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6法案の筆頭発議者として法案提出!

平成28年12月7日(水)、6つの法律案(社外取締役設置義務化法案、大法人所得公示制度法案、相談役・顧問等に関する情報開示法案、公債特例法廃止法案、法人コード統一法案、公会計法案)を、筆頭発議者として参議院の事務総長に提出いたしました。20161207

 

6つの法律の内容は以下のとおりです。(それぞれの法律案は末尾に掲載いたします)

 

(1)「会社法の一部を改正する法律案」(社外取締役設置義務化法案)

この法案は、企業の不祥事を受けて閣法で会社法改正が行われたが、ガバナンス強化策の一端である社外取締役設置義務化が不十分であることから義務を強化するという内容です。 

欧米のみならず中国や韓国ですら、過半数以上が社外取締役というのが常識なのに日本は一周も、二周も遅れているというのが現状です。社長の言うことに誰も逆らうことができないというのではあれば、上場企業として失格です。株主の立場の擁護や取引先、顧客、社会との適合性との観点からも、社長、あるいは社長を中心に内部昇格の取締役会の暴走に歯止めをかけ、中長期的な企業の発展を目指すためにも、社外取締役の知恵を借りるのは有効です

(2)「法人税法の一部を改正する法律案」(大法人所得公示制度法案)

この法案は、資本金の額又は出資金の額が100億円を超えるものについて、確定申告書、連結確定申告書等の提出があったときは、その法人の名称、所得金額、法人税額等を公示するという内容です。 

米国等先進国でグローバル企業の租税回避行動にOECDやG20などの国際会議でも関心が高まりつつあります。この議論は、BEPSと呼ばれており、「Base Erosion and Profit Shifting」の略語であり、「税源浸食 と利益移転」と日本語に訳されています。日本の国会においてもBEPSの議論を行っていく契機になればと考えています。

(3)「金融商品取引法の一部を改正する法律案」(相談役、顧問等に関する情報開示法案)

この法案は、代表取締役社長等を経験した相談役、顧問等が役員を退任した後にも経営に関与している実態に鑑み、そのような人物に関する情報を開示するために規定の改正を行うという内容です。

 

(4)「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律を廃止する法律案」(公債特例法廃止法案)

この法案は、2016年度から2020年度までの特例公債発行を認める「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律」を廃止し、2016年度のみの経過措置により対応するという内容です。

 

(5)「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律の一部を改正する法律案」(法人コード統一法案)

この法案は、法人税関係特別措置ごとの高額適用法人の報告書用法人コードについて、経年変化が追えるように統一するとともに、適用実態調査の結果の活用状況等に関する報告書の作成・提出を義務付けるという内容です。

 

(6)「国の財務書類等の作成及び財務情報の開示等に関する法律案」(公会計法案)

この法案は、発生主義・複式簿記による国の財務書類等の作成及び財務情報を開示し、国の資産・負債や事務事業コスト等の国の財務に関する状況を明らかにするとともに、決算審査の充実等によって、政府の説明責任の十分な履行、適正な予算編成・効率的な行政の推進の確保を図るという内容です。

 

会社法の一部を改正する法律(案)

 会社法(平成十七年法律第八十六号)の一部を次のように改正する。

 第三百二十七条の二の見出しを「(社外取締役の設置義務等)」に改め、同条中「監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの」を「特定監査役会設置会社」に改め、「場合」の下に「(特定社外取締役設置会社にあっては、前項の規定により第一項の規定が適用されない場合に限る。)」を加え、同条を同条第三項とし、同項の前に次の二項を加える。

  監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの(第三項において「特定監査役会設置会社」という。)のうち、次の各号に掲げるもの(次項及び第三項並びに第九百十一条第三項第十九号の二において「特定社外取締役設置会社」という。)には、当該各号に定める数の社外取締役を置かなければならない。

 一 取締役の数が十人以上であるもの 二人以上

 二 取締役の数が五人以上九人以下であるもの 一人以上

2 特定社外取締役設置会社以外の監査役会設置会社が金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならなくなったことにより特定社外取締役設置会社となった場合においては、当該監査役会設置会社については、特定社外取締役設置会社となった日以後最初に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までは、前項の規定は、適用しない。

 第三百三十一条に次の二項を加える。

7 監査等委員会設置会社のうち、公開会社であり、かつ、大会社であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもので、取締役の数が十人以上であるもの(次項において「特定監査等委員会設置会社」という。)における前項の規定の適用については、同項中「三人」とあるのは、「四人」とする。

8 第三百二十七条の二第二項の規定は、特定監査等委員会設置会社以外の監査等委員会設置会社が金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならなくなったことにより特定監査等委員会設置会社となった場合について準用する。この場合において、第三百二十七条の二第二項中「前項」とあるのは、「第三百三十一条第七項」と読み替えるものとする。

 第九百十一条第三項第十九号の次に次の一号を加える。

 十九の二 特定社外取締役設置会社であるときは、その旨及び取締役のうち社外取締役であるものについて社外取締役である旨

 第九百七十六条第十九号の二中「第三百三十一条第六項」の下に「(同条第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」を加える。

附 則

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に存する株式会社(この法律の施行前に会社法第三十条第一項の規定による定款の認証を受け、この法律の施行後に成立するものを含む。)については、この法律による改正後の会社法(以下「新法」という。)第三百二十七条の二第一項及び第二項、第三百三十一条第七項及び第八項並びに第九百十一条第三項の規定は、この法律の施行後最初に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までは、適用しない。この場合において、当該株式会社に関する新法第三百二十七条の二第三項の規定の適用については、同項中「場合(特定社外取締役設置会社にあっては、前項の規定により第一項の規定が適用されない場合に限る。)」とあるのは、「場合」とする。

(検討)

第三条 政府は、新法の施行の状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、株式会社の経営に対する取締役による監督の機能を強化する観点から、社外取締役に関し、その設置を義務付ける株式会社及びその人数、多様な人材の採用を促進するための方策等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

(会社法の一部を改正する法律の一部改正)

第四条 会社法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第九十号)の一部を次のように改正する。

  附則第二十五条を削る。


理 由

 最近の我が国における株式会社の不祥事の実態に鑑み、企業統治の一層の強化を図るため、公開会社かつ大会社である監査役会設置会社であってその株式を上場しているもの等のうち取締役の数が五人以上であるものに対して社外取締役の設置を義務付ける必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

法人税法の一部を改正する法律(案)

 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

 第百五十三条から第百五十七条までを次のように改める。

(申告書に記載された法人税額等の公示)

第百五十三条 税務署長は、内国法人のうち各事業年度終了の日(連結親法人にあつては、各連結事業年度終了の日)における資本金の額又は出資金の額(資本又は出資を有しないものその他政令で定めるものにあつては、政令で定める金額)が百億円を超えるものについて、確定申告書、連結確定申告書又はこれらの申告書に係る修正申告書の提出があつたときは、財務省令で定めるところにより、その内国法人の名称(連結親法人にあつては、連結親法人及び連結子法人の名称)、これらの申告書に記載された各事業年度の所得の金額又は各連結事業年度の連結所得の金額及び第七十四条第一項第二号(確定申告に係る法人税額)に掲げる金額又は第八十一条の二十二第一項第二号(連結確定申告に係る法人税額)に掲げる金額その他財務省令で定める事項を公示しなければならない。

第百五十四条から第百五十七条まで 削除

附 則

(施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(経過措置)

2 この法律による改正後の法人税法(以下この項において「新法」という。)第百五十三条の規定は、内国法人(新法第二条第八号に規定する人格のない社団等を含む。)のこの法律の施行の日以後に終了する事業年度又は連結事業年度に係る法人税の申告について適用する。


理 由

 内国法人のうち各事業年度終了の日における資本金の額等が百億円を超えるもの等について、その名称、確定申告書等に記載された各事業年度の所得の金額及び法人税の額等を公示する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

金融商品取引法の一部を改正する法律(案)

金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。

第五条第一項第二号中「重要な事項」の下に「、当該会社の役員(取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又はこれらに準ずる者をいい、当該会社の代表権を有する者であつた者のうち、当該会社の経営に関し相談に応じ又は助言を行う契約を締結していることその他の当該会社の経営に関与する蓋然性が高いものとして内閣府令で定める要件に該当する者を含む。第二十四条第一項において同じ。)の状況」を加え、同条第五項中「資産」と」の下に「、「定める事項」とあるのは「定める事項(内閣府令で定める場合にあつては、当該会社が行う資産の運用その他これに類似する事業に係る資産の経理の状況その他資産の内容に関する重要な事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項)」と」を加える。

第二十一条第一項第一号中「いう。」の下に「第二十四条第一項及び」を加える。

第二十四条第一項中「重要な事項」の下に「、当該会社の役員の状況」を加え、同項ただし書中「すべて」を「全て」に改め、同条第五項中「資産」と」の下に「、「定める事項」とあるのは「定める事項(内閣府令で定める場合にあつては、当該会社が行う資産の運用その他これに類似する事業に係る資産の経理の状況その他資産の内容に関する重要な事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項)」と」を加え、「すべて」を「全て」に改める。

附 則

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第五条の規定は、公布の日から施行する。

(経過措置)

第二条 この法律の施行の日(次条及び附則第四条において「施行日」という。)前に提出されたこの法律による改正前の金融商品取引法(以下この条及び附則第四条において「旧法」という。)第五条第一項(同条第五項において準用し、及びこれらの規定を旧法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による届出書(その訂正届出書を含む。)については、なお従前の例による。

第三条 施行日以後にこの法律による改正後の金融商品取引法第二十四条第一項(同条第五項において準用し、及びこれらの規定を同法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による有価証券報告書を提出していない者についての金融商品取引法第五条第三項及び第四項(これらの規定を同条第五項において準用し、及びこれらの規定を同法第二十七条において準用する場合を含む。)並びに第二十三条の三第一項及び第二項(これらの規定を同法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同法第五条第三項中「を記載する」とあるのは「及び同項第二号に規定する役員の状況(内閣府令で定めるものに限る。)を記載する」と、「同項第二号」とあるのは「同号」と、同条第四項中「参照すべき旨」とあるのは「参照すべき旨並びに金融商品取引法の一部を改正する法律(平成二十八年法律第   号。以下「平成二十八年改正法」という。)附則第三条の規定により読み替えられた前項に規定する役員の状況」と、同項第二号中「第一項第二号」とあるのは「平成二十八年改正法による改正前の第一項第二号」と、同法第二十三条の三第一項中「第五条第四項」とあるのは「平成二十八年改正法附則第三条の規定により読み替えられた第五条第四項」と、同条第二項中「参照すべき旨」とあるのは「参照すべき旨及び平成二十八年改正法附則第三条の規定により読み替えられた第五条第三項に規定する役員の状況」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第四条 施行日前に提出された旧法第二十四条第一項(同条第五項において準用し、及びこれらの規定を旧法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による有価証券報告書(その訂正報告書を含む。)については、なお従前の例による。

(政令への委任)

第五条 前三条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 


理 由

投資者の投資判断に必要な情報として、有価証券届出書及び有価証券報告書において、これを提出する会社の代表権を有する者であった者のうち当該会社の経営に関与する蓋然性が高い者の状況について記載されるようにする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律を廃止する法律(案)

財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律(平成二十四年法律第百一号)は、廃止する。

附 則

(施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 平成二十八年度の一般会計の歳出の財源に充てるための公債の発行については、この法律による廃止前の財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律(次項において「旧法」という。)第三条第一項及び第二項の規定は、平成二十九年六月三十日までの間、なおその効力を有する。

3 旧法第三条第一項(前項の規定によりなおその効力を有するものとされる場合を含む。)の規定により発行した公債については、同条第四項の規定は、なおその効力を有する。


理 由

 特例公債の発行は、必要とされる年度ごとに制定される法律に基づいて行われる必要があることに鑑み、複数年度にわたる公債の発行の特例に関する措置を廃止する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律の一部を改正する法律(案)

