国会議事録

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財政金融委員会質疑(消費税増税再延期法案)  はてなブックマーク - 財政金融委員会質疑(消費税増税再延期法案)

2016年11月21日

11月17日に開かれた財政金融委員会で消費税増税再延期法案に対する質疑を行いました。

 20161117財金委その1

消費税増税を先送りしたのは財政再建を先送りしただけであって、将来のリスクを高めたものだという前提に議論いたしました。

 20161117財金委その2

日銀の黒田総裁に対し、「金融政策のみならず経済政策全体を総括するような対応が必要でないか」質問したところ、「潜在成長率を中期的に引き上げていくために必要なのは、資本ストックの増加、労働投入の増加、生産性の上昇が重要で規制緩和あるいは制度改革というものを通じてイノベーションを促進し、さらには労働生産性を上昇させていくということが重要である」との回答を得ました。

 20161117財金委その3

また、財務省と日本銀行の連携強化について質問したところ、麻生財務大臣より、「人間関係をきちんとつくっておくというのが一番大事だ」との回答を得ました。

20161117財金委その4

最後に、郵政消費税の非課税措置の必要性について、大塚拓財務副大臣に質問いたしました。

 20161117財金委その5

当日の会議録は以下のとおりです。

 

○藤末健三君 おはようございます。民進党の藤末健三でございます。
 本日は、本当に二日前に登壇しろという指示をいただきまして登壇させていただくわけでございますが、本日、この国の大きな役割であります社会保障や教育、子育てを支えます消費税の議論をさせていただくことは非常に有り難いことだと思っております。精いっぱい私の考えも述べさせていただき、麻生大臣、そして黒田総裁のお考えも伺いたいと思います。
 私は、基本的に今回の消費税の増税の先送りは反対しております、自分の考えとして。安倍総理は、本年五月の伊勢志摩サミットを受けまして、二〇一七年四月から予定されていました消費税増税を二年半後の二〇一九年十月へ先送りするという決断をされました。そして、今回この消費税増税の延期法案が出されたという形でございます。
 そのときに、安倍総理は、今は増税できる環境にはないという新たな判断をされたわけでございますが、確かに、当時、不安定化するヨーロッパの共同体の問題や、あとバブルや過剰設備などの問題があります中国経済、世界の大きな経済リスクが高まりつつあるという判断だったと思いますが、私は、日本の経済、潜在経済成長率は大体一%弱と言われておりますが、それと同程度の経済成長は実現できていると思っております。消費税増税が短期的には需要を奪うということはあるとは思いますけれど、中長期的には経済が混乱するということは、私はなかったんではないかと思います。
 私は、問題となりますのはやはり消費税の問題、この問題は、やはり経済成長が低いことにあるんではないかと考えています。よく言われますのが、少子化、高齢化において国内市場が縮小するからしようがないという声がございますけれども、私は、やはりこの消費税を財源として、国内の需要が高い例えば介護、医療、そして子育て、教育といったところに資金を回すことにより、この教育の問題、介護の問題、医療の問題、そして格差の問題や貧困の問題を解決し、私は経済成長を生めると思っております。
 今回、消費税増税を先送りにしたということにつきましては、私は財政再建を先送りしただけであって、将来のリスクを高めたものだというふうに考えております。それを前提に是非議論させていただきます。
 まず、麻生大臣にお聞きしたいんですけれども、アベノミクス、三本の矢というものがございますが、私は政権与党時代に、実は金融緩和政策をやるべしということを政権内で唱えていました。ただ、なかなか内部を説得することができず、実現できなかったわけでございますが、そういう意味では、私は、金融政策、初めのうちは私はうまくいったと思います。今はもう限界を超えていると思っています、正直申し上げて。後でそれは議論させていただきますが。
 金融政策がある程度常識の範囲で収まっているうち、成果を出しているうちに、私は、やはり残り二本の矢、財政政策はある程度やっていただきましたけど、一番大きい成長戦略そして産業の構造改革ができなかったんではないかと、十分には、そのために増税をできる環境じゃなくなったというふうに政府が判断したんではないかと思いますが、麻生大臣はどのようにお考えですか。お願いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 安倍政権でこれまで三本の矢ということでいろいろやらせていただいてきたんだと思っております。例えば、財政政策につきましては、これは財政健全化というのを確実に進めなければならぬという状況にあります一方で、時々の状況に応じて例えば補正予算をやりました。就任、安倍内閣が二回目のスタートをした後、直後の平成二十五年の一月には、いわゆる事業規模で約二十兆二千億の緊急経済対策をしておりますし、最近も事業規模で二十八兆五千億になります経済対策をこの八月にやらせていただいておりますのは御存じのとおりです。
 また、構造改革につきましても、コーポレートガバナンスなどの改革でやらせていただいたり、成長志向の法人税の話もさせていただきましたし、それから、農協もいろいろ騒ぎありましたけど、六十年ぶりの改革。また、観光も等々いろいろ、法務省いろいろありましたし、ほかのところもいろいろあったんですが、ビザの発給条件というのを緩和して、外国人観光客は従来八百万が昨年二千万と。それから、最近で、電力の小売市場も大きなものだったとは思っていますけど、いろんな分野で財政政策とか構造改革やらせていただいておりますので、十分ではないんではないかということは、十分って何をもって十分とされておるか分かりませんけれども、少なくとも、今までに比べればはるかに構造改革、財政政策というのは機動的に進ませていただいて前に進んだと思っております。
 それから、消費税引上げの延期につきましては、これはもう世界経済というものが、いろいろな意味で新興国の陰りなんかが出てきておりましたし、需要が低迷しましたし、成長というものからいったら減速リスクというものがかなり懸念されるという状況の中で、これ今、御存じのように、各個人においては個人消費が低迷しているという状況にあることなどを勘案して、これはサミットにおいてもあらゆる政策を総動員するという条件が付けられて、総合的かつ大胆な経済対策を講ずるということを七国で打ち合わせたのに併せて判断をさせていただいたと思っております。
