの経済共同体への関心は各国とも高いようです。
ただ、パネリストに中国とインドがいなかったために、あまり具体的な議論はなく、このような会議に如何に中国やインドを巻き込むかが重要だと感じました。
アジアのリスクマネジメント
ネビル コカコーラCEO、チャロングフォブ タイ財務大臣、サルマン シンガポール教育大臣、近藤外務審議官などの議論です。ここにも中国とインドの姿がありません。
地球環境問題、バブル経済、核の拡散、疫病の流行などアジアにおける危機管理が重要である。
ネビル氏が、水の問題を指定しているのが非常に印象深いものがありました。アジアにおきて水の汚染と不足が大きな危機要因となるとの指摘は、当たっていると思います。わが国もアジアを見たときに「水」という資源を戦略的に使うことを考える必要があります。
また、環境問題については、中国の問題が、直接的にではなく、間接的に取り上げられています。中国は世界トップの二酸化炭素排出国となり、また、京都議定書にも参加していません。この問題を避けて議論することはあまり意味がないでしょう。
この議論を見ていると中国以外の国が連携して中国に圧力をかけるように図式になる可能性があると感じます。
これに関して「環境と貿易」の議論もなされました。これはWTOで議論されている事項で、環境に対応していない製品などの輸入禁止を行うなどの措置が取れるもので、ドーハラウンドの進展への期待が述べれました。WTOは今のところ動いているように見えませんが、貿易問題だけでなく地球環境問題の面からも進めていく必要があるかもしれません(機会があれば国会で経済産業大臣と議論します)。
ウゲン・シンハン ベトナム第一副首相講演
ベトナムの経済振興について、グローバルスタンダードにあわせた政策改革を行っている。昨年は1兆円程度の海外からの投資があった。その方向は加速する。
会場からベトナムの交通インフラや金融制度の整備などについて意見があった。
参加者全員の前でのベトナムのトップの講演は、ベトナムの印象を強く作ったように感じる。私もあと、13年のうちに国際会議で講演できるようになりたいと思います。
アジアのバリューチェーンの進化
PANGESTUインドネシア経済産業大臣、OKUN UPSのアジア代表、塚本JETRO理事、YAP ASEANNビジネスアドバイザリーボード議長がパネルディスカッション。
ASEANと中国のFTA締結を中心に議論が進む。ASEANと中国のFTAが締結されたらもっとも消費者数が大きなFTAとなる(18億人の市場)。これをどのように機能させるかがアジアの経済連携にとって重要である。
また、ASEAN+3(日本、中国、韓国)の域内貿易率は55%と高く、ASEAN+3で地域FTAを締結する必要性も指摘された。
アジアの政局
2007年は、韓国、台湾、オーストラリアで総選挙があり、わが国では参議院選挙、そして中国では、秋の全国党大会で首脳陣の異動が行われ、アジアの政局が大きく変わる可能性があります。今後のアジアの政局がどうなるかとの議論でしたが、やはり多くの議論が、北朝鮮問題と中国の民主化に行きました。
国民投票法が成立して2010年に憲法を改正する動きをどう見るかという質問がありましたので、私は、「現在の安倍首相は憲法を変えたがっている。自民党の選挙公約155のトップが憲法改正案の発議になっている」と説明しました。丁度、最後の質疑だったので、議論は続かなかったのですが、わが国の憲法改正にアジア諸国の方々の関心があることがわかりました。驚いたのは韓国の大学の政治学の先生が「日本が憲法改正を議論するのは安全保障上当たり前だ(ノーマル)」と発言したことです。北朝鮮との緊張関係から見るとわが国がアメリカとの関係をより強くすることを望んでいると思いました。
アジアのエネルギー問題
日本からは、加納参議院議員がパネリストとして参加。中国をはじめとするアジア諸国のエネルギー効率の低さが指摘されました(中国のGDP当たりのエネルギー効率は日本の1/8)。
一方で、日本のエネルギー効率の高さは参加者に認識されており、日本の省エネ技術や新エネ技術に関心が集まりました。加納議員から新エネだけでは限界があり、原子力技術をアジアでも活用すべきとの議論を行いましたが、アメリカ以外の国はあまり原子力に関心がないようで、原子力の議論は盛り上がりませんでした。
また、中国が石油の備蓄を行うべきとの議論があり、上海からの参加者がその対応を行いつつあるとの回答がありました。
最終的にアジアにおける共通したエネルギー政策のプラットフォームが必要との意見もあり、このアジアにおけるエネルギー政策のプラットフォーム(アジア版IEA)はわが国がイニシアティブを取れると思いました。
リー首相及びアロヨ大統領レセプション
狭い国なのに広い首相官邸があり、驚きました。
最初にリー首相の演説があり、「1997年の通貨危機以来アジア各国は努力を行い、10年間で大きな経済成長を実現した。次の時代を目指した協力が必要である」と述べられました。
レセプションでは、特にアジア各国の自分と同じくらいの年齢の人たちと話をしましたが、大企業であっても40代副社長をしていたり、また、途上国にトイレを普及する会社を経営している人がいたりと本当に若い人たちが力を発揮していると感じました。
日本ももっと30代、40代が責任を持って、国際的に動くようになれば、まだまだ国を繁栄させることができるのではないかと思いました。
特に、日本は経済成長を2~3%くらいに想定していますが、シンガポールは一人当たりのGDPはわが国を超えていますが、2004年8.7%、2005年6.4%、2006年7.9%と高成長を維持しています。
人口が500万人程度の国だから参考にはならないという指摘もありますが、それでもやはりシンガポールのやり方は何かの参考になると見ます。
わが国も5%以上の経済成長を目標とする経済プランを作るべきであると確信します。
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