租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律(平成二十二年法律第八号)の一部を次のように改正する。

第五条第一項第一号中「この項」の下に「及び次条第一項」を加え、同項第二号中「いう。)」を「いう。以下この号において同じ。)及びその高額適用額に該当する適用額が記載された適用額明細書を提出した法人の報告書用法人コード(法人ごとに、その名称に代えて、当該法人を識別することができないようにするために付される番号、記号その他の符号であって、各会計年度を通じて用いられるものをいう。)。ただし、租税特別措置法第四十二条の三の二の規定による法人税関係特別措置その他の政令で定める法人税関係特別措置にあっては、高額適用額とする。」に改め、同条第二項中「に提出することを常例とする」を「の開会後速やかに提出するものとする」に改め、同条の次に次の一条を加える。

(適用実態調査の結果の活用の状況等に関する報告書の作成及び提出)

第五条の二 財務大臣は、毎会計年度、租税特別措置の継続、廃止その他の見直しについて政府が当該会計年度に行った検討における適用実態調査の結果の活用の状況並びにその検討の結果及びその結果に至った理由に関する報告書を作成しなければならない。

2 内閣は、前項の規定により財務大臣が作成した報告書を前条第一項の報告書とともに国会に提出しなければならない。

第十条中「この法律」の下に「(第五条の二第一項を除く。)」を加える。

第十一条中「作成方法」の下に「、第五条の二第一項の報告書の作成方法及び記載事項の細目」を加える。

附 則

 この法律は、平成二十九年四月一日から施行する。

 


理 由

適用実態調査の結果に関する報告書について、法人税関係特別措置ごとの高額適用額と併せてその高額適用額に係る法人の報告書用法人コードを記載事項とするとともに、適用実態調査の結果の活用の状況等に関する報告書の作成及び国会への提出について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

国の財務書類等の作成及び財務情報の開示等に関する法律(案)

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 国の財務書類等の作成及び財務情報の開示(第三条―第八条)

第三章 雑則(第九条―第十四条)

 附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、企業会計の慣行を参考とした国の財務書類等の作成及びその国会への提出等による財務情報の開示等について定めることにより、国の資産及び負債、国の事務及び事業に要した費用その他の国の財務に関する状況を明らかにし、かつ、国会等による予算執行に対する検証の充実を図り、もって政府の有する国の財政状況を国民に説明する責務が十分に果たされるようにするとともに、適正な予算編成と効率的な行政の推進に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「各省各庁」とは、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十一条に規定する各省各庁をいい、「各省各庁の長」とは、同法第二十条第二項に規定する各省各庁の長をいう。

2 この法律において「局等の組織」とは、次に掲げる組織をいう。ただし、当該組織が所掌する事務及び事業の内容、当該組織に係る歳出額の状況及び資産の内容等を総合的に勘案し、第一号に掲げるものにあっては当該組織に係る財務情報を開示する必要性に乏しいものとして政令で定めるものを除き、第二号に掲げるものにあっては当該組織に係る財務情報を開示することが特に有益であると認められるものとして政令で定めるものに限る。

一 次に掲げる組織

 イ 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く。)又は内閣の所轄の下に置かれる機関

ロ 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第十七条第一項に規定する官房若しくは局、宮内庁又は同法第四十九条第一項に規定する委員会若しくは庁

  ハ 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第七条第一項に規定する官房若しくは局又は同法第三条第二項に規定する委員会若しくは庁

ニ 会計検査院法(昭和二十二年法律第七十三号)第二条に規定する検査官会議又は事務総局

二 国の機関の組織であって前号に掲げる組織以外のもの

3 この法律において「特殊法人等」とは、次に掲げる法人をいう。

一 法律により直接に設立される法人

二 特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきものとされる法人

三 特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政官庁の認可を要する法人

4 この法律において「特別会計連結対象法人」とは、特別会計(勘定に区分する特別会計にあっては、勘定とする。第七項第三号において同じ。)において経理されている事務及び事業と密接な関連を有する特殊法人等として財務大臣が定める要件に該当するものをいう。

5 この法律において「各省各庁連結対象法人」とは、各省各庁が所掌する事務及び事業と密接な関連を有する特殊法人等として財務大臣が定める要件に該当するものをいう。

6 この法律において「財務書類」とは、次に掲げる書類から構成される決算に関する財務情報を開示するための書類をいう。

一 貸借対照表(一の会計年度の年度末における資産、負債及び資産と負債との差額の状況を記載した書類をいう。第三号において同じ。)

二 業務費用計算書(一の会計年度において発生した費用の状況を記載した書類をいう。)

三 資産・負債差額増減計算書(一の会計年度の貸借対照表における資産と負債との差額とその前会計年度の貸借対照表における資産と負債との差額の増減の状況を要因別に記載した書類をいう。)

四 区分別収支計算書(一の会計年度における歳入と歳出の決算を業務及び財務に区分した収支の状況を記載した書類をいう。)

五 注記(前各号に掲げる書類に記載された事項に関する重要な会計方針、偶発債務(債務の保証(債務の保証と同様の効果を有するものを含む。)、係争事件に係る賠償義務その他現実に発生していない債務で、将来において債務となる可能性のあるものをいう。)の内容及び金額その他の財務内容を理解するために必要となる事項を記載した書類をいう。)

六 附属明細書(第一号から第四号までに掲げる書類に記載された事項に関する明細を記載した書類をいう。)

7 この法律において「省庁別財務書類等」とは、次に掲げる財務書類をいう。

一 一般会計省庁別財務書類(一般会計のうち各省各庁に係る部分に関する当該各省各庁の全体及び局等の組織ごとの財務書類をいう。第四号において同じ。)

二 特別会計財務書類(各省各庁の長が管理する各特別会計(勘定に区分する特別会計にあっては、当該勘定及び当該特別会計)に関する財務書類をいう。次号において同じ。)

三 特別会計連結財務書類(各省各庁の長が管理する各特別会計及び当該特別会計に係る特別会計連結対象法人につき連結して記載した財務書類をいい、当該特別会計連結対象法人がない場合には、その旨を当該特別会計に係る特別会計財務書類に付記したものをいう。)

四 省庁別財務書類(国の会計のうち各省各庁に係る部分に関する当該各省各庁の全体及び局等の組織ごとの財務書類をいい、当該各省各庁の長が管理する特別会計がない場合には、その旨を一般会計省庁別財務書類に付記したものをいう。次号において同じ。)

五 省庁別連結財務書類(国の会計のうち各省各庁に係る部分及び当該各省各庁に係る各省各庁連結対象法人につき連結して記載した当該各省各庁の全体及び局等の組織ごとの財務書類をいい、当該各省各庁連結対象法人がない場合には、その旨を省庁別財務書類に付記したものをいう。)

8 この法律において「国の財務書類」とは、次に掲げる財務書類をいう。

一 一般会計財務書類(一般会計の全体に関する財務書類をいう。)

二 一般会計・特別会計財務書類(国の会計の全体に関する財務書類をいう。)

三 連結財務書類(国の会計及び各省各庁連結対象法人の全体につき連結して記載した財務書類をいう。)

9 この法律において「国の財務書類等」とは、国の財務書類及び各省各庁の省庁別財務書類等をいう。

第二章 国の財務書類等の作成及び財務情報の開示

 (作成基準)

第三条 財務大臣は、国の財務書類等の作成基準(以下単に「作成基準」という。)を定めなければならない。

2 作成基準は、企業会計の慣行を参考とし、かつ、国の財務の特殊性を考慮したものでなければならない。

3 財務大臣は、作成基準を定め、又はこれを変更しようとするときは、財政制度等審議会の議を経なければならない。

4 財務大臣は、作成基準を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 (省庁別財務書類等の作成及び送付)

第四条 各省各庁の長は、毎会計年度、作成基準に従い、省庁別財務書類等を作成し、政令で定めるところにより、財務大臣に送付しなければならない。

(国の財務書類の作成)

第五条 財務大臣は、毎会計年度、作成基準に従い、国の財務書類を作成しなければならない。

 (国の財務書類等の検査)

第六条 内閣は、国の財務書類等を、国の歳入歳出決算とともに会計検査院に送付し、その検査を受けなければならない。

 (国の財務書類等の国会への提出)

第七条 内閣は、前条の規定により会計検査院の検査を経た国の財務書類等を、国の歳入歳出決算とともに、その参考資料として、国会に提出しなければならない。

(インターネットの利用等による開示等)

第八条 各省各庁の長は、当該各省各庁の省庁別財務書類等に記載された情報その他当該各省各庁の財務に関する状況を適切に示す情報として政令で定めるものを、インターネットの利用その他適切な方法により開示しなければならない。この場合において、省庁別財務書類等に記載された情報については、第四条の規定により当該省庁別財務書類等を作成した後及び第六条の規定により当該省庁別財務書類等に係る会計検査院の検査を経た後、速やかに、開示するものとする。

2 財務大臣は、国の財務書類に記載された情報その他国の財務に関する状況を適切に示す情報として政令で定めるものを、インターネットの利用その他適切な方法により開示しなければならない。この場合において、国の財務書類に記載された情報については、第五条の規定により当該国の財務書類を作成した後及び第六条の規定により当該国の財務書類に係る会計検査院の検査を経た後、速やかに、開示するものとする。

3 前二項の場合において、各省各庁の長及び財務大臣は、開示される情報を国民が十分に理解することができるよう、その内容をできる限り平易な表現を用いて分かりやすく説明する資料その他必要な情報を併せて提供するように努めるものとする。

第三章 雑則

 (特殊法人等の財務諸表の作成に係る基準の在り方)

第九条 政府は、第二条第七項第三号の特別会計連結財務書類及び同項第五号の省庁別連結財務書類並びに同条第八項第三号の連結財務書類に記載される情報がより適切なものとなり、並びにこれらの書類を効率的に作成することができるようにする観点から、特殊法人等の貸借対照表、損益計算書等の財務諸表の作成に係る基準について、作成基準との整合性が確保されたものとなるようにしなければならない。

 (調査研究)

第十条 政府は、国の財務書類等に記載された情報の政策評価(行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成十三年法律第八十六号)第三条第二項に規定する政策評価をいう。)における活用その他の当該情報の政府による適正な予算編成と効率的な行政の推進への一層の活用を図るための措置、企業会計の慣行の国の予算制度への導入その他国の財務に関する情報の活用及び充実について調査研究を行うものとする。

(行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の適用除外)

第十一条 この法律の規定による手続については、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第三条及び第四条の規定は、適用しない。

(電磁的記録による作成)

第十二条 この法律の規定により作成することとされている財務書類については、当該財務書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして財務大臣が定めるものをいう。次条第一項において同じ。)の作成をもって、当該財務書類の作成に代えることができる。この場合において、当該電磁的記録は、当該財務書類とみなす。

(電磁的方法による提出)

第十三条 この法律の規定による財務書類の提出については、当該財務書類が電磁的記録で作成されている場合には、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって財務大臣が定めるものをいう。次項において同じ。)をもって行うことができる。

2 前項の規定により財務書類の提出が電磁的方法によって行われたときは、当該財務書類の提出を受けるべき者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該提出を受けるべき者に到達したものとみなす。

 (政令への委任)

第十四条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

附 則

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行し、平成二十八年度以後の決算に関する国の財務書類等について適用する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。

 (作成基準の策定のために必要な行為)

第二条 第三条の規定による作成基準の策定のため必要な手続その他の行為は、この法律の施行前においても、同条の規定の例により行うことができる。

(平成二十八年度から平成三十年度までの各決算に関する特例)

第三条 平成二十八年度から平成三十年度までの各決算に関する国の財務書類等に係る第六条及び第七条の規定の適用については、第六条中「国の歳入歳出決算とともに」とあるのは「国の歳入歳出決算を会計検査院に送付した後六月以内に」と、第七条中「国の歳入歳出決算とともに、その参考資料として」とあるのは「速やかに」とする。