 いずれにいたしましても、社会保障の一〇%の引上げというのは、これはもう御指摘のとおり、社会保障の持続可能性というものを確保を図る上ではこれはもう必要不可欠だというのははっきりしていると私どもはそう思っておりますので、政府といたしましては、二〇一九年の十月の消費税の引上げが可能な環境というのを確実に整えていくと、これが一番重要なところだと思っておりますので、そのためにも、未来への投資を実現する経済対策を始めといたしまして、強い経済というものを実現を目指すために経済財政運営というものを今後とも万全を期してまいりたいと考えております。
○藤末健三君 私が申し上げたいのは、構造改革も進めていっていただいていると思いますけれど、今日ちょっと主題でございます先ほど大臣がおっしゃった個人消費が低いということはすごく問題だと思います。
 私は今日お話ししたいのは、やはり、後でデータを見ていただきますけれど、中間層はすごく収入が落ちている、資産も落ちているという状況の中、ここに刺激を与えない限り私は消費が増えないと思っておりますので、その中間層に消費の刺激を与える、そのためには財源が必要でございますので、その財源として私は消費税があり得るという話をさせていただきたいと思っています。
 私は、この七月、選挙をさせていただきましたけれど、そのとき私は、やはり消費税増税により社会保障や子育て支援、教育を支持するという主張を自分の党、所属しています民進党が出せないかと思っておりましたが、それができないという状況になりました。それはもちろん私の力不足だと思っています、正直申し上げて。
 しかしながら、やはりこの社会保障を充実しますという中で何が大事かというと、財源どうするかという議論がやっぱり置き去りになっているんではないかなと思っております。実際に国民の皆様の関心事を見ますと、年金、介護、医療、教育、子育てという形がもう上位に並んでいる。じゃ、それだけの財源どうするんですかという議論がまだなされていないというのが非常に大きな議論でございまして、私は、やはりある程度政治的な決断がどこかで必要になるんではないかと思っています。
 例えば、二〇一六年度予算におきましては、社会保障費が三十二兆円のうち、十七兆円が消費税でございます。また、今、国民負担、所得当たりの国民負担率が、二〇一三年、一四・六%のうち、社会保障の負担率が一七・五%と、消費税が七・二%、あと個人所得が七・八%、法人所得が五・四%、あと資産課税が三・七%となっておりまして、この消費税がこれからある程度、ほかの国を見ますと、例えば、イギリスですと消費税一四・八、ドイツですと一三・九、スウェーデンは一八・八という形で、非常に消費税、付加価値税も含めまして、非常に大きに財政を支える基盤となっているわけでございますが、私はやはりこれから消費税が財政を支える基盤になるんではないかと思います。
 私は、先ほど経済の問題を指摘させていただきましたのは、この消費税の増税の問題として、私はやはり経済活性化がマイナスになるんではないかと私は思っております。アベノミクスが始まって三年が経過したわけでございますが、実質経済成長率は大体〇・六から〇・七という形になっています。こういう中におきまして、将来安心できる社会保障制度を構築しまして、そして、私は今大きな問題は格差だと思います。今回のアメリカの大統領選挙、そして様々な国で行われている選挙におきまして、格差や貧困の問題、そしてまた教育の問題、子育ての問題、様々な問題がございます。
 そこで、国民の皆様が安心できる制度をつくっていくこと、社会をつくることが大きな課題となるわけでございますけれど、私はやはり今は、後で議論させていただきますように、金融緩和だけが先行し、お金を、マネーを供給すればデフレから脱却できるというデフレ政策はもう壁にぶち当たっているのではないかと私は思っています。
 今お手元にお配りした資料をちょっと御覧になっていただきたいんですが、これは一橋大学の小塩教授が作られた資料でございます。二〇一四年の家計調査から作ったものでございまして、年間収入別にどれだけアベノミクスの期間に、この三年間、二〇一三年から二〇一五年間に収入が増えたかというパーセンテージを示しています。その比較としまして、二〇〇二年から二〇一二年、これをアベノミクス期以前と書いてございます。
 これを見ていただきますと分かりますように、七百万円以上の収入の方々、この二〇一三年から二〇一五年、アベノミクス期と書きましたけれど、七百万から一千万の収入の人は一・〇%の収入増、一千万から一千五百万の方は〇・一%、一千五百万以上の方は〇・二%増えている。そしてまた一方で、三百万から四百万の間の年収の方が大体アベノミクス期間に〇・八%収入が増えているというわけでございますが、四百から五百万の間の年収の方々はこの三年間にマイナス〇・九%と減っているわけでございます。
 そしてもう一つございますのは五百万から七百万の間の収入の方々、マイナス一・一%ということで収入が落ちている。この収入の方々の所得が、消費が増えなければ、私はなかなか経済は成長しないんではないかと思います。いろんなデータがございますが、これは家計調査に基づくデータになっています。
 そしてもう一つ、次のページを見ていただきたいんですが、これは資産分布の変化ということでございます。こちらの方を見ていただきますと分かりますように、貯蓄残高別の資産がどれだけ増えたか、これもまた同様にアベノミクスの期間を二〇一三年からこちらのは一四年にしておりまして、そしてアベノミクス期間の以前、二〇〇二年から一二年の間を比較しています。
 これを見ていただきますと分かりますように、貯蓄残高が三千万円以上の方々は二〇一三年から一四年の間に三・三%資産が増えていると。一方で、先ほど収入別で大きく落ち込みがありました貯蓄残高が大体七百万から一千万の方々、マイナス一・〇%です、二〇一三年から二〇一四年にかけまして。また、貯蓄残高が一千万円から千四百万円の間の方々はマイナス〇・九%、そして千四百万円から二千万円の貯蓄残高の方々はマイナス〇・六%ということでございまして、ちょうど中間層の方々の資産も減っているという状況になっているわけでございます。
   〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕
 この世の中に何が必要かと申しますと、やはり私は二極化がどんどんどんどん我が国でも進んでいるということのまさしく証明だと私は思います。世界的に今グローバル経済の問題、あとはIT化の推進、進展により、なかなか高い給料の仕事と、そして機械や例えば外国人労働者に取って代わるような単純労働の給与の格差がどんどん開いているというのは世界的な動きだとは思いますけれども、我が国におきまして、やはり政府の役割をもってこれを正していくことをしなければ、私はやはり政治というもの、そして国というものが安定しないのではないかと思っております。
