世界経済フォーラム 二日目
[2007年06月25日] [日記] [コメント (0)] [トラックバック (0)]
アジアにける持続可能な発展(地球温暖化への対応)
日本からは若林環境大臣が参加されました。やはり話は、中国の二酸化炭素排出と日本の環境技術に集中しました。中国は、東方航空の社長が参加しましたが、政治家でないためか、一般論で終始しました。
若林大臣からは、2050年人に世界の地球温暖化ガスの半減を目指すプランの紹介が行われ、日本として何を行うのかとの質問に対して、技術の移転や途上国支援で対応するとの回答がありました。
ベトナムの第一副首相からは、地球温暖化の問題だけでなく、水質汚染など公害への対応が重要であるとの発言がありました。
アメリカからの参加者(環境マネジメント企業のCEO)からは、中国、インドなどにおける公害と水の問題が指摘されました。やはり「水マネジメント(特に浄水)」についての関心は高いようです。また、環境への対応が投資に見合うようにしていくことが重要であるとの指摘もありました。
アジアのイノベーション
日本からは内閣特別顧問の黒川清氏、シンガポール経済開発委員会委員長、インド・中国のソフトメーカーのCEOが参加しての議論です。
黒川顧問から「イノベーションのパラダイムが、大量生産から情報化そして新たなステージに移りつつあり、その変化に対応することが必要である」との指摘があり、それぞれの国のイノベーションの状況についての話がありました。
印象としては、中国のCEOが相当中国のイノベーション力に自信を持っているのがわかりました。ただ、観衆から「知的財産の保護制度」を質問されて答えに窮していましたが。
私も。「ナショナル・イノベーション・システムとOECDが打ち出した概念があるが、それをもっと広げて「リージョナル・イノベーション・システム」という東アジア全体のイノベーションの仕組みを考えるべきだ」と発言しました。
左から二人目が黒川先生
中国投資の危険性
投資家が多く参加して、中国への投資のリスクの議論が行われました。やはり関心が高いためか、会場は席が足りない状況です。
ただ、今回の会議の参加者にファンドの関係者が多いのが目に付きました。すごく若いファンドマネジャーがインドネシア、シンガポール、香港、中国(上海)から参加していました。
ただ、ファンド関係者はあまり経済の状況を見るのではなく、短期的なリターンを見ているとよくわかりました。具体的な中国の経済状況の議論よりも、投資環境や他の投資家の見方を探っているような感じがします。
このようなファンドが国境を超えて流れ、世界の経済をどんどん変えているは事実ですが、なんらかの規制が必要ではないかと思います。
アジアはドルの準備高を削減するか
YI中国人民銀行副頭取、竹中慶応大教授、バークレーキャピタルの副議長、そのアジアの投資家がコメンテーターです。
平中教授から、①10年前に橋本首相が日本がドルを売ると大学の講演で発言して、株価が数%落ちるということがあった。現在、当時の4倍のドルが日本にある。インパクトはもっと大きくなっている。②世界中の外貨準備高において、ドルの位置づけは落ちている。現在、55%。一方ユーロが伸びており、現在25%を占めるまでなっている。③アジアの外貨準備は、アメリカの経常収支の赤字につながっている。構造的な問題がある。と指摘されていました。YI副頭取は、やはり現職であるからか歯切れが悪く、「経済インフラなどを作るための海外からの直接投資が増えていることが理由だ」と国会における政府の答弁のような発言を行っていました。
参加者から、中央銀行の少数の人間がどこの外貨を購入するかを決めており、極めて政治的な要素が強いとの指摘がありました。これは重要な点だと思います。投資の資金がエネルギーや食料に流れ込み価格システムをおかしくしているとの指摘もありました。
また、多額の外貨準備を行うことは、どちらかの経済がおかしくなると両方おかしくなるという、核兵器時代のMAD(相互破壊)のようなものではないかと人民銀行副総裁に厳しい質問がありました。人民銀行副総裁は十分な回答を行いませんでしたが、竹中教授は核兵器と経済が違うのは、経済はWIN-WINを目指すもので、外貨準備が相互破壊的なものを目指すものでないと回答しました。
最後にアジアにおける通貨バスケットについての議論がありました。
ゴーチョクトン主席首相(Senior Minister, Singapore)講演
フォーラムの最後にゴーチョクトン前首相の講演がありました。
ポイントは、
1、 30年後、40年後を見据えたリーダーシップが必要である。中国とインドが経済的に大きくなり、新しい枠組みを必要である。
2、 また、地球環境問題など全世界で対応すべき問題に近い将来直面する。このような地球規模の問題への対応がアジアにおいても大きな課題である。
です。将来を見据えた講演は、非常に説得力と迫力がありました。
わが国の政治は、短期的な問題に振り回されすぎではないかと思います。やはり長期的にアジアでどのような地位を得ていくか、また、環境問題にどのような貢献を行うか、国全体で考えないといけないと強く感じます。
雑感
今回、初めてWEFに参加しましたが、アジアのビジネスマン、学者また官僚の方々と話ができたことは非常に収穫となりました。
もっとも感じたことは、国際化・情報化が進んだせいもあり、ほとんど持っている情報や議論の方向に違いないことです。多くの参加者が欧米の学校で学んだ経験をもっているためか、非常にスムーズに話をすることができました。
ただ、
パネリストに中国の政府の人がまったくいなかったことはマイナスだと思います。多くの議論で中国が焦点となっているにもかかわらず中国の官僚や政治家がいないため、問題提起だけで終わっている感じです。
また、政治家の数が少な過ぎでした。ビジネスマンが多く、政策的な話があまりできなかったと思います。
やはり、学者の基調講演にビジネスマンと政治家が発言して、議論を深めるべきだと思いました。
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