 (平成三十年度までに講ずる必要な措置)

第四条 政府は、平成三十年度までに、国の収入及び支出について企業会計の慣行を参考とした処理を自動的に行う機能を有する国の会計事務に係る情報システムの整備その他の国の財務書類等を早期に作成することができるようにするために必要な措置を講ずるものとする。

第五条 財政法、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)、物品管理法(昭和三十一年法律第百十三号)、特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)その他の国の財務に関する法令の規定に基づき作成することとされている各種の国の財務に関する書類及びその取扱いについては、平成三十年度までに、国の財務書類等との関係に関し検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

(特別会計に関する法律の一部改正)

第六条 特別会計に関する法律の一部を次のように改正する。

 第十九条及び第二十条を次のように改める。

第十九条 特別会計に関する財務情報の開示については、国の財務書類等の作成及び財務情報の開示等に関する法律(平成二十八年法律第   号)の定めるところによる。

第二十条 削除


理 由

 国の資産及び負債、国の事務及び事業に要した費用その他の国の財務に関する状況を明らかにし、かつ、国会等による予算執行に対する検証の充実を図り、もって政府の有する国の財政状況を国民に説明する責務が十分に果たされるようにするとともに、適正な予算編成と効率的な行政の推進に寄与するため、企業会計の慣行を参考とした国の財務書類等の作成及びその国会への提出等による財務情報の開示等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)等に関する特別委員会質疑

12月1日に開かれた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)等に関する特別委員会で、再び安倍総理に対し質疑を行いました。

 

20161201その1

 

 まず鳥インフルエンザへの対応について、与野党関係なく、緊急事態なので一緒に対応させていただきたいと要望した後、

トランプ次期米大統領の誕生に伴い、TPP交渉の今後の見通しについて質問したところ、

安部総理より「TPPの今後の見通し、米国における見通しは、確かに非常に厳しいのは事実だが、今後とも粘り強くTPPの意義、価値について米国側に働きかけていきたいと考えている」旨の回答を得ました。

 

20161201その2

 

 また、「多国間協定と二国間協定の交渉を同時に進めていいかという議論があるが、私は二国間同時にやることは可能だと思っている。是非、可能性を否定せずに全力を挙げて経済連携協定のことをやっていかなければ国民の不安は払拭できないと思う」と述べた後、

「RCEPの議論も進めるべきではないかと思う。TPPに参加している国と、東アジア地域包括経済協定、RCEPの対象国は我が国を入れて七か国がダブっている状況。RCEPを見てみると、実はGDPで世界の約三割、そして人口で約五割、そして非常に成長力が高い地域が入っている。

我が国の経済を伸ばしていこうという考えの場合、このRCEPを進めていくという選択肢はあるか」質問したところ、

安部総理より、「TPP協定に結実した新たなルールは、RCEP、さらにはFTAAP等におけるモデルとなっていると考える。我が国としては、RCEP交渉において、TPP交渉における成果も踏まえながら、質の高い協定の早期妥結に向けて引き続き精力的に交渉を進めていきたいと考えている」との回答を得ました。

 

20161201その3

 

次に、前回提案した、どういう国と優先順位を決め、いつまでに結ぶかということを明確にしたロードマップの作成とFTAの締結手続の定型化により、国会にきちんと通商交渉内容を公開することを要望した後、

農林水産業の在り方に関連し、農協の在り方について質問したところ、

安部総理より「不安に思う農家の方々もおられるので、丁寧に説明しながら、改革に共に取り組んでいきたい」との回答を得ました。

 

20161201その4

 

最後に、「農家の方が絶対安心できるような農業政策を出さなきゃいけない。我々は出していきますので、よろしくお願いしたいと思う」旨、述べ、
「今回のTPPにつきましてはやはり三つの問題があると思っている。一つはやはり、守るべきものを守っていないんではないか、農業の問題、そして二つ目に、取るべきものを取っていない。自動車の問題もやはり私は不十分だと思う。そして三つ目が、大きいのは、情報の開示、あの黒塗りの資料やSBS米の調査がある」と指摘した後、

そして、もう一つ最後あるのは、安倍総理、このTPPだけに縛られるのではなく、広いオプションを持ってやっていただきたい」とお願いし、質疑が終了いたしました。

 

 当日の会議録は以下をご覧ください。

 

 