 こういう中におきまして、私はちょっとお聞きしたいのは何かと申しますと、これ黒田総裁にお聞きしたいんですが、日銀はこの九月に総括的検証をされましたけれども、是非、金融政策のみならず経済政策全体を総括するようなことをやれないかということをお聞きしたいんですが、いかがでございますか。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の総括的検証の中で、実は、日本銀行が過去三年半やってまいりました量的・質的金融緩和、そして一月、今年の一月に導入を決定しましたマイナス金利、これらの効果を分析をいたしておりまして、そういう意味では包括的な分析になっておりますので、その中で実体経済の状況も分析をいたしております。ただ、政策面では確かに金融政策以外の財政政策であるとか構造政策についての分析は行っておりません。
 ただ、その上で申し上げますと、やはり御指摘のように、長期的に見ますとどのようにしてこの潜在的な成長率、成長力を引き上げていくかということが極めて重要であるということは指摘をしております。
○藤末健三君 ありがとうございます。
 総裁にお聞きしたいんですけれども、その総括検証の中に、構造改革や成長力強化に向けた取組によって自然利子率を高めていくことが重要であるというふうに書かれているわけですよね。これはさっき私が言ったことと全く同じでございまして、三本目の矢、構造改革、そして成長力強化、これはまさしく成長戦略なんですよ。それが必要と、全く私と同じ考えだと思います。
 具体的に何か想定されていますか。教えていただけませんか。
○参考人(黒田東彦君) まず前段の自然利子率という概念でございますが、これは特定の国の経済にとって、その景気を加速も減速もさせない中立的な実質金利の水準でありまして、それはその国の経済が持っている潜在的な成長力、いわゆる潜在成長率によって規定されているというふうに考えられます。
 御指摘の潜在成長率を中期的に引き上げていくというために具体的に何が必要かというと、やはり三つに分類できると思います。
 一つは、資本ストックを増加させる。そのためには、企業における前向きな投資を様々な形で促していくということが必要であろうと思います。二番目は、労働投入を増加させる。これは、このところかなり女性の就業率、労働参加率が高まっておりますけれども、女性や高齢者などの労働参加率を高めるということも引き続き重要であろうと思っております。そして最後に、何よりも生産性を上昇させるということが重要でありまして、これについてはやはり規制緩和あるいは制度改革というものを通じてイノベーションを促進し、さらには労働生産性を上昇させていくということが重要であろうと。この三つの策によりまして潜在成長率を高めていくということが重要ではないかというふうに思っております。
   〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕
○藤末健三君 まさしく総裁からは、教科書に書かれたような、資本ストックを増やす、労働力を増やす、あとイノベーションを増やすという経済成長の三要素をおっしゃっていただいたわけでございますが、それを日銀の方からある程度具体的な数字をもって提案できないんですかね。
 恐らく、金融緩和をします、資金を増やしますよと。じゃ、後でまたさせていただこうと思うんですけれども、お金どこに流れているかというところまでウオッチしていただかなければ、金融緩和の効果って計れないんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○委員長(藤川政人君) 黒田総裁。
○藤末健三君 いや、いいですよ。これ、要らないです、もう答え分かっていますから。と私は思うんですよ。
 ですから、金融緩和しましたよ、じゃお金どこに行っていますかといったら、私は、お金は血だと思っています、肉体で言うと。どこかに動脈瘤みたいなのがあって、血がたまっているんじゃないかと思うんですよね、どんどんどんどん不要なところに。じゃ、筋肉に行っていますか、筋肉に行っていませんと。設備投資はそんなに増えていない。じゃ、労働者の方々の給与は増えていませんと。その中でまた金融緩和をしてどんどん血を投入しても、動脈瘤が大きくなって最後破裂するんじゃないかという、私はそう思います。
 私は、実は、日銀法改正のときは、日銀法改正するべきじゃないと思っていました、正直言って。独立性は要らない、極論すると。世界の潮流と反しますけど、私は、やはり財政政策と金融政策は表裏一体であるべきだと思います。資金を提供し、それがどこに流れるかというのを同じ思想の下で、同じコンセプトの下でコントロールしなければ、一方お金どんどんどんどん流すけど、結局どこに流れているんですかと。じゃ、片方は一生懸命流れる先を変えていこうと、新しい血管を作ろうと構造改革をされる、イノベーションを起こそうとしても、血が届かないんじゃないかなという、私は今それが現状じゃないかと思います。トリクルダウンということで資金供給量を増やし、どんどんどんどんお金は増えているものの、それが設備投資に行っているか、個人消費に行っているかというと、私は、答えはノーじゃないかなと。
 ちょっと登録していませんけれども、私は、是非とも金融政策を担当する日銀さんと財務省の統合的なやっぱり運用みたいなものが必要じゃないかと思っています、正直言って。法律上できませんという答えになるかもしれませんが。
 また、日銀法の四条にはこう書かれておりまして、政府との関係を密接に行って意思疎通を図って行えと、政策をとあるんですけど、麻生大臣、いかがですか、この考えにつきまして。財務省と日銀の連携を強くするというのは……
○国務大臣(麻生太郎君) 可能性。
○藤末健三君 はい、やっていただくということについていかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 人によると思うけどね。日銀の総裁と金融担当大臣、財務担当、財務大臣との人間関係によって極めてスムーズにいったこの三年間。最初、白川総裁のときは結構大変でしたよ。その頃を知っている人いるけど、結構大変でしたよ。民進党の後を受けて、えらい迷惑しました、正直。物すごい凝り固まっておられましたから。はっきり言ってすごく時間が掛かりましたよ。
 結果として、日本銀行、金融政策間違ったと認めてください、明らかに金融収支が間違いでしたと認めてくださいと、そこからスタートですから、それはなかなか大変でしたな、正直申し上げて。結果的に認めていただいて、日銀との間に共同声明というのをやらせていただいて、何かアコードとかいう名前も出ましたけれども、ホンダ自動車の広告するつもりはありません、そう言ってやめてもらいました。共同声明という表現に変えていただいて、それで、結果としては、すんなりそれが出すことになったんですけれども、今言われましたように、日本銀行と財政を担当いたします我々との間の意思疎通が、アメリカのFRBと、ファイナンス、何というの、財務省との間の関係も、これは極めて連携を密にするというのは、今でも中央銀行総裁会議と財務大臣会議という共同で開かれる会議がよく世界中やっていますけれども、私ども、その人間関係をきちんとつくっておくというのが一番大事なので、法律だけ一緒にしても、そこの意思疎通ができなければ全然話にならぬと思っておりますので、そのコミュニケーションが大事かなと思っています。今、日銀、金融庁、財務省、結構頻繁にいろいろやらせていただいております。
