公立学校選択制で初等教育の再構築を
前回は、初等教育に関して、ゆとり教育の導入によって「学力低下」、「教育費の高沸」が問題となっていると書きました。
今日は、それをどのように解決していくか、に関しての私の考えを書かせて頂きます。
公立学校がちゃんとした教育をできる制度を
前回も書かせて頂きましたが、私は日本において教育をないがしろにすることが最も危険だと考えます。現状では、公立学校(小中学校)が十分に教育ができていないため、学力などを保つためには塾に行かせざるを得ず、結局、教育費が高くなっているというのが現状だとご説明しました。
さて、この場合、解決策は次の2通りが考えられます。
1. 公立学校がもっとちゃんとした教育ができる制度を整備する。
2. 塾を公立学校と同じようにみなしてしまい、教育費の一部を政府が援助する。
2.は、どういうことかと言うと「公立学校に頼らずに塾に頼る。その代わりに、教育費の一部を国が援助する。」という考え方です。いろいろな考え方があるかと思いますが、私は初等教育に関しては、「1. 公立学校がもっとちゃんとした教育ができる制度を整備する。」という方がより現実的だと考えます。何故なら、2.では一番大切な子供たちが楽しく勉強するということが損なわれてしまう可能性が高いと考えてしまうからです。
「楽しく」「学力を下げずに」学ぶための3つの政策
さて、「子供たちが楽しく学ぶことができ」、「学力低下を食い止める」ために、次の3つのことを実現したいと考えております。
1. 少人数学級の実現:私自身、小学校5年生の時、担任に副担任がつくというクラスに入り、先生方のきめ細かな授業で落ちこぼれにならずにすみました。この経験から、少人数クラスの有効性を強く感じています。
2. 教員資格の見直し:社会経験がある人の中途採用や高齢者の方の採用などを実施します。これにより社会における勉強の必要性をより子供たちに伝えられます(すでに特区で始まっています)。
3. 公立学校の選択制導入:すでに品川区で実施されている公立学校の選択制を広め、学校の改善を進めます。
特に3に関して、品川区のユニークかつ先進的な取組みを紹介させて頂いて、本日の締めとさせて頂きます。(実はこれは大学時代に「技術政策立案」という授業で、学生のみなさんと一緒に作ったレポートの一部です。)みなさんは、お子さんの学校が選べたら、選びますか?
学校選択制度の目的
目的は大きく分けて二つある。一つには保護者が自分の子供に適した学校を選ぶことができるようにすることである。もう一つは選ばれているという意識を学校に持たせ、学校の自律的改善を促すことである。つまり、学校間の競争を促すことで、学校のサービスレベルを高めようという取組みです。競争も行き過ぎると問題もありますが、基本的に競争こそが最も効果的にサービスレベルを高められると私は考えます。
学校選択制度に関する市民の意識
学校選択制に対する市民の考え・意識はどのようになっているのであろうか。以下に学びの場.comによるアンケート調査結果を示します。


図:学校選択制度のメリット・デメリット
(出典:学びの場.com
http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,2775,159,html?year=2003
ウェブ調査のため学校選択制が採用されている地域、検討中の地域、不採用の地域全ての住民を含んでいる)
学校選択制の一番のメリットとして「学校ごとの特色が活かせる」が挙げられている。学校選択制に対する文部科学省と市民の期待は合致しており、学校選択制の方向性そのものは間違ってはいないと言える。また、見られている、選ばれているという意識により、「学校や教師の質が高まる」ことが期待されている。さらに学校を選ぶ側である親や子供についても「意欲・関心・責任感」が高まるということが期待されている。一方で学校選択制のデメリットとして「学校間の人気格差ができる」、「人気が殺到した学校での施設の不適応」、「保護者間に不安や風評が広がる」といったことが挙げられており、市民が学校選択制について不安感を抱いていると言える。
保護者の視点から
学校選択制をすでに実施している自治体に住む保護者が感じている不安な点と問題点はどういったものであろうか。これについては専修大学嶺井正也研究室が品川区の選択制度について調査研究を行っている。以下にその「品川区立小学校の通学区域ブロック化」調査研究報告書より抽出・整理した保護者の意見を挙げる。
<情報公開に関する問題>
・学校を選択するための情報がまだまだ少ないため、選択が難しい。
・情報公開に際し、悪い情報を学校が隠す可能性がある。
・噂や風評が保護者や地域住民の間で飛び交う可能性がある。
<学力格差や教員格差に関する問題>
・人気のある学校とそうではない学校間に学力や教員のやる気に差が出る可能性がある。
固定リンク
|
comment (956)
|
trackback (5)
|
教育改革
2004年06月15日 00:44 by Kenzo Fujisue