○藤末健三君 民進党・新緑風会の藤末健三です。
 私は、まず冒頭に、今緊急な対策が必要な鳥インフルエンザの問題について御質問させていただきます。
 十一月の二十八日に鳥インフルエンザが養鶏場などで発見され、総理は包括的な対処の指示を出していただいたわけでございますけれど、今朝の六時に確認いたしましたところ、青森では殺処分が終わり、そして関川村では五五%の殺処分が終わり、そして上越市では夜の一時から殺処分が始まったということでございます。
 しかしながら、まだまだ完全終息という状況ではないような状況でございまして、是非、養鶏事業者の方々の心配を思いますと、我々も非常に胸が痛むわけでございます。私たち民進党も一昨日から党内に連絡室を設けまして、昨日にはその連絡室を対策本部、鳥インフルエンザ対策本部に格上げし、地元の議員たちと連携しまして対応をいろいろ提言させていただいています。
 そこで、鳥インフルエンザ対策本部長の安倍総理にお聞きしたいんですが、まず一つは、十一月に韓国で鳥インフルエンザ、発見されました。是非とも、その対応を考える上で感染ルートを明確にしていただきたいと思います。この鳥インフルエンザの遺伝子を解析することによって韓国ルートか別のルートかというのもある程度分かるということを聞いておりますので、その感染ルートの特定をまず一つお聞きしたいと思います。
 そして、もう一つございますのは、韓国から来ましたこの鳥インフルエンザ、渡り鳥が運んだだけではなく、人を経由して運ばれたんではないかということも可能性はございます。ですから、韓国から直行便が入っています地方空港などで例えば消毒マットを置くなどの対策を前回もしたわけでございますけれど、その徹底などを是非やっていただきたいと思いますが、総理の御見解をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確定診断の後、直ちに徹底した防疫措置を迅速に進めるように指示をいたしました。関係閣僚会議を開催をして、関係省庁、各省で情報共有を密にするなど、しっかりと対応できる体制を整えたと考えております。
 そこで、今委員から御指摘があった原因究明、これも極めて重要だと考えております。大学教授や獣医師などから編成された疫学調査チームを速やかに現地に派遣をいたしまして、野鳥の飛来状況、どういうルートをたどってきたかということでございますが、野鳥の飛来状況等の調査を行い、その結果を今分析しているところでございます。
 さらに、今年は、野鳥を含めて例年よりも早期に広範囲で鳥インフルエンザが発生をしています。このことを踏まえまして、より効果的、機動的な対応が可能となるよう、昨日、家禽業者に対する厳重な警戒の要請や予防措置の助言の実施を含む包括的な総理指示を発出したところでございまして、引き続き、やれることは全てやるとの考え方の下、鳥インフルエンザの防疫措置等に万全を期してまいりたいと思います。
○藤末健三君 鳥インフルエンザへの対応は、やはりいかに早く見付け、そして感染の拡大を止めるかということでございますので、我々も、民進党からもいろいろな提案をさせていただきますので、是非これは与野党関係なく、もう緊急事態でございますので一緒にさせていただきたいと思います。
 また、それとともに、鳥インフルエンザの拡大を防ぐとともに、例えば市場に流通する肉、鳥肉はどうなのかと、卵は食べて大丈夫なのかとかいう心配、そしてまた、いろいろ聞きますと、ペットに感染しないかというような心配もございますので、その点も含めまして対応させていただければと考えております。
 次に、TPPについて御質問させていただきますけれど、私は、今日は二点、安倍総理に質問させていただこうと考えております。
 まず一つが、やはりアメリカ・ファーストを掲げるトランプ次期大統領、もうTPPから撤退すると、二国間に絞るんだということをおっしゃっていて、本当に国民はそのTPP、これからどうなるんだろう、展望が見えない状況じゃないかと思います。その展望を是非聞かせていただきたいというのが一つ。
 そして、二つ目にございますのは、先ほど自民党の山田委員からもございましたけれど、TPPに大きな影響を受ける農林水産業、十一月二十九日に農林水産業の地域活力創造プラン、そしてまた党からは農業競争力強化プログラムなどが出されておりますけれど、本当にこの対応が、対策が農林水産業の方たちの不安を払拭できるのかどうかというのがございます。
 ですから、TPPの展望、そして農業対策について御質問させていただきます。
 まず、パネルを御覧になっていただいてよろしいでしょうか。(資料提示)
 こちらは、TPPを巡る今後のシナリオというふうに書かせていただいています。十一月の八日にアメリカ大統領選挙が終わり、トランプ候補が勝利しました。そして、安倍総理は十一月の十七日、トランプ次期大統領と会談をしていただいた。この会談を迅速にしていただいたことは評価できると思います。そして、十一月十九日にTPP首脳会合を開いたという状況です。しかしながら、トランプ次期大統領は十一月の二十一日に、大統領就任時にTPPを撤退する、そして、これからは二国間協議を進めると各国に通知をするというふうに発表しています。
 じゃ、本当にTPPはどうなるのかということでございまして、この絵にございますように、私は、基本的に今のTPPをこのまま通して成立させることはもう難しいと思っています。なぜならば、当初想定されていたのは、ヒラリー・クリントンが次期大統領になる、そしてオバマ大統領が辞められる一月までに、レームダック期間にTPPをアメリカでも批准してもらおうという計画だったはずです。それは恐らくもう無理です、間違いなく。アメリカ連邦議会の議員が交代するのが一月の三日ですから、それまでに処理しなきゃいけない。そして、その前にはクリスマス休暇があるという中で、私は無理だと思っています。今のTPPをそのまま通すのが難しい。
 では、何があるかと申しますと、一番上にありますように、TPPを否定するトランプ次期大統領が考えを変え、じゃ、TPPをやりましょうということになる、そして再交渉が始まるというのが一つの選択肢であります。私はこれも非常に難しいとは思っていますが、アメリカの話を聞いていますと、アメリカのTPP推進派は、財界の人たちですけれど、連邦議会をまず考え方を変えてもらい、議会から大統領、新しく次期トランプ大統領を説得してもらうような方法があるんではないかということを言っているそうでございます。
 そして、二番目にございますのは、アメリカが離脱をし、残る参加国、十一か国でTPPを進めるということ。私は、このままいきますと、この道になるんではないかと。我が国が批准をします、ほかの国と一緒に行きますよといったときに、アメリカが翻意をしない場合に十一か国だけでTPPはできてしまうことがあるんではないかと。そして、二番目にありますのは、米国は、トランプ次期大統領は二国間協定ですということを言っている、そして、それに対応するのであれば、日米の自由貿易協定、FTAという選択肢になるということで、私はこれは選択肢としてあり得ると思います。なぜならば、韓国とアメリカは日韓の自由貿易協定を結んでいます。そして、今我々が進めていたTPPも韓国とアメリカのFTAと同じレベルに達している。ですから、私はTPPで合意したものが日米のFTAで合意できないとは思っておりません。
 そして、三つ目の選択肢、これはアメリカを除いたFTAAP、アジア太平洋自由貿易圏をつくるということ、これはRCEP、東アジア地域包括的経済連携ということに進むわけでございますけれど、安倍総理に明確にしていただきたいのは、これから我が国がどの方向に進むのか、本当にTPPにずっと一点張りでやっていくのかどうか、その点を明確にしていただきたいと思います。お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま藤末議員から、藤末議員の御見識の下に様々な可能性についてシミュレーションをしていただいたと、こう思っております。その中で、現在この時点で私が申し上げられることについて申し上げたいと、こう思うわけでありますが、現状のTPPを推進している意味でございますが、これは、従来から申し上げておりますように、TPPには自由貿易を進化させる意義があるということでございまして、中小企業やそこで働く人々やあるいは農業者等々も含めて多くの人たちに利益が均てんされると。数年間の交渉を経て協定に結実したルールは、今後の通商交渉におけるこれはモデルとなるのは間違いないんだろうと思います。
 日本はTPP並みのレベルの高いルールをいつでも締結する用意があることを国会で承認すれば、国としての意思を示すものであり、他の交渉を加速させる力となるという意味において、この委員会においてTPPの批准をする意味はあると、現在でもそのように考えておりまして、同時に、まさに今自由貿易については岐路に立っているわけでありまして、米国の政権が政権移行期にある、また、世界に保護主義の懸念と動揺が広がっている中において、自由民主主義国家第二位の経済力を持つ日本がしっかりと意思を示していけば、これは、自由貿易を後退させないという意思を示さなければこれはまさに自由貿易は後退をしてしまうと、こう思っております。まさにここではぶれてはならない、速やかにTPP協定の御承認をいただきたいと、こう思いますが。
 そこで、TPPの再交渉については、従来から申し上げておりますように、再交渉はしないということでございまして、仮に米国から再交渉の要望があっても、それには応じる考え方はないわけでございます。
 米国抜きでの、ではTPPはどうかということでございますが、先月のペルーで開催されたTPPの首脳会合ではそのような議論にはならなかったわけでございまして、米国抜きではどうなるかということについてでございますが、これは大変微妙なバランスで成り立っているということも考えなければいけないわけでございまして、そのバランスが崩れてしまう。例えばベトナムは、国有企業についての制約を受けても、米国の市場ということの中で様々なことについて彼らも譲歩した。しかし、米国がなければまた考え方を変えなければいけないということもあって、そういう様々なバランスが崩れてしまうという問題もございます。
 そこで、TPPの今後の見通し、米国における見通しは、確かにこれは、藤末議員が御指摘になったように、非常にこれは厳しいのは事実でございますが、現段階で今後のことを全て予断することは政府としては差し控えさせていただきたいと、このように思うわけでございますが、今後とも粘り強くTPPの意義、価値について米国側に働きかけていきたいと、このように考えております。
○藤末健三君 是非、アメリカにアプローチするのであれば、例えばTPP首脳会合が十一月十九日にあったんですが、このときに共同声明は出ていないんですね。今まではずっと出ている、しかし出せなかった。私は、そこは一つの大きな問題でありますし、あと、失礼ですけど、総理はAPECで現オバマ大統領とは立ち話だけだったじゃないですか。本当にTPPを成立させよう、今のものを成立させようと考えた場合には、私は、やはりTPP首脳会合においてきちんと共同声明を出し、今のオバマ大統領にTPPを進めるべしということをおっしゃっていただくべきだと思います。
 また、残る参加国との連携というのが非常に重要だと思いますが、私はそれぞれ国の立場は違うと思います。先ほどベトナムの話をおっしゃいましたけど、カナダ、メキシコ、ペルー、オーストラリア、ベトナムなどは既にアメリカとはFTA若しくは貿易投資枠組み協定を結んでいる。一方で、マレーシアやベトナムなどは我が国と同様にアメリカとのFTAはありません。立場が違う中でやっぱり議論をしていかなきゃいけませんし、先ほど自民党の山田議員からも指摘がございましたけれども、日米のFTAをTPPと同時に議論すべきだと思っています、私は。これはトランプ大統領がおっしゃっていることですから。