○藤末健三君 白川総裁については余り申し上げる立場じゃないんですけれども、大臣のおっしゃることもよく御理解させていただきます。
 私は、先ほど麻生大臣がおっしゃいました政府、日銀の共同声明、これは平成二十五年一月の二十二日に出していただいたものでございますが、まさしく内閣府と財務省と日本銀行が一緒に出していると。
 私は、ここでちょっと提案させていただきたいのは、この共同声明を出していただきましたけれど、今回、総括検証の中におきまして、私は、日本銀行は大規模な目標セッティングというか、政策変更したと思っています、私は、正直申し上げて。もう長期金利のターゲッティングをしますよという話は、ちょっと私は正直否定的ではございますが、変更された中におきましてこの共同声明も見直すべきではないかと思っておりますが、この点につきまして、日銀若しくは政府からお答えいただければと思います。お願いします。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の二〇一三年一月の政府、日本銀行の共同声明では、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のためにそれぞれが果たすべき役割というものを明確に定めております。すなわち、日本銀行は金融緩和を推進し、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現する、これを目指す。一方で、政府は成長力の強化に向けた構造政策を進めるとともに、機動的な財政運営を行いつつ、中長期的に持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進するというふうにされております。
 こうした役割分担は引き続き妥当なものであり、この共同声明自体について何か見直しが必要とは私どもも現時点では考えておりません。
○国務大臣(麻生太郎君) 政府といたしましても、金融政策という面でいきますと、これは緩和的な金融環境を最大限に利用させてもらって、未来への投資を実現する経済対策を決定したところでもありますし、また、働き方改革を着実に進めるということで構造改革の推進にもしっかり取り組んでいるところでもありますので、今直ちに見直しを行う必要があると私ども考えているわけではありません。
 経済成長の実現というのは、これも御指摘のあったとおりなので、政府と日銀との連携というのはこれ極めて重要なのであって、これは共同声明にのっとって、これはこれまでのところ、少なくともこの三年数か月、緊密な連携というのを取らせていただいたおかげで、金融政策、財政政策、金融の方が行き過ぎているんじゃないかとか、白眞勲先生の御指摘にもありましたように、金融政策だけが先行しているということもありませんし、財政も結構私どもとしてはそれなりに、時間が掛かるのは財政の方だと思いますので、少々時間が、効いてくるまでに時間が掛かるのは確かですけれども、そういった意味では、金融政策、財政政策、構造改革を総動員して今一体となってやらせていただいておる最中ですので、直ちに今共同声明というのを書き直すとか修正するという必要を感じているわけではございません。
○藤末健三君 そこで、経済政策と申しますか、成長戦略について申し上げますと、ちょっと資料の、ページ振ってございますかね、三ページ目をちょっと見ていただいてよろしいですか、三枚目。サービス産業の所得を上げ、輸出型産業のイノベーションを興し経済を成長させるという図でございます。これは、大和総研のエコノミストの熊谷さんの資料をベースに作ったものでございます。
 これは何かと申しますと、縦軸が生産性でございまして、一人当たりどれだけの言い換えれば収入があるかということになります。横軸が経済波及効果ということでございまして、数は乗数効果でございまして、この数が大きければ大きいほどほかの産業に対する波及が大きいということになります。この円の大きさが雇用の数になります。
 どういうことかと申しますと、右の方に運送用機械というのがございます。これを見ていただきますと、乗数効果が大きいところにありまして、そして生産性というのが一五〇ぐらいにあるということであります。これはもう一般的に自動車のことを指しています。何かと申しますと、自動車産業が調子よくなれば、ほかのところの産業に波及する効果は大きいということになります。一方で、乗数効果一・五ぐらいの上にありますこのピンク色の丸い円が何かと申しますと、これがサービスになります。これ見ていただきますと分かりますように、雇用が非常に大きく、かつ乗数効果はそれほど大きくない。
 もう一つございますのは、生産性が低いということでございまして、一つ私が御提案申し上げたいのは、社会保障に予算を回すということの裏返しでございまして、例えば医療や介護や教育、また環境とかいうものがございます中に、ここに政府の資本を投入することにより、この円の生産性、収入を上に上げていくと。そうすることによって、大きな規模の雇用を生んでいるこの円の部分の収入を増やすことによって、先ほど申し上げました中間層の収入を増やし、そして消費を増やすことができるんではないかというのがまず一つございます。じゃ、その原資どうするのかというときに、私は、消費税ではないかなと考えています。
 一方で、黒田総裁、麻生大臣もおっしゃっていたイノベーションという話でございますけれども、そこはやはり輸送用機械、化学、電気というものが乗数効果が高く生産性が高いところにありますけれども、彼らはグローバリゼーション、まさしく世界で闘っていただいているわけでございますけれども、ここでやはり世界でも唯一日本だけしか造れないようなものをどんどん造っていただいて輸出していくという、この二つが私は大きな柱になってくるんではないかと思っております。
 特に、サービス産業の話を申し上げますと、政府のお金を例えば一千万円予算を使ったときにどれだけ雇用が生まれるかという統計が厚生労働省から出ています。例えば公共事業の場合、一千万円の予算を使ったときに生まれる雇用は大体〇・九人です。やはり土地を買ったり、あと建設機械のリース代とかいろいろなコストが掛かっている。一方、介護とかを見ますと二・四人ぐらいあるんですね。約三倍弱です、公共事業の。
