1998年と13年前の本ですが、書かれていることは現在でも当てはまると感じました。
それだけ、政治も社会もかわらなかったということかもしれません。
まず書き出しから「大国の興亡」の著者ポール・ケネディ教授との会話で、ケネディ教授から「80年代以上の日本と日本人が明確なNational Purpose(国家目標)をなくし、改革に必要なNational Unity(国民的結束、私は国家結束と訳すべきと思うが)を欠いている」と指摘されたとあります。
現在の我が党の不評もこの点にあるのではないかと思います。
また、トインビーの文明衰退論から社会衰退の原因として「自己決定能力の喪失」を持ち出し、「国家の衰退に不可抗力はない」、つまり国家の盛者必衰という宿命論は誤りであると指摘しています。
そして、外来の勢力が蹂躙しても文明は滅ばず、衰退の原因は自らの内にある「虚ろなもの」としています。それは、ミメーシス【ギリシャmimēsis】の欠如であるとしています(この点、私の理解が間違っているかもしれません)。
なお、ミメーシスの復讐として、大衆をコントロールするためのミメーシスに指導者たちが自分自身でかかってしまう。大東亜戦争やバブル期の日本リーダーはこの落とし穴にはまったとしています。
本書を読んで考えさせられることは多いですが、ポイントを挙げるならば
1.我が国に時代に即した国家目標が必要であること。
2.そして、その国家目標は、我が国の長い文化や文明に基づくもであること。
ではないかと考えます。
少子化対策を含む社会保障、財政再建、経済成長と短期的な課題は見えていますが、これらを俯瞰するより高い視点を政治から提示しなければなりません。
このgooglebooksで160ページくらいまで読むことができます。
2011年01月16日