 今までの議論でいきますと、多国間のものと二国間のものを同時に進めていいかどうかという議論がありましたけれど、例えば我々はASEANとFTAを結んでいます、自由貿易協定を。その中で、ASEANと議論しながらも我々は対マレーシア、ベトナムとの議論を進めてFTAを結んでいますので、私は二国間同時にやるということは可能だと思います、正直申し上げて。是非、可能性を否定せずに、もう全力を挙げてやはりきちんとこの経済連携協定のことをやっていかなければ国民の不安は払拭できないという。私は今のお答えでは払拭できないと思います。
 そして同時に、RCEPの話をちょっとさせていただきたいんですが、ちょっと画面替えてください、パネルを。
 私は、もう一つございますのは、RCEPの議論も進めるべきではないかと思います。こちらのように、TPPに参加している国、我が国を入れて七か国と、この東アジア地域包括経済協定、RCEPの対象国は七か国がダブっている状況。RCEPを見てみますと、実はGDPで世界の約三割、そして人口で約五割、そして非常に成長力が高い地域が入っています。
 我が国の経済を伸ばしていこうという考えの場合、このRCEPを進めていくという選択肢あると思うんですが、いかがですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) TPP協定に結実した新たなルールは、これはTPPにはとどまらず、RCEP、さらにはFTAAP等におけるモデルとなっていると考えています。二十一世紀の世界のスタンダードになっていくことが期待されるわけでありまして、我が国としては、RCEP交渉において、TPP交渉における成果も踏まえながら、質の高い協定の早期妥結に向けて引き続き精力的に交渉を進めていきたいと、こう考えております。
○藤末健三君 是非、韓国がやったように、韓国は同時多発型の交渉というのをしていまして、私、政権与党時代にこの経済連携協定の担当をしていましたので、韓国には何度も行きました。そして、韓国とアメリカの自由貿易協定、FTAの議論も実際に現場で話を聞いてまいりました。
 何があるかと申しますと、今、日本のEPAやFTAのカバー率は二二・七%、一方で韓国は六七・四%となっているという状況でございまして、大きく差は開いている。特にアメリカは非常に大きな市場でございまして、車については二・五%の関税が掛かっている。実はもう韓国は二〇一六年から、韓国からアメリカに輸出する車、もう関税はゼロになっています、段階的な廃止で。二・五%の不利を日本の自動車メーカーは被っているという中で、私はやはりこのTPP、先ほど多国でやった方がいろんな問題が軽くて済みます、原産地の証明も楽ですというのはおっしゃるとおりだと思いますけれども、ほかの国との競争があります、やはりイコールフッティングの。その状況を考えたときに、私はあらゆる手段をつくってやらなきゃいけないと思っています。
 私はやはり、安倍総理、是非ロードマップ作っていただきたいんですよ。韓国がこれだけのEPA、FTAを進めたというのは、二〇〇四年に彼らはそのロードマップを作り、失礼しました、二〇〇三年ですね、韓国はFTAロードマップというのを作って優先順位を付け、どういう手続で、どういう機関で何をやるかということを決めて進めています。その結果がこれです。
 我々も、二〇一〇年、民主党が、当時の民主党の政権時代に包括的経済連携に関する基本方針というのを作り、そしてロードマップを作ろうとしたのですが、これはちょっと行き着かなかった。ただ、是非このロードマップをきちんと示し、やはりいろんな方々に関係します、経済連携協定は。きちんと、こういう手続で日本は進む、TPPも同じくこういうふうに進むということを明示していただきたいというのがまず一つございます。
 そして、もう一つありますのはこの経済連携協定の手続の問題。やはり、共同通信が十一月二十六日、二十七日に行いました世論調査を見ますと、TPP関連法案などを今国会で成立することについては慎重にやるべきということが六九・四%。十一月二十六、二十七日の世論調査です。七割の人たちが慎重にやるべきだと。やはりいろんな調査を見ますと、TPPのことが理解できていないということが大きく出ています。
 私は、韓国の事例を申し上げますと、韓国は二〇〇四年に大統領訓令でこの自由貿易協定をどう進めるかという手続を決めている。その手続は何かと申しますと、交渉する前に公聴会を開きましょうと。そして、交渉前に研究機関できちんと分析をしようと。そして、交渉段階でも国民に広報するということを決め、そしてまた二〇一一年には、通商条約の交渉の過程を国会で報告するための法律、通商条約の締結手続及び履行に関する法律を成立させています、韓国は。
 やはり我々も今、民進党はこの通商交渉の情報を国会に報告させる法案を出しています。ですから、やはり国民の理解を進めるということがこのFTA、経済連携協定を進めることになりますので、是非それを対応していただきたいということを申し上げておきます。これはお願いします、国のためにも。
 次に、農林水産業の話に移らさせていただきたいと思います。
 十一月二十九日に政府は、農林水産業の地域の活力創造本部という、これは安倍総理が本部長をなされていますが、農協改革案を含む農林水産業・地域活力創造プラン、これですね、を策定されました。
 安倍総理におかれましては、この農協改革、二〇一五年には農協法の改正を行い、農協が株式会社になれる、そして二〇一六年十一月二十八日には規制改革推進会議が農協改革に関する意見を出し、そして自民党、公明党は農業競争力強化プログラムを出したという状況でございます。ただ、私はこれを読まさせていただいたんですけれど、いずれも、相互扶助そして共助というこの協同組合、これは国際的な原則です、相互扶助、共助という原則を軽視しているんではないかと見受けます。
 民間企業である協同組合の経営に対する過剰な介入があるんではないかということで、私は、今、地元は熊本でございまして、震災もあります。そして、熊本は牛を、たしか十五万頭ぐらいいる、全国で四番目に牛が多い地域でございまして、地震の災害で、例えば南阿蘇村というところがございますけれど、何と十軒の牛を飼っている農家がもう廃業するということをおっしゃっているというような状況でございます。多くの方々がTPPに対する不満をおっしゃっているんですよ。そして、農協がどうなるんだ、農家はどうなるんだということをおっしゃっています。
 そういう中で、私は、この不安に応えるためにも、私はきちんと農協の改革をやって、きちんとしていただきたい。それは何かと申しますと、我々民進党は、農協というのは協同組合という原則で自主自立であること、そのJAグループが農家のためにきちんと自己改革を後押しする。今、自民党が出されている、政府が出されているのは、例えば全農がどういう人を雇わなきゃいけないか、そして体制をどうしなきゃいけないところまで法律の根拠もなく提言し、それをフォローアップすると言っている。それは余りにも過剰な介入だと思います。
 我々民進党は、農協がきちんと農家の所得向上を図るのみならず、例えば生活であり医療であり福祉であり、そういう地域を支える機能を位置付ける、そういう農協法の改正を目指しています。その点については、安倍総理、どうお考えですか。農協の位置付けを是非お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 農協は、まさに今組合として、この組合員のために活動をする組織であろうと、こう思っているわけでございまして、今般の改革等についてでありますが、生産資材価格の引下げや、農産物の流通や加工構造の改革や、生乳の生産流通改革など、様々な改革を盛り込んだ農業競争力強化プログラムを決定をしたわけでありますが、このプログラムによって、生産資材価格を国際水準まで引き下げ、そして農産物の流通加工構造を時代の変化を踏まえて効率的なものにしていく。また、関係業界の再編が重要でありまして、国も再編に向けた取組、例えば肥料業者はもうたくさんありまして、この結果、なかなか肥料の値段が下がらないと生産性が上がらないという点もありますから、そうした再編には国も力を貸していくということであります。
 中でも、役割の大きい全農は、生産資材の買い方や農産物の売り方を改革すれば関係業界の再編も大きく動き出します。肥料や飼料を一円でも安く仕入れて、そして農産物を一円でも高く買ってもらう、そのための努力を全農が先頭に立って行えば、農家の皆さんの期待に応えることになると思います。これは我々が無理やりやるということではなくて、このプログラムは全農とも合意の上に取りまとめられたものであります。
 しかし、ただ、今、藤末委員が御指摘になられたように、今までやっていなかったことをやりますから、不安に思われている農家の皆さんもおられることは承知をしておりますので、我々も丁寧に御説明をしていきたいと、このように思うわけでございまして、いずれにいたしましても、平均年齢が六十六歳を超えているこの農業の世界においては、改革を行わなければ守ることができないという認識の下、しっかりと改革に共に取り組んでいきたいと思います。
○藤末健三君 私も、農協が農協のためにあるというのは改革必要だと思います。ただ、協同組合というこの共助のシステムというのは絶対維持しなきゃいけないということを申し上げさせていただきます。
 そしてまた、総理が農家の方々の不安を払拭するために全てを行うということをおっしゃっていただいたわけでございますが、今回のこの法律の中で、TPP対策法の中で、例えば畜産物の価格安定に関する法律、そして砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律は、TPPが動かなければ出ないという話になっています。
 私は、今、民進党のムダ遣い解消チームの副会長をさせていただいていますけれども、昨日TPP関連予算を聞きました。これは、TPPの大筋合意がありました秋以降、何と一兆二千億円のTPP対策費が積算されているわけでございます。そのうち農業予算は六千五百七十五億円でございますが、やはり見ていると、こんなの使うのかなというのもありますし、同時に、TPPで予算を付けているのに、米や牛肉などの国内価格が落ちたときにその補填をするというための法律、それはTPPが発効しなきゃ動かないという状況になっていまして、非常に違和感を感じております。
 もうちょっと時間がございますので提言だけ申し上げますと、やはり農家の方が絶対安心できるような農業政策を出さなきゃいけないと。我々は出していきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後でございますが、私は今回のTPPにつきましてはやはり三つの問題があると思っています。一つはやはり、守るべきものを守っていないんではないかというところ、農業の問題、そして支えるだけのことをしていない。そして二つ目に、取るべきものを取っていない。自動車の問題もやはり私は不十分だと思います。そして三つ目が、大きいのは、やはり情報の開示、あの黒塗りの資料やSBS米の調査とか、そういうものがあります。そして、もう一つ最後ありますのは、是非、安倍総理、もうこのTPPだけに縛られるのではなく、広いオプションを持ってやっていただくことをお願いしまして、私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)等に関する特別委員会質疑