 当然のことながら、人件費の割合は非常に大きいということもございますけれども、何を申し上げたいかというと、公共事業も非常に重要ですけれども、介護とか医療とか教育という人件費の割合が大きなところに予算を付けることによって、その人件費が雇用を生む効果、そして収入を増やす効果が非常に大きいという、そういう話でございます。ですから、このようなサービスの分野に国の資金を投入し、そして中間層の収入を増やすということを私はやるべきではないかということをずっと申し上げております。
 ただ、そのときに、やはり財源がどうなるのかということでございますが、今回、消費税の増税ということが先送りになったわけでございますが、私は、消費税の増税の財源をきちんとこういう介護や医療、そして教育、子育てといったニーズが高い分野に回すことにより、雇用を生み出す効果、そして働く方々の収入を上げ、消費を増やす効果があるんではないかと、そのように考えております。
 私、麻生大臣に是非御意見をいただきたいなと思いますのは、私は、やはり冒頭で申し上げましたように、この社会保障、教育とか、政府から有権者の国民の方々はもう与えるものを増やしてほしいと、それは当然でありますけれども、私は、どこかでその分負担をしてくださいねということを言わざるを得ないと思うんですね。私は、やはりいいことだけを言って、こういうものを提供します、サービスを提供しますよと言って負担を求めないということは、私はポピュリズムに近いんじゃないかと思うんですけど、麻生大臣のお考えを是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは最初に、今何でしたっけ、民社党じゃない、民進党、民進党になられる前の三党合意のときも、社会保障と税の一体改革というのが大前提ですから、おっしゃっているとおり大前提なんだと思っているので、別に、その点に関して私どもも全く同じ意見であります。
 それで、今この話で、ボストンに、前歴見ていたらボストンに住んでおられたというので、アメリカの北の方のところなんですけれども、このサービスの生産性向上という話をしているんだと思いますけど、例えば東京で伊勢丹というデパートに行ったとします、三越でもどこでもいいけど。それとボストンの、メーシーズでもどこでもいいですよ、デパートに行ったとするよ。はい、どっちが安い、ねえ、と言いますよ。まず、いらっしゃいませと誰も言わないよな。いねえんだもの、人が、だろう。誰も聞きに来ないよ、あなた一人だけですよ。自分で探して、買ったとしても荷物も包んでくれないし、はいと渡されて、後は自分で袋に入れて詰めて帰る。生産性が上がるってそういうことですよ。給料安いもん、それ。生産性めちゃ上がりますよ、それで。そのサービスで日本が通るかね。真剣に考えてみた方がいいよ。
 僕はよくこの話をするけれども、僕はもうサービス業の生産性って、サービス業でアメリカ人に日本が負けるわけがないと思っていますよ。だけど、その求め方のレベルが全然違いますから、だから生産性が上がらないというんですよ。だけど、人を減らさせてくれと言ったら、どんとそれだけはできるよ、生産性は一挙に上がる、人が減るんだから。生産性は上がるけれども、お客はそれでというと、逆に、安いから消費するかといったら、あんなサービスの悪いところで買わないわという話になったら元も子もないですから。
 だから、そこのところはもう商売した方というのは、役人やったのと違うんだから、難しいのを知っているんですよ、みんな。だから、これはもう非常に難しいというものだと思っていますので、私はこの分野は、日本というのはめちゃくちゃ今後伸びていく、世界の中で、医療にしてもおもてなしにしても、例えば加賀屋が台湾に行って大成功したり、多くの会社が成功しています。セブンイレブンですら海外で成功していますから、そういった例を見たら分かるんだけど、間違いなく伸びてきますよ、この部分は、日本という国が。
 だから、今までと違った状況になってきていますという点もよく考えて言っておかないといかぬなと思っておりますので、いずれにしても、雇用誘発効果というものが主要産業の中において高いという分析があるというのはよく承知をいたしております。
○藤末健三君 大臣、ちょっとこれ済みません、生産性という書き方が悪かったと思うんですけど、これはなるべく効率的にサービスを落として安くやりましょうというよりも、どちらかというと、その個人個人の収入単価みたいな意味なんですよ。ですから、生産性というと何か同じお金でもっと働けというイメージですけど、逆にこれは、同じ仕事であっても給料が上がれば実は生産性が上がるというそういう統計でございますので、そこはちょっと御理解いただきたいと思います。
 ただ、私は、先ほどおっしゃっていただきましたように、デパートとかいろんな飲食店のサービスは日本が格段にいいと私も思います。これは何かと申しますと、私は、例えば介護にしても医療にしてもやはり日本はサービスがいい、教育も私は日本の方が優れていると思います、正直申し上げて。やはり優れているものに対するきちんとしたお金を、収入を得ていただくというのが、今、私は大事じゃないかということを申し上げます。
 特に何が大事かと申しますと、この右側にあります輸送機器や電気機械や化学は、産業波及効果は大きいんですけど、結局、世界と戦わなきゃいけない。ですから、全く、ここで働く方々は、何があるかと申しますと、単純な労働をしているとそれが海外の労働者に取って代わられるという世界にある。ただ、実はこの介護とか医療とか教育の問題につきましては、実はその代替性がない、貿易代替性がない、貿易できないものでございますので、国内に閉じていますので、実は我々がきちんとした資金を供給することによって、単純に生産性という言葉をちょっと言い換えますと、所得が増えることになります。それによって経済を回すということでございますので、是非ちょっと御理解いただきたいと思いますし、是非、こういう、私はこのマップいつも使って人には説明しているんですけれども、やはりこの成長戦略ということの概念の大きなやっぱりコンセプトを是非日銀そして財務省、そしてほかの省庁とも共有してやっていただければ国民にも分かりやすいのではないかと、私は思っております。
 ただ、こういう状況の中におきまして、経済成長政策は申し上げましたが、今回消費税の増税の延期ということになったわけでございますが、この消費税増税の延期により、私はこの財政が維持できるかどうかということも非常に大きな問題ではないかと思います。
 この点につきまして、財務大臣、麻生大臣と日銀黒田総裁にお聞きいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、日本の財政というものは、簡単には三分の一、約三十兆円というものはまあ借金です。したがって、社会保障関係費は予算全体の三分の一というものを占めておりまして、毎年度増加をいたしております。よく言われる一兆円とかなんとか、いろいろ増加をいたしております。大変厳しい情勢にあるのは確かであります。