11月24日に開かれた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)等に関する特別委員会で、安倍総理に対し質疑を行いました。

 

20161124TPPその1

 

まず私から、アメリカ抜きのTPPの可能性、また二国間協議を含めた、TPP以外のものを強力に進めるというシナリオについて質問したところ、

安部総理より、「TPPを進めていきながら二国間の自由貿易協定についてもしっかりとやっていく。同時に、RCEPが、レベルが低くならないように、まずはTPPのルールをしっかりと日本も批准しながら、これが一番ベストでスタンダードであることを、しっかり国際社会に見せた上でRCEPを進めていくべきだろうと思う。

TPPだけを見ているということではいけないと思うし、世界を大きく俯瞰しながら、と同時にTPPに対してしっかりと日本の信念を見せることも重要であろうと、考えている」旨の回答を得ました。

 

20161124TPPその2

 

また、パネルを使い、日韓の経済連携協定(EPA)・自由貿易協定(FTA)のカバー率の比較について、日本は二二・七%、韓国は六七・四%となっていることを示した上で、TPP、RCEP、日米韓FTAといった多国間の協議に懸けるのではなく、同時に二国間の、日米であり日中であり日韓の経済連携協定を進めるということを提言いたしました。

 

20161124TPPその3

 

安部総理からは、「我々は、日米のFTAというよりも、まずはTPPについてしっかりと更に粘り強く腰を据えて協議をしていきたいと考えている。EU、そして日中韓においては早期に妥結するように努力を重ねていきたいと思っている。」との回答を得ました。

 

20161124その4

 

最後に私から、「アメリカであり中国であり韓国という我々にとっては大きな貿易のカウンターパートに対して経済連携協定を結ばなきゃいけない、これが最大の課題だと思う。

 韓国と日本の一人当たりGDPの推移を比較し、韓国は一九九〇年末に通貨危機から国の立て直しを図り、圧倒的な勢いでアメリカやEUや、そして中国とのFTAを結んで、もうすぐカバー率が八〇%になる。そして、彼らのGDPと輸出の比率は五〇%ある。翻して我が国は、GDPと輸出の比率を見ると一六%であり三倍違う。
 私は、輸出による経済成長はまだまだ余力があり、
是非経済連携協定をもっと幅広くやっていただかなきゃいけないと思う」と述べた上で、

三つの提案として、「どういう国と優先順位を決め、いつまでに結ぶかということを明確にしたロードマップの作成。TPP対策本部ではなく、FTAも含めた対策本部の立ち上げ。そして、FTAの締結手続の定型化により、国会にきちんと通商交渉内容を公開する。

 是非ともこのようなロードマップを作り、明確な道筋を示し、TPPだけではなく広く交渉を進め、国民に分かりやすい交渉を進めていただくこと」をお願いいたしました。

当日の会議録は以下のとおりです。

 

 

○藤末健三君 民進党・新緑風会の藤末健三でございます。
 冒頭に、安倍総理におかれましては、外国の首脳で初めてとなるトランプ次期大統領との会談、そしてAPECの参加、TPP首脳会談、そして数多くの二国間の首脳会談、本当に御苦労さまでございました。敬意を表させていただきたいと思います。
 ただ、私は、このTPPに関しましては、安倍総理は二つの大きな過ちを犯していると思います。一つは、やはりこの大統領選挙でヒラリー・クリントン候補が勝つであろうということで一点張りをしたこと。そして、もう一つありますのは、今までの議論で分かりますように、TPPという多国間の経済連携協定に懸けていた。二国間の協定よりも多国間の協定に懸け、今も総理はTPPを続けていくんだ、交渉を続けるんだとおっしゃっています。ただ、私はこのTPPが一つうまくいかなければ、先ほどおっしゃっていただきましたように、RCEP、中国も入った枠組み、そして恐らく日中韓という枠組み、韓国、そのようにアメリカのみならず中国、韓国といった大きな貿易相手国の経済連携協定が止まるんではないかと非常に危惧をしています。この観点から、是非、このTPPの今後そして経済連携協定の今後をどうするかということを御質問させていただきます。
 是非、端的にお答えいただきたいんですが、私はこのTPPの今後の展開につきましては四つのシナリオがあると考えています。
 一つは、安倍総理が先ほどまでおっしゃっていましたように、今のTPPをこのまま進めていくこと。ただ、これは、TPPはアメリカが参加しなければ動き出しません。トランプ次期大統領、そしてアメリカの議会さえもTPPは進めないということを言っているという状況。私は可能性は低いと思っています、正直申し上げて。
 そして、もう一つございますのは、アメリカを含めてTPPの再交渉、もう一回交渉をやり直すという議論があると思いますが、これもやはり、大きく内容を変え、十二か国の賛同がなければ進められないんではないかということで可能性は低いと思っています。
 そして、三つ目にございますのは、TPPからアメリカを抜いて進めるんだという議論がございます。これはペルーのクチンスキー大統領や、そしてニュージーランドのキー首相がおっしゃっている内容。一般的には、TPPに六十数%のGDPを占めるアメリカが入らなければ余り意味がないんではないかという議論がございますが、先行してアメリカを除いてTPPを発効させ、後にアメリカを呼んではどうかということを言う研究者や国の首脳、おられるわけでございます。
 そして、四つ目にございますのは、TPPではなく、先ほども議論ございましたけれど、東アジア地域包括的経済連携、RCEPなど別の枠組みを進めるシナリオです。ただ、安倍総理は先ほど、RCEPは非常にレベルが低いんだと、TPPのようなレベルが高いものが必要であるようなことをおっしゃっておりますが、是非、安倍総理には本当にこのTPPはどうなるかという今後の展開を是非明確にお答えいただきたい。
 特に私が申し上げたいのは、三つ目のシナリオにあるアメリカ抜きのTPPの可能性、そしてもう一つありますのは、TPP以外の例えばRCEPであり、私は二国間協議を強力に進めるべきだと思いますけれど、そのTPP以外のものを強力に進めるというシナリオについて御意見をいただきたいと思います。お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変いい御質問をいただいたと思っております。
 TPPをここで批准するということは、これ決してRCEPそしてFTAAPに進んでいく道を閉ざすものではありませんし、あるいはそれを遅くさせるものでもございませんし、また、今御指摘になったように、二国間のFTAをこれは進めていかないということでもないわけでありまして、TPPを進めていきながら例えば日豪のFTAを、EPAを締結をしておりますし、カナダともやって、今まさに交渉中でございます。こういうことはしっかりとやっていきます。
 と同時に、RCEPが言わばレベルの低いものになってはいけないということを申し上げたわけでありまして、レベルが低くならないように、まずはTPPのルールをしっかりと日本も批准しながら、これが一番ベストですよ。というのは、先ほども申し上げましたように、環境や労働に対する規制もございますし、国有企業の競争条件の規律というものも入っています。知的財産の保護もあります。こういうものをまずスタンダードとしてしっかり国際社会に見せた上でRCEPを進めていくべきだろうと思いますし、RCEPは重要ですし、日本も積極的にこれは交渉を進めながらやっていきたいと思うわけでございまして、まさに藤末委員がおっしゃったように、日本もTPPだけを見ているということではいけないと思いますし、それだけではなくて、世界を大きく俯瞰しながら、と同時に、同時にTPPに対してしっかりと日本も日本の信念を見せることも重要であろうと、このように考えているところでございます。
○藤末健三君 パネル出していただいていいですか。(資料提示)
 是非、私、先ほどの議論をお聞きしていますと、総理はTPPをこのまま頑張り続けるんだというふうにしか聞こえないんですよ、正直申し上げて。それ、やはり先ほどおっしゃったように幅広く議論をしていただきたいと思っています。
 私、この日韓のEPA、経済連携協定、そしてFTA、自由貿易協定のカバー率の比較をちょっと見ていただきたいと思います。これを御覧いただきますと分かりますように、日本は今、発効したEPA、FTAのカバー率は二二・七%、一方、隣の国の韓国は六七・四%となっています。我々は非常に産業構造が似ている、例えば自動車であり電気製品であり鉄であり化学製品、非常に産業構造が似ている。まず、産業上は非常にライバルと言われる国でございますが、韓国は日本と同じ大体二〇〇二年ぐらいからこのFTA、EPAを進めてきたわけでございます。しかしながら、現在このような差が付いている。
 これはなぜかと申しますと、二〇一〇年、二〇一一年、私は当時の政権時代の民主党で経済連携協定の推進を担当していました。私は、韓国のは当時からもう進んでいましたので、韓国に伺い、いろんな話を聞いてきましたんですが、一番印象に残っているのは、韓国は同時多発型のFTA推進政策を取ったということでございます。一方で、我が国を見ますと、先ほど総理がおっしゃったTPP、そして日中韓経済連携協定、そして東アジア地域包括経済連携、RCEPといったマルチの、多国間の経済連携協定に非常に傾注している。一方で、例えば日本とアメリカの経済連携協定、日本と中国の経済連携協定、日本と韓国の経済連携協定の議論は全くなされていないんですよ、総理。貿易が大きい国から韓国はこのように中国、アメリカ、そしてEUと二国間のFTAを結んできたわけでございます。
 そして一方で、中国を申し上げますと、中国も非常にこのFTAは後進国でありますけれど、二〇一五年末のカバー率を見ますと三八%に達しています。日本の二倍近い。中国を見ますと、中国は全て二国間の自由貿易協定、FTAでやっているという状況でございまして、私は、ここの場において、やっぱり先ほどおっしゃっていただいたように、TPP、RCEP、日米韓FTAといった多国間の協議に懸けるのではなく、やはり同時に二国間の、日米であり日中であり日韓の経済連携協定を進めるということをおっしゃっていただきたいと思っています。そうしなければ我々のこの経済連携協定の大きな枠組みは進まないと思いますが、いかがですか。特に私は、日米の経済連携協定、TPPと同時にですよ、やっていただくことを提言しますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、先ほど申し上げましたように、TPPだけではなくて、まさに藤末委員がおっしゃったとおりでございまして、我々は、このTPPだけではなくて、例えば今、日EUのEPAの交渉も精力的に進めておりまして、年内に何とか大きな枠組みで合意をしたいと、こう考えておりますし、また、本年は日中韓の首脳会談を行うことが予定されているわけでございます。韓国がああいう状況ではございますが、何とか日中韓の首脳会合を実施したいと、こう思うわけでございますが、その際、日中韓のFTA交渉においてもしっかりと進めていくということで一致をしていきたいと、こう思っているわけでございます。
 また、コロンビアとかトルコとの二国間の経済連携協定も積極的に今取り組んでおります。先般もコロンビアのサントス大統領とも首脳会談を行ったところでございます。
 そこで、では米国と、TPPではなくて米国と二国間のFTAを結べばよいではないかということを、考え方をお示しになられたわけでございます。ここは、我々はまずはTPP、次期大統領があのような声明を出しましたが、この日米の、日米のFTAというよりも、まずはこのTPPについてしっかりと更に粘り強く腰を据えて協議をしていきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、今、表を示されましたが、EU、そして日中韓においては早期に妥結するように努力を重ねていきたいと、このように思っております。
○藤末健三君 さっきのパネルももう一回出していただいていいですか。
 総理、私が申し上げているのは、コロンビア、トルコの交渉をしていただいているのは存じ上げています。しかしながら、やはり大事なことは、貿易で大きな国、アメリカであり中国であり韓国であり、EUは本当によくやっていただいたと思っています。ただ、大きな国をしなければ韓国と日本の競争という環境が整わないと思うんですよ。実際に、EUは本当に総理に頑張っていただき、恐らく来月には大筋合意ということでございますけれど、韓国とEUのFTAはもう五年前に動いているという状況、そしてアメリカとのFTAについてはもう四年前から動いているという状況。その間、ずっと日本の企業は関税の壁に阻まれ、特にEUとの関係においては、自動車は一〇%近い関税、そしてテレビは一五%の関税で非常に苦戦をしているという状況はまだ続いている。
 私は、是非この二国間の協定も進めていただかなきゃいけないと思っています。なぜかと申しますと、冒頭でTPPに一点懸けをしたがゆえに中国や韓国との経済連携協定が動かなくなったのではないかということを申し上げましたが、私がいろんなこの経済連携協定の担当の人たちと話していますと、こうおっしゃるんですよ。TPPでまずアメリカとの間の経済連携協定はできます、TPPが動けば中国はそれによってRCEPを動かし、多分レベルが高くなるでしょう、そして韓国はTPPができればそれに入っていきます、だから、TPPでアメリカが入り、そしてRCEPに圧を掛け、中国が動き、そして韓国がTPPに入ってくる、だから大丈夫なんですよという話を私は説明を受けていました、政府から、実は。多分そうだと思います、今多くの方々のお考えは。
 しかし、それがヒラリー・クリントン一点張りで懸けたがゆえにTPPも止まりそうな状況になり、私は大きく戦略の転換をしなきゃいけないときが今だと思います。それについて総理はいかがお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、このTPPと同様のRCEPやFTAAPについては、これは同時に我々も進めているわけでありますし、日EUのEPAも、これはTPPとは別にしっかりと進めております。そこで、また日中韓もこれは進めておりますし、日本がこれを、日中韓を止めているということは決してないということは、これははっきりと申し上げておきたいと思います。
 そこで、二国間と、ではこのようなメガFTAとどう違うかといえば、これはもう藤末委員はよく御承知のように、サプライチェーンを今構築をしていく上において、多くの国々が作る部品を集めていろんな製品を作っておりますから、このサプライチェーンを考えたときにTPPのようなものがよりこれはふさわしいわけであります。
 また、それぞれの国々と個別にFTAを結んでおきますと、これ、中小企業にとっては大変なんですね、一つの国ごとにこれなかなかいろんな手続が違いますから。それはもう御承知のとおりであると思いますが、その意味において、TPPやあるいはRCEPやFTAAP型、あるいはまた日EUといった形の方がこれはむしろサプライチェーンから考えればいいのだろう。しかし、だからといってバイのFTAを軽んじているわけではないわけでありまして、この組合せをしっかりと、藤末委員の御指摘も頭に入れながら対応していきたいと、このように思っております。
○藤末健三君 確かに、おっしゃるとおり、多国にわたるサプライチェーンがあるのでマルチの方がいいというような議論は分かります。ただ、冒頭で申し上げましたように、アメリカであり中国であり韓国という我々にとっては大きな貿易のカウンターパートに対して経済連携協定を結ばなきゃいけない、これが私は最大の課題だと思うんですよ、まずは、サプライチェーンの云々の問題よりも。
 これ、韓国と日本の一人当たりGDPの推移の比較でございますが、青が韓国、赤が日本になっています。ドルベースで書いてございますけれど、これを見ていただきますと分かりますように、韓国は一九九〇年末に通貨危機が起こり、それから国の立て直しを図った。それからも圧倒的な勢いでアメリカやEUや、そして中国とのFTAを結んで、EUとも結んで、もうすぐカバー率が八〇%になろうという勢いでございます。そして、彼らの今GDPと輸出の比率は五〇%あるんですよ。私が二〇一一年に韓国に行きましたときに覚えていますのは、一兆ドル突破記念となっていました、当時。翻して我が国は、GDPと輸出の比率を見ると一六%であります。三倍違う。
 私は、いろんな経済政策があると思いますけど、やはり輸出による経済成長はまだまだ余力があると思うんですよ。そのためにも是非経済連携協定をもっと幅広くやっていただかなきゃいけないということでございます。
 ちょっと最後のパネルをお願いします。
 もう時間もないので、私からちょっと御提案を申し上げます。民進党、批判の政党ではなく、提案の政党でございますので、提案させていただきますと、三つございます。
 一つございますのは、ロードマップの作成。これは、韓国は二〇〇三年にロードマップを作っています。それは何かというと、どういう国と優先順位を決め、いつまでに結ぶかということを明確にした。当然のことながら大きな国とやりましょうということです。
 そして、FTA対策本部を作りました。今、我が国はTPP対策本部、TPPだけを見ているんですよ。ほかの二国間協定どうなっているかということがございます。
 そして、もう一つございますのは、FTAの締結手続の定型化ということでございまして、韓国においては、二〇〇四年に大統領訓令、そして二〇一一年には通商手続の公開をするための法律を作っています。そして、国会にきちんと通商交渉内容を伝える、そして国民に公開する。
 我々はもう既に通商交渉の情報を開示するための法案を国会に出しています。是非ともこのようなロードマップを作り、明確な道筋を示し、そして先ほど申し上げたようにTPPだけではなく広く交渉を進め、そしてもう一つ最後、国民に分かりやすい交渉を進めていただくことをお願いしまして、私の質問を終わらさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