 今回の消費増税というか一〇%への引上げ時期というものを延長する法案を提出して御審議をいただいているんですが、二〇二〇年度における基礎的財政収支をチャラにする、黒字化するという目標はそのまま維持をいたしておりますので、その実現に向けましては、これはもう経済再生とか経済成長なくして財政健全化というのはあり得ぬ話なので、そういった基本方針をきちんと置いて未来への投資というものを実現する経済政策というものをやらさせていただいて、基本的には強い経済、この強い経済を目指して今取り組んでおります。
 あわせて、これは歳入だけの話じゃなくて、歳出の話も取り組まねばいかぬところなのであって、この改革工程表に基づいて、社会保障関係の改革を含めまして徹底的な重点化とか効率化とか、いろんなことを今やらせていただいておりますので、歳出の改革というのを継続していかない限りは、歳入だけ増やしても歳出がもうだだ漏れじゃ全然話になりませんので、そこをきちんとやらせていただいて、そういった上で、私どもとしては二〇一九年十月に消費税の一〇%というものをやらせていただき、本来の目的であった社会保障と税の一体改革というのをきちんとやらせていただきたいと、さように考えております。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど、二〇一三年一月の政府と日本銀行の共同声明にもうたわれておりますとおり、やはり持続可能な財政構造を確立するということは、これは財政にとって非常に重要だというだけでなく、日本経済が持続的な成長を達成していく上でやはり必須の課題であるというふうに私どもも考えております。そういう意味で、日本が国全体として取り組まなければならない課題であるというふうに認識をいたしております。
○藤末健三君 お二人ともお立場あるのでなかなか言いにくいことだと思いますが、私は、やはり麻生大臣がおっしゃいました、二〇二〇年、基礎的財政収支、プライマリーバランスを黒字化するという、これは国際公約になっておりますので、事実上はこれで不可能になったと私は思っています。
 なぜかと申しますと、そもそも、二〇一七年四月に消費税を一〇%に引き上げると。延長しない場合においても、アベノミクスの前提、実質二%、名目三%の経済成長を実現したとしても二〇二〇年のプライマリーの黒字化にはならないという、〇・五兆円の不足というのがそのときの計算だったわけです。
 二〇一七年四月に消費税を一〇%に上げ、アベノミクスのゴールを達成したとしても二〇二〇年のプライマリーバランス黒字化できないという中で、これを先送りしたということは、私はもっと傷が大きくなることは間違いないと思っております。恐らく、いろいろなこれから議論をなさると思いますけれど、これは非常に大きな私は財政的な問題として、問題を先送りしただけではないかなと思います。
 お配りした資料の四枚目でございますけれど、これ、経済産業省が発表した資料をそのまま持ってきたものでございます。財政危機発生における日本経済への影響の試算ということで、これはちょっと、ある程度金額も書いてあったんですが、この財政危機、我が国の政府がお金の調達ができなくなったときどうなるかということでございまして、二つの問題が起きると。過剰な円安と長期金利の上昇で国債価格が暴落しますということになります。
 過剰な円安となったときに円安による輸出産業の復活があるかというと、これはもう空洞化が進んでおり、現状でも、百二十円に円が安くなったときもなかなか輸出が増えなかった、もう工場はフル稼働でしたということもございます。もう工場は外に出ている、その中で円安による輸出振興による産業復活は難しいんじゃないかと。じゃ、何があるかと申しますと、結局は利払いが増え、財政が持たなくなるんではないかと。そうすると、先ほど申し上げましたように、社会保障、年金であり介護であり、医療、教育などが機能しなくなり、所得の再分配機能は低下するんではないかというのはこの図にあることでございます。そして、結局何が起きるかというと、経済的弱者、年金生活者や所得が低い方々に大きなマイナスが生まれるのではないかと。当然インフレになりますので、そのインフレの効果も、影響も出てくるわけであります。
 一方、下の方にございます、長期金利が上昇し国債価格が下落するということになりますと、当然のことながら企業が経営がうまくいかなくなる、企業の成長力は落ちてくると。それは雇用のマイナスにつながるであろうということと、もう一つあるのは、やはり銀行とか金融機関が、国債を持っている金融機関が非常に経営が不安定になるのではないかというのがこの図でございます。私はこの図は正しいと思います、財政危機が起きたとき。
 そこで、今日は、全体的な財政危機の話は別の機会にさせていただきたいと思いますが、私、一つございますのは、今どんどんどんどん日本銀行が国債を買っておられる状況の中、将来財政的なものが非常に不安定になり、危機とならなくとも、国債の価格が落ちることはあると思うんですね。先ほど黒田総裁は質問に答えられて、二〇一六年三月時点ですか、国債は十五兆円ぐらいのプラスになっていますよとおっしゃっておられますけれど、それは今だからだと思います。
 もし国債の価格が落ちたときどうなるのかということを、どう考えているかということを伺いたいんですが、まず初めに会計検査院にお聞きしたいんですが、日銀が保有している国債の利回りが低下になったときに損失が出るのではないかという指摘をされたわけでございますが、その見解を簡単に御説明ください。お願いします。
○説明員(村上英嗣君) お答え申し上げます。
 会計検査院は、平成二十七年度決算検査報告に、特定検査対象に関する検査状況として、「量的・質的金融緩和等の日本銀行の財務への影響について」を掲記しておりまして、その中で日本銀行が保有する長期国債の利回り等の状況について記述しております。
 その概要でございますが、平成二十五年四月の量的・質的金融緩和の導入以降、日本銀行の資産及び負債の額が過去に例を見ない規模で拡大している中で、日本銀行が保有している長期国債につきましては、二十七年度の平均残高に対しまして〇・四九五%の利回りが確保されておりました。
 一方、マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入決定後の二十八年二月以降、市場金利は一段と低下しておりまして、会計検査院が一定の仮定を置いて試算したところ、日本銀行が四月から六月までの間に買い入れたと見られる長期国債の利回りにつきましてマイナスとなっていることなどから、この間の長期国債の買入れは、日本銀行が保有する長期国債全体の利回りを今申し上げました二十七年度の利回りから低下させる方向に影響していると考えられるところでございます。
 そして、日本銀行は、二十七年度決算におきまして、マイナス金利付き量的・質的金融緩和の実施に伴って日本銀行に生じ得る収益の振幅を平準化する観点から、拡充されました債券取引損失引当金制度の下で同引当金の積立てを行っております。
 このような検査結果等を踏まえました会計検査院の所見といたしまして、日本銀行において保有する長期国債の利回りが低下してきているなどの状況も踏まえて適切に引当金を積み立てるなど、財務の健全性の確保に努めることが重要であるといったことなどを記述しているところでございます。
○藤末健三君 これにつきまして、総裁の見解を教えてください。
○参考人(黒田東彦君) 会計検査院の報告につきましては、ただいま御説明があったとおりであります。
 国債金利の低下に伴いまして、日本銀行が新たに買い入れた国債の利回りが低下傾向にあることは事実でありますけれども、平成二十七年度の国債金利収入全体としては約一・三兆円の利益となっておりまして、今年度入り後も高い水準が続いているというふうに見込まれます。
 なお、これは会計検査院からの御報告にもありましたとおり、量的・質的金融緩和というものは、実施中はバランスシートは拡大して収益が押し上げられ、利上げ局面では逆に収益が減少しやすいという特徴があります。したがいまして、昨年、引当金制度を拡充して収益の平準化を図っているわけであります。
 いずれにいたしましても、日本銀行が実施しております資産の買入れなどは財務に影響を与え得るわけでございまして、日本銀行の責務である物価の安定のために必要な政策を行っているわけですが、その際にも、財務の健全性には十分留意しつつ必要な政策を行ってまいりたいというふうに考えております。
○藤末健三君 今総裁が御説明いただいたのは、短期的なPL、お金の出入りじゃないですか。それ、私はちょっとだんだんおかしくなりつつあると思いますし、あと、バランスシート、国債が今どんどんどんどん資産として買い入れられている、それが落ちたときどういうふうにお考えですか。
 私は、これを日銀の方にお聞きしましたら、日銀のバランスシートの会計は簿価会計、時価会計じゃないから大丈夫というお答えいただいたんですよ。これでよろしいですか、理解は。
○参考人(黒田東彦君) その点はそのとおりであります。
○藤末健三君 今、企業がどんどんどんどん時価会計、今の価格で計算しなさいよと言っている中で、日本銀行が買ったときの価格をそのままずっと使っていいですよということは、私はすごい違和感があるんですが、これ、財務省が多分見ておられると思うんですけれど、どういう見解でそうなっているか教えていただけませんか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 日本銀行が保有しています国債につきましては、その大半が満期まで保有しているという状況でございまして、そういう実態、その保有の実態に鑑みまして償却原価法ということでございます。
 つまり、この債券を額面より低い価額で又は高い価額で取得した場合に、取得価額と額面との差額に相当する金額を償還期まで毎期一定の方法で加減するということでございまして、そういう意味では、仮に金利が動きましても決算時の期間損益で評価損失が計上されることはないということでございます。
○藤末健三君 そうすると、もう日銀は満期来なければ売らないということは担保されているんですか、はっきり言って。もういいです、その答えは。
 私はちょっと是非伺いたいんですけれど、私は、ある方から中央銀行が倒産した事例があるんじゃないかという話を聞いたことがありまして、どういうことかと申しますと、正式に法的に倒産したというよりも、例えば、中央銀行が発券しているその紙幣、完全に切り替わりましたと、あと、経営体制も変わりましたと、看板はある程度同じなんだけれど実質的に変わったという事例があるかどうか。それはお答えいただけませんでしょうか。これは日本銀行ですかね。
○参考人(黒田東彦君) 私どもが承知しております最近の例でいいますと、欧州のいわゆる移行国であるチェコであるとか、あるいは新興国であるイスラエルとかチリにおいて、基本的に保有外貨資産の評価損を主因にして債務超過になったという例があるようでございます。ただ、これらは、いずれもその後何年か掛けてその債務超過というのはなくして、消していっていると、こういうふうに聞いております。
 ただ、そのほか、ずっと前の例とか債務超過云々よりも、例えば、御承知のように、ジンバブエのような国は天文学的なハイパーインフレになって通貨を切り替えておりますので、債務超過とかそういうことではないにしても、そういう例は途上国にはあるようでありますが、今申し上げた、中央銀行が債務超過になったという例は、最近の例は今のようなことを聞いております。
○藤末健三君 たしか私がお聞きしたのはドイツで、戦後のドイツでその戦争の債務をカバーし切れなくなって、中央銀行が通貨を切り替え、様々な仕組みを切り替え、実質的にもう変わってしまったと。これは実質倒産であるというふうに言われているわけですよ。通貨の信認を失ったわけですから、通貨の番人が。
 私は、ここでもう返事は結構でございますけれど、このままいきますと、私は日本銀行が本当に厳しい状況になるんではないかと思います。黒田総裁は本当に一生懸命頑張っていただいていると私も本当に思います、それは。ただ、この状況で、日銀だけのこの狭い世界で金融政策だけを唱えていますと、多分総裁のフラストレーションはどんどんどんどんたまっていくんじゃないかなと。ですから、私は、日本銀行からも是非その成長戦略であり様々な政策を打ち出していただくことも必要ではないかと思っております。これは、私の意見として申し上げたいと思います。
 私、ちょっと皆様に、特にこの財政金融委員会の委員の皆様にちょっと説明したい資料がございまして、お配りした資料の一番最後の二枚でございます。財政危機における法制度の枠組みということです。これ、自分なりに整理したものでございまして、もし財政危機が起きたとき、先ほどもありましたように国債が売れなくなり、そして長期金利が上がって国債価格が下落し、あと過剰な円安に走ったとき、じゃ何ができますかということを、今ある法制度をまとめたものがこの資料でございます。大きいくくりでいきますと、金融を安定化するというのがまずローマ字のこのⅠでございまして、二番目が、企業がきちんと決済をできるようにしましょうねというのが二番目。そして、一番最後のページにございます個人の保護というふうになっています。
 これを見ていただきますと分かりますように、金融につきましては、例えば国債の問題につきましては日銀がある程度介入できますし、政府の資金繰りは予算総則の八条により二十兆円の最高額まで一時借入金ができる。