 

 

財政金融委員会質疑(金融機能強化措置法案)

11月24日に開かれた財政金融委員会で金融機能強化措置法案に対する質疑を行いました。

 

20161124その1

 

まず、麻生金融担当大臣に「どのようなリスクに対応するため今回の改正案が必要か」質問したところ、「セーフティーネットをきちんとしておく立場から、金融機能の安定を確保する観点に立ち、今回の法案を提出させていただいた」旨の回答を得ました。

 

20161124その2

 

また、日本銀行の中曽副総裁に対し、国債を抱えすぎる日銀自身が金融危機を引き起こす原因となるのでないかと質問しましたが、きちんとした答弁はいただけませんでした。

 

20161124その3

 

そのほか、この法律を使って、中小企業の方々向けの融資がしっかり行われるよう、武村内閣府大臣政務官ほか政府に対し、要請いたしました。

 

20161124その4

 

さらに、ゆうちょ銀行、かんぽ生命に対する規制等の在り方を見直し、地域にお住まいの方々の利便性向上に資するよう、取り組みを求め、政府からも前向きな答弁を得ることができました。

 

当日の会議録は以下のとおりです。

 

○藤末健三君 おはようございます。
 本日は、金融資本市場をめぐる情勢の変化に対応して金融機能の安定を確保するための金融機能強化のための特別措置法案について御質問申し上げます。
 まず冒頭に、麻生金融担当大臣に御質問をさせていただきます。
 今回の法律案は、八月に閣議決定されました未来への投資を実現する経済対策において盛り込まれましたリスクへの対応のための施策の一つでございます。確かに、イギリスのEUからの離脱やアメリカの大統領選挙の結果などを見ますと、今後の世界の政治経済、その日本に与える影響は読みづらいものがあると思います。しかしながら、かつて世界金融危機や欧州の債務危機、また東日本大震災のような事情が生じているとは言い難いと思います。
 足下の金融システム、金融機関経営にも大きな問題が生じていない中で、どのようなリスクに対応するため今回の改正案が必要であると考えておられるか、麻生大臣にお伺いさせていただきます。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、藤末先生御指摘のとおり、ただいま、今の状況で日本の金融機関というものがいわゆるちょっと怪しいんじゃないかとかそういうことではなくて、総じて健全性を維持しているということは世界でもきちんと認められているところだと思っております。
 したがいまして、あのリーマン・ブラザーズのバンクラプシー、リーマン・ブラザーズの破綻とかそういったようなこととか、何でしょうね、あのときはもう完全に市場からキャッシュがなくなりましたのでああいった形になりましたけれども、東日本大震災のときとか、ああいったような状況とは異なるというのは今間違いなくそうだと思いますが、しかし、今日本の場合を見ますと、少子高齢化とか、それからいわゆる構造改革をやらにゃいかぬとか、いろんな形で私どもとしてはいろいろの問題を抱えておりますし、確かに雇用とか所得の改善が随分進んだことは確かだと思いますけれども、まだまだ、これだけ上がったにしては個人消費が伸びないじゃないかとか、企業の設備投資がいま一つじゃないかとか、いろいろな問題がありますのに加えて、世界的に見てドルがこれだけ上がると、そうですね、百円切るかという話が百十円までぼんと来る話になりましたので、そういったような状況というのは、これは新興国から、キャピタルフライトとは言いませんけれども、金がどっとドルに流れるという状況というのは十分に考えられますので、そうなりますと新興国というのは総じて短期で金回している国が多くて長期で回しておりませんので、それをまた一挙に資金繰りがという話になると、これどうなるかというのは、ちょっと、今、トランプ出てまだ二週間、よく分からないんです、正直なことを言って、何が起きるか。株屋なんて全部下がると思って売ったのに翌日になったら千円も上がるんだから、もういいかげんな話の極みなんですから。
 そういった話では、こういったようなリスクというのがもう少し顕在化してきておりませんので、私どもとしては今の状況としてはもしものことを考えておかなきゃならぬというので、私どもとしては五年間というのをやらしていただいております。これでどうなりますか、ちょっと正直分からぬので、衆議院ではこれを恒久化しろとかいろんな御意見が別段なかったわけではありませんけれども、いずれにしても、セーフティーネットというのを私どもはきちんとしておかないとならぬ立場にありますので、金融機能の安定を確保するという観点から、今回、五年という形をさせていただいたというのが背景でございます。
○藤末健三君 私も、この法律の延長については賛成です、個人的には。なぜかと申しますと、リスクというのは予測できないからリスクということでございますので、もし予測できるのであればもうリスクと言えません、正直申し上げて。ですから、大きな、将来予測できないものが来るために備えるということについては大きく賛成させていただきます。
 私は、前の委員会でも配付させていただきましたけれど、財政危機時における法制度の枠組みというのを配らさせていただきました。
 この中で、左側に金融の安定化ということを書かさせていただきまして、このローマ字のⅠの3.の(2)、「資本」の強化とございますが、民間金融機関の資金繰りを確保するために予防対応として金融機能強化法がある、そしてまた預金保険法による金融機関の資本強化がある、また預金保険機構がいろいろな様々な金融機関を支えていくという仕組みがあるということで申し上げています。まずこのような金融の危機のリスクに対する対応の一つだと私は位置付けさせていただいています。
 しかしながら、金融の危機の対応という意味では、この資料の上に書きましたように、日本銀行が非常に大きな役割を果たすと私は考えております。
 この金融の安定化ということを大きな目的とする日本銀行が今どのような状況にあるかといいますと、私は余りにも多くの国債を抱え過ぎており、非常に安定した経営ができる状況にないのではないか、もう既に、というふうに考えておりますけれども、例えば、金融がおかしくなったときに何が起きるかと申しますと、恐らく私は国債の価格が落ちることが気になります。そのときに巨大な国債、四百兆円ほどの国債を抱えた日本銀行のバランスシートがおかしくなり、本当にそのときに日本銀行が金融システムの安定化を図ることができるのかどうか、それについて是非、中曽副総裁、お答えいただきたいと思います。
○参考人(中曽宏君) 日本銀行の金融システム安定化の機能についての御質問であるというふうに思います。
 金融システムについてでありますけれども、実際今から十九年前、一九九七年十一月でありますけれども、一月の間に四つの金融機関が連続破綻をいたしました。日本の金融システムが最もメルトダウンに近いときとして、当時その危機対応に従事していた者としても記憶に鮮明に残っているところでございます。現在の日本銀行の金融システム安定化のための施策は、こうした実際の過去の危機の経験を踏まえたものでございます。
 具体的には、個別の金融機関に対して考査やオフサイトモニタリングを行い、業務運営の実態ですとか各種リスクの管理状況の把握に努めてございます。そして、いわゆるマクロプルーデンスの観点から金融システム全体としてのリスク分析の評価を行っております。さらに、システムリスクの顕在化を回避するために、必要に応じまして最後の貸し手機能を発揮して、一時的に資金が不足した金融機関に対して資金供給を行うこともございます。
 そして、お尋ねの日本銀行の財務との関係についてでございますけれども、現在私どもは長短金利操作付き量的・質的金融緩和を行って、この下で国債の買入れを実施しておりますけれども、昨年には債券取引損失引当金の拡充を行いますなど、日本銀行の財務の健全性にも留意しているところでございます。
 なお、日本銀行は、保有国債の評価について償却原価法を採用してございます。このため、金利が上昇したとしても、決算上期間損益において評価損失が計上されることはございません。ちなみに今年の三月末では、日本銀行の保有国債については十五兆円の含み益となってございます。仮に金利が今後上昇して含み損が生じる可能性がございますけれども、中央銀行には継続的に通貨発行益が発生をいたしますので、信認が毀損したり、あるいは機能が発揮できなくなるということはないと思っております。すなわち、財務の健全性に十分留意しつつ、金融システムの安定化も含めて中央銀行として必要な施策を行っていくということでございます。
○藤末健三君 済みません、副総裁の任期って予定何年ですか、残り。多分あと二、三年残っているんですかね。一年半ですか。いや、すごい無責任だな。
 大丈夫だとおっしゃっていただきましたけど、ちょっと裏のこの資料を見ていただけますでしょうか。これ、図一がマネタリーベースを書いてあり、図二がBSですね、資産規模、中央銀行の。これを見ていただきますと分かりますように、今時点で大体日本はマネタリーベースGDP比で八〇%に来ていると。これ、図一ですね。そして、図二を見ていただきますと、日本銀行はこのマネーサプライをするために何をやっているかというと、自分の資産規模をどんどんどんどん増やしているわけですよ、国債を買い入れて。ほかの国の中央銀行に比べて異常であることがこの図二を見ていただければ分かると思います、正直申し上げて。
 私が申し上げたいのは、日本銀行はその会計基準が時価会計じゃないから大丈夫ですよということをおっしゃいましたけれども、銀行というのは恐らく誰に信頼されるかということに懸かっていると思うんですよ。私は、会計基準が違うから大丈夫ですよといっても、あなたはそうは思うかもしれませんがほかの金融機関は思いません、ほかの投資家は思いませんという世界が生まれてくるんではないかなということが疑問でありますし、また、副総裁に申し上げたいのは、このマネタリーベースが今GDP比で八〇%近くになっている状況、また、国内の債務、GDP比でもう二〇〇%を超えようという状況になっているという中、この状況は過去の日本のどういうタイミングとほぼ同じだと思いますか。お答えください。
○参考人(中曽宏君) これは先ほど申し上げましたように、日本の経済というのは、九〇年代の銀行危機、そしてデフレの危機を通しまして大変難しい状況にありますので、私どもが今やっている金融政策というのは過去には類例のない極めて大規模な金融緩和でございまして、日本銀行としては、物価安定の目標をできるだけ早期に実現することを目指して強力な金融緩和を推進した結果としてこの規模の拡大というのが生じていると、このように理解をしてございます。
○藤末健三君 副総裁、わざわざお越しいただいて、真摯に議論しましょうという前提で申し上げているんですけれど、本当にきちんと答えていただかなければ、もっとどんどんどんどん私、申し上げますよ。
 先ほど申し上げたような状況、マネタリーベースでGDP比八〇%近くになっている、そしてまた国内の債務がGDP比で二〇〇%を超えるような状況というのは、一九四五年ですよ、これ。そこで何が起きたかという。ですから、一九九七年の状況をおっしゃいますけれど、私はもっとひどい状況が来るんじゃないかということを心配しています。日本銀行さんが暴走していると私は思っています、正直申し上げて。
 その中で、いや、安全ですよ、安心ですよというふうにおっしゃいますけど、お聞きしますけど、イグジットどうするんですか。全く今まで示されていないじゃないですか。これだけどんどんどんどんマネタリーベースが膨れ上がり、そのマネタリーベースは日本銀行のバランスシートをどんどんどんどん悪化させていく。じゃ、将来どうなるんですかということに対しては、いや、分かりません、目の前のことで頑張りますというふうにしか聞こえませんけれど、まず一九四五年との比較についてどう思うかということと、今後のイグジットをどのように考えているか答えてください。
 今、この九月に、私は読ませていただきましたけど包括的検証、全く日本銀行の経営についての見解がほとんど書いていないじゃないですか。新しいことをします、新しいことをします、それは結構かもしれませんけれど、先ほど麻生大臣がおっしゃったように、リスクはどんどんどんどん膨れ上がる。そのリスクは何かというと、金融機関じゃないですよ、中央銀行のリスクだと私は思っています。いかがですか、その点について。
○参考人(中曽宏君) 今回の難しさというのは、これ世界的にもそうなのですけれども、特に日本は先行してそういう問題に直面したと思いますけれども、銀行危機、そしてデフレ、そして人口問題ですね、その下で趨勢的に潜在成長率が下がってきた中、その中でどうやって一定程度の経済成長を促してインフレ率を上げていくか、そういう極めて難しい問題を他の先進諸国に比べても先行して直面をしているというのが、現在の大きな、一九四五年当時と比べての特徴ではないかと思います。
 そして、先生お尋ねの出口でございますけれども、私ども、将来、長短金利操作付き量的・質的金融緩和からの出口に当たりましては、二つの課題がある。一つは、金利水準の調整をどうしていくか。そしてもう一つは、拡大した日本銀行のバランスシートの扱い、これをどうするか。この課題でございます。
 その上で、これらのことを実際にどういうふうに進めていくかというのは、これはその時々の経済・物価情勢、金融市場の状況などによって変わり得るものでございますので、したがいまして、早い段階から具体的なイメージを持ってお話しすることは適当ではなく、市場との対話という観点からもかえって混乱を招くおそれが多いと考えておりますが、そう申し上げた上で、金融政策を担う日本銀行は、これはテクノクラートの集団でもございますので、これまでの様々な経験を通じまして出口における手法、手段、これを考えていく知見の蓄積は進んでいるというふうに思っております。
 ただ、現時点におきましては、自分たちとしては、デフレを克服して出口を語ることができる状態に至ることがまずもって先決であるというふうに考えてございます。
○藤末健三君 何か戦時中の大本営発表を聞いているような状況じゃないですかね、本当に。そして、戦争が終わり、まさしく先ほど申し上げたような一九四五年の状況になってしまったということでございますが、先ほどの副総裁のお答えだとほとんど総裁と変わらないですよ。何も答えていないという状況じゃないかと思います。
 ただ、私が申し上げたいのは、この新しいリスクに対応する、見えないリスクに対応する法律は非常に重要だと思いますけど、私が実は御質問したいと思っていますのは、本当にこの規模で大丈夫かどうかというのが実はあると思っています。補正予算で予算規模を増やせばいいという議論はあるかもしれませんけど、どうかという議論と、あと、日本銀行が準備金、たしか四千五百億ですか、積み増したという話だと思いますけれど、足りるのかなというのが非常に今疑問でございまして、最後は政府が保証するから大丈夫だという議論もあるかもしれませんけど、そのとき、恐らく国債が暴落したような状況のときには、日本政府さえも恐らく保証能力がなくなっているのではないかというふうに考えますので、私は、もう何らかの方向性を示していただかなければ、示すことによって混乱が生じるということではなく、示すことができないからどんどんどんどん崖っ縁に向かって走っていくというようなことになるのではないかと私は思います、私は。余りにもちょっと、もう少しまともなお答えいただけると思って期待していましたのにちょっと残念であります。
 実際に、じゃ、法律の方の議論をさせていただきます。
 この金融機能強化法、これは平成十八年に二行が資本参加の申請をしたのみでございましたけれど、世界の金融危機を受けた平成二十年の改正で申請件数は増加しております。また、東日本大震災直後の平成二十三年の改正では被災地金融機関向けの特別措置も設けられましたので、多くの金融機関が利用しているということでございます。