 あと、民間金融機関の資金繰りについては日銀法の三十三条、また日銀法の三十八条などを使って資金供給ができると。そしてまた、資本の強化につきましては、またこの国会で議論されると思いますけど、金融機能強化法による資本強化や、あと預金保険法による金融機関の資本強化ができるという状況になっていまして、非常に、金融機関の安定化という意味では、ある程度法制度は整備されているんではないかと思います。
 一方、ローマ字のⅡにございます企業の決済機能の維持ということにつきましては、事業者の資本強化の支援というのを見ていただきますと、(1)にあります産業活力再生、産業活動の革新に関する特別措置法の出資円滑化機能というのがございますが、これは実はもう今使えなくなっているという状況にあります。一方、企業が非常に厳しくなったときに支えるシステムとしましては、産業革新機構の政府保証枠がございます。あと、地域経済活性化支援機構の政府保証枠がありまして、何か企業が非常に厳しい状況になったときにはこの機構から出資ができるようになっているということです。
 そして、企業に関しましては、二ページ目にございますように、株価の不動産対策ということでございますが、日銀によるETF購入、あと銀行等が保有している株式の機構の買取り機能があるということでございまして、企業の株価、あと不動産などの対策はある程度できているのではないかと。
 また、過度な円安になったときの外貨の資金繰りは大変になりますけど、JBICの業務に、国際協力銀行の業務に企業の海外展開のための資金繰りの支援、あと外為特会を使いました融資という制度も整備されているということになります。
 そして、企業に関しましては企業の資金繰り支援ということで、日本政策金融公庫などの対策。あと、日銀による貸出支援という枠が、制度がございますので、企業についてもある程度は支えられるなという状況ではないかと思います。
 ただ一方で、個人を見ますと、簡単に言うと生活保護しかないような状況でございまして、先ほどの経済産業省の図でいきますと、過剰な円安になり、そして所得の政府の機能が劣化し、そしてインフレが起き、また、長期金利の上昇により企業活動が低下する中で、恐らく、誰が被害を被るかといいますと、年金生活者、あとは所得が低い方々ではないかと思います。
 ただ、そこに対する支援が何かというと、生活保護しかないような状況。食管法という法律があって、一九九五年にたしか改正したはずですけれど、それまでは国が食糧を集め、そして国民の皆さんに配るという機能がありましたが、それも今はクーポン券に変わっています、これは。私は残すべきだったと思います、正直申し上げて。あと、失業保険も枠があって、多分すぐ枯渇すると思います、今の枠組みですと。
 何を申し上げたいかというと、個人の保護というものが生活保護になっちゃっているという状況でございまして、金融の方は厚い、そして企業は少し手厚くなっている、じゃ、個人をどうするのかと。恐らく生活保護だけの支援でありますと、これはもう市町村が担当していますけれど、今どんどんどんどん生活保護を受ける方々が増えている中で、今、市町村の窓口の方はもうぱんぱんです、今既に。恐らく、この生活保護を受ける方が一・五倍や二倍になったとき、恐らくワークしないです、これ。オペレーションができない。
 という中でございますので、ちょっとこれにつきまして、これは副大臣ですかね、ちょっと見解を教えてください。お願いします。
○副大臣(大塚拓君) 財政危機時における法制度の枠組みということでいろいろ、頭の体操として興味深くお聞かせをいただいたわけでございますけれども、財政が破綻しているということを前提にした御質問と思いますので、これはお答えとしては仮定の質問にはお答えできないということになるわけでございまして、このいただきました資料が役に立つようなことが決してないように頑張っていくということでございます。
○藤末健三君 まさしくそのお答えで結構だと思いますよ。これは、私は、政府に見ていただいたというよりも、立法府の仲間に見ていただきたかったんですね。なぜかというと、将来の危機があるかもしれない、その中においてやはり立法府がきちんと法体制をつくっておかなきゃいけないということでございまして、私は、もし危機になったら、党派関係なく超党派で多分やらなきゃいけないときが来ると思うんですね。ですから、私は一つのサンプルとしてこれを示させていただきましたけれども、是非立法府におきまして、何が危機のときに必要かということは、ある程度の準備は必要だと思うんです。政府は多分対応するのはできないと思いますので、そのことを申し上げたいと思います。
 最後でございますが、ちょっと消費税について、非常にマクロな議論をしましたが、ミクロな議論を一点だけ申し上げますと、郵政。私、郵政の副大臣をさせていただいていまして、この郵政、何があるかと申しますと、元々郵政という一つの組織だったものが、会社が四つに分かれました。そして、金融二社と郵政と日本郵便と分かれまして、何が起きているかと申しますと、この金融二社から郵便会社に窓口委託料を払っているんですね。約一兆円ございます。
 本来、同じ会社内であれば、消費税、契約がありませんから消費税払わなくてもよかった。ところが、会社を分けましたので消費税を払う必要がありまして、約八百億円、年間払っていると。新規負担になってございます。これは、民営化法を作るときに、この消費税対策をやりましょうねと書いておりますけれども、ずっと今まで対応できていないんです。
 私自身、前、消費税の議論をするときに、この郵政のグループ内取引についてはもう非課税にした方がいいんじゃないかということで提案させていただいた。ところが今、総務省は、非課税ではなくこれを税額控除でやってくれという話をしているわけでございますが、これ、財務省にちょっとお聞きします、時間がないので。どちらがいいかということを、もしよろしければ見解をお聞かせください。
○副大臣(大塚拓君) どちらもなかなか厳しいというのがお答えになるわけでございますけれども、基本的に、金利とか保険料とか非課税のものに課税をするとかあるいはその調整をするということになってきますと、ほかの金融機関にも波及をしてまいりますので、全体としてなかなかやっぱり税の世界で調整することは非常に難しい部分があるということは御理解の上で、しかし、恐らくずっと問題意識を持って取り組まれていると思いますので、敬意を表させていただきたいと、このように思っております。
○藤末健三君 是非お願いします。
 今日は本当に、自分の考えを述べさせていただいて、ありがとうございました。私は、やはり消費税をきちんと使い、そして経済を活性化することを是非させていっていただきたいと思いますので、これで質問を終わらさせていただきます。

 

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