 ただ、平成二十年の改正におきましては、中小企業金融の円滑化に資することが要件と明確化されましたが、資本参加額に見合った中小企業向けの貸出しの拡大、それも単に貸出残高だけでなく、借り手である中小企業の立場に立った経営支援、助言等につながっているかどうかというのが重要なポイントとありますが、これまでの実績をどう評価されているか、武村政務官にお聞きします。
○大臣政務官(武村展英君) 委員御指摘のとおり、国の資本参加を受けました金融機関につきましては、単に中小企業向け貸出しの拡大だけではなくて、中小企業の生産性向上などにつながるような経営支援や助言などの取組を行っていくことが重要であると考えます。
 こうした観点から、金融機能強化法におきましても、金融機関に対しまして、経営強化計画において、中小企業向け貸出残高のみならず、取引先における経営改善支援先の割合についても目標値を設定し、その達成に向けて取組を求めているところでございます。現在、資本参加を行っている十五金融機関における経営改善支援先の平均割合につきましては、平成二十八年三月末現在で一二・二二%であり、各金融機関の資本参加直前期末の割合、四・七八%ですが、それと比べまして七・四四ポイント増加しているところでございます。
 中小企業支援の具体的な取組を申し上げますと、例えば、取引先企業の販路開拓支援や外部専門家と連携した製造工程の改善支援、さらには、債権放棄を含む抜本的な事業再生支援といった取組を行っていると承知をしております。国の資本参加を受けました金融機関につきましては、こうした取組を通じまして、各地域における中小企業金融の円滑化や地域経済の活性化への貢献に向けて努めているものと考えております。
 金融庁といたしましては、経営強化計画の履行状況のフォローアップなどを通じまして、引き続き、金融機関に対しまして地元の中小企業の支援や地域経済の活性化に向けた積極的な取組を支援してまいりたいと考えております。
○藤末健三君 どうもありがとうございました。是非、中小企業に対する金融の強化、やっていただきたいと思っています。
 実は私、昨日、埼玉県の川口に伺っていまして、そこでちょうど、キューポラの町、鋳物の町でございますので、そういう金属加工されている経営者の方にお会いしました。そこで言われましたのは何かと申しますと、信用金庫などからお金を借りたいと思って信用金庫に行くと。ところが、信用金庫の人たちはお金貸しますよと言っても、信用保証協会に行って、お金が返せない場合に担保を取ってくれる信用保証協会というのがあるわけでございますが、信用保証協会に行って断られてお金が借りられなかったと。これでは逆じゃないかと。信用金庫はお金を貸すと言っているのに、信用保証協会、これはまあ地方自治体などが運営しているものでございますけれど、そこが貸出しを決めているのではないかというようなことを聞いてまいりました。
 これも直さなきゃいけないとは思うんですが、大きな観点からして、そこは金融庁にお聞きしたいんですけれど、是非とも、この担保があって保証がなければお金貸しませんよというような日本型の金融、これを変えていき、事業性の評価とかその将来性に基づく貸出しを行うという取組を進めていただくわけでございますけれど、この低金利の時代の中で金融機関の収益力が低下する中、そのような中小企業などに対する貸出しをどのように進めていくかということをちょっと教えていただきたいと思います。
 もし可能であれば、先ほど申し上げた川口の事例、信用金庫などがお金を貸すと言っても信用保証協会のオーケーが出ずにお金が借りられなかったという事例、もし御存じであれば、そういうものに対する対応も教えていただきたいと思います。遠藤監督局長、お願いします。
○政府参考人(遠藤俊英君) 藤末委員御指摘のように、地域金融機関が金融仲介機能というものを地域において円滑に発揮していくために、中長期的に持続可能な経営戦略というものを策定していただきたい、それを実行していただきたいということを地域金融機関と議論しているところでございます。
 具体的には、担保、保証に依存する融資姿勢を改めて、取引先企業の事業の内容とか成長可能性を適切に評価、すなわち事業性を評価し、融資や本業支援等を行うことを通じて地域の産業、企業の生産性向上の促進を図ることが求められていると思いますし、そういった方向で金融機関がまさに動こうとしているのかどうかということを議論しているところでございます。
 そういった中で、今、信用保証協会の信用保証の御指摘がございました。我々も、信用保証というものを、担保、保証に依存しない融資ということが進められているかどうかという形で信用保証協会とどういった形で彼らは協力しているのか、いわゆる融資に係るリスクシェアを地域金融機関と信用保証協会は適切に分担して円滑な仲介機能というものを発揮しているのかどうかという、その実態を今把握しようとしております。
 信用保証制度に関しましては、今、中小企業庁の審議会の方でその在り方について議論しているところでございまして、我々もそこに参加して、新たな信用保証制度そのものを確立する際に、その制度の中身、あるいはその制度の執行の段階においてどういった形で地域金融機関が自分たちの責任において適切なリスクシェアを取り、地域の企業に対する仲介機能というのを発揮しているかということに関して、実態把握とともに適切な方向に信用保証制度及びその執行が行えるように議論してまいりたいというふうに考えております。
○藤末健三君 是非、信用保証協会の議論はしていただきたいと思うんですよ。
 私は前に経済産業委員会でこれ指摘したことがございまして、何かというと、信用保証協会、自治体が経営しているんですよね、例えば大阪府にあると思ったら大阪市にもあると。そうすると何が起きるかというと、企業は一番信用保証が取りやすいところに移っていくんですね、運用が一体でないために。
 かつ、そのとき何があったかと申しますと、今は変わったかもしれませんが、当時はほとんどの信用保証協会のトップ、自治体の副知事とか助役をした人たちがなっていたんですよ、天下りポストだった。そういう方々が本当に金融が分かるかという問題を指摘させていただき、抜本的見直しをやりましょうということを提案させていただいたんですが、正直申し上げてまだ終わっていない状況でございますので、是非金融庁におかれまして、金融のサイドから、中小企業のサイドではなくて金融のサイドからきちんと事業を評価し、そして資金を新しいイノベーション、新しい事業に提供することを進めていただきたいと思っておりますので、是非遠藤局長には頑張っていただきたいと思っております。
 そういう中で、私が心配していますのが、日本の最大の銀行でありますゆうちょ銀行についてでございます。
 ゆうちょ銀行は日本で最も大きな銀行で、かつ全国にネットワークがある。二万五千近くの銀行ネットワークを持っています。その中で、今、この日本郵政には公益性の発揮、そして地域性の発揮というものを法律で課している状況であります。
 今、様々なゆうちょ銀行の活動に対して束縛が入っておりますが、私は是非とも、ゆうちょ銀行が地域のため、そして公益のために活動できるように、もう少しきちんとした監督そして規制をやっていただきたいと思います。今、他の金融機関を守るためにゆうちょ銀行の足を縛り、ゆうちょ銀行を利用されている方々が利便を本当に得ているかというと、私は逆だと思うんですね。そのことについて是非監督局長の見解をお聞かせください。お願いします。
○政府参考人(遠藤俊英君) ゆうちょ銀行も我々金融庁の監督対象でございます、民間金融機関としてですね。
 このゆうちょ銀行は、上場企業に求められる企業価値向上を目指して、平成二十七年四月に公表いたしました中期経営計画に、大きな業務、彼らのビジネスの方向性として三つのことを掲げております。一つは、資金運用を高度化すること、一つは、これは藤末委員が御指摘のように、郵便局ネットワーク、これを十分に活用して優れた金融商品を販売していくこと、それから地域金融機関との連携といった、こういう方向性を明示しているわけでございますけれども、これを着実に実施して、収益拡大につながるビジネスモデルというものを確立することが重要ではないかなというふうに思っております。
 ゆうちょ銀行は、新規業務の申請をしてそれを承認するという形で様々な業務の拡大をしているわけでございますけれども、新規業務の承認を得まして、彼らは、投資事業有限責任組合、ファンドでございます、これへの出資が可能になりました。実際には、地域金融機関等と連携して地域活性化ファンドへの出資を通じて地域におけるリスクマネーの供給を行っている、あるいは行いつつあるといった状況にあるというふうに承知しております。
 こういった取組によって、ゆうちょ銀行が企業価値向上を図るとともに、地域経済の活性化に貢献していくことが重要ではないかなというふうに考える次第でございます。
○藤末健三君 郵政、あと、ゆうちょ銀行も方向性が大体もう固まってございますので、金融庁も是非、ゆうちょ銀行の資金を地方のため、そして利用者のために使うということを進めていただきたいとお願いさせていただきます。
 続きまして、生命保険契約者の保護機構に対する政府補助の規定の今後の在り方について質問をさせていただきたいと思います。
 生命保険契約者保護機構による経営破綻時の資金援助につきましては、本来、生命保険業界の事前拠出により財源を賄うというのが大前提でございます。事業者たちがお金を持ち寄ってやっていこうということでございます。
 一九九〇年代後半に経営破綻が頻発したことで財源不足が心配され、そして政府保証や政府の補助の規定が設けられています。現在は、平成二十年、大和生命保険が経営破綻をした以降は新たな破綻事例はなく、業界の事前拠出も相当額積み上がっている状況となっています。また、資金調達に当たっての政府保証規定は既に恒久措置となっており、この上に政府補助規定が必要かどうか改めて検討しなきゃいけないと思いますが、見解いかがでございますでしょうか。池田総務企画局長にお聞きします。
○政府参考人(池田唯一君) ただいま御指摘ございましたように、生命保険契約者保護機構の資金援助は、まずは限度額四千億円の生命保険会社による事前積立てが行われ、次に限度額四千六百億円の保護機構による政府保証付き借入れが充てられ、それでも足りない場合に一定の要件の下で政府補助ができるということになっているわけでございます。このように、政府補助は、業界の負担ということを基本としつつ、業界の負担のみでは対応できないような不測の事態に対応を講じるという観点から設けられているものでございます。
 御指摘のとおり、足下、生命保険会社の破綻事例はなく、また事前積立ても一定程度積み立てられてきているところではありますが、現在の金融経済情勢などを踏まえまして、生命保険契約者保護機構のセーフティーネットとしての役割を安定的に発揮させ、保険業に対する信頼を維持していくためには、政府補助規定の存在が引き続き重要と判断をいたしておりまして、このため、今般この措置の延長をお願いしているというものでございます。
○藤末健三君 どうもありがとうございます。
 では、それではまた私、郵政についてちょっとお聞きしたいんですが、かんぽ生命は地域に根差し、様々な金融のユニバーサルサービスを担っているわけでございますが、今、かんぽ生命は、何というか、政府保証があるんじゃないかという誤解があります。
 そういう中で、様々なこういう制限を受けているわけでございますが、実は生命保険保護機構に支払っている保険料を見ますと、かんぽ生命非常に大きな額を払っているんですね、ほかの生命保険と一緒に。そういう中で、私はやはりイコールフッティング、ほかの生命保険と同じような規制をきちんとして、もっと緩めていただきたいと思うんですが、その点、いかがでございますか。
○政府参考人(遠藤俊英君) かんぽ生命の業務に関しては、先ほど郵政グループ及びゆうちょ銀行について申しましたけれども、この持続可能なビジネスモデルというものをどのように確立しているのかという観点から見ております。その中で、例えば彼らが新規業務なんかを行いたい場合に、それがまさに持続可能なビジネスモデルというような観点から適切なものかどうかということを確認して、議論しながら承認をしているということでございます。
 現在、このかんぽ生命というのは、郵便局における金融のユニバーサルサービスの提供において非常に重要な役割を担っていると思いますし、まさに郵便局ネットワーク等を用いて、かんぽ生命というのはかなり、全国レベルで非常に魅力的なといいますか、適切な金融サービスを行っているのではないかなというふうに思っております。例えば、郵便局におきましては、かんぽ生命の保険商品というものを民間保険会社の商品と併せて提供しております。多様な顧客のニーズへの対応に取り組んでいるのではないかなというふうに考えている次第でございます。
 かんぽ生命のそういうビジネスの実態、及びそれが彼らの適切な業務、それから他の金融機関との競争条件の確保というようなことも踏まえて今規制があるわけでございますけれども、そういった観点で様々な要請というものが満たされているかどうかということを確認しながら、かんぽ生命と議論を続けていきたいなというふうに思っております。
○藤末健三君 是非、遠藤局長にお願いしたいのは、金融機関の競争環境の設定とかいろいろ、経営の安定化とかあると思いますが、私はやはり、今地域においてこういう保険のサービスを本当に山奥まで提供できるのは、僕はかんぽ生命しかないと思うんですよ、正直申し上げて。本当に今、例えば、田舎の局でかんぽ生命が、郵便局が生命保険商品を売れなくなったら、その地域の方々は恐らく生命保険のサービスを受けれなくなると思いますよ、私。
 ですから、是非ともお願いしたいのは、利用者の利便性を考えていただきたいんですね。利用者が本当に金融商品をきちんと受けれるようにできるか。都会に住んでいる方々はいっぱい商品を買えるけれど田舎にいる方は生命保険の商品買えませんということがないように、是非金融庁は配慮をいただきたいと思います。これはお願いです。
 ちょうど時間来ましたので、最後、これは登録させていただいていませんけど、中曽副総裁にちょっと御質問させていただいてよろしいですか。
 私は、日本銀行、今中曽副総裁に今日御質問申し上げましたのは、もう黒田総裁はもうメンツがあって恐らくかじ切れないなと思うんです、正直言って。ただ、私は、中曽副総裁はプロパーの方でもあられますし、是非日本銀行の将来をやっぱり心配していただきたい。
 そして、もう一つありますのは、やはり日本国をもっと、日銀が中心となって経済問題に提言していただきたいと思うんです。今は金融政策というところに縛られたことしかおっしゃっていませんけれど、私は財政問題にも発言していただいていいと思います、これだけ国債買っているんですから。そして同時に、お金を投資する先をつくらなきゃいけない。そのためにも、成長戦略にも私は日本銀行が発言してもいいと思っています。それが一つです。もっとマクロの経済政策を提言していただけるんではないかということ。
 そして、もう一つございますのは、日本銀行がイグジットをするときには新しい立法が必要だと思うんですね、私は。恐らく今の日銀法のままでだけではできないと思っています、私はですよ。ですから、表では言えない、ここでお答えいただく必要はないですけれど、是非、表に出さなくてもイグジットを想定した検討は是非、日本銀行内部そして関係する人たちとの間で議論を進めていただきたいと思います。
 前者の、総合的な経済政策を日本銀行が検討することについてお答えいただきたいと思います。お願いします。
○参考人(中曽宏君) 私どもの今の金融政策は、元々、二〇一三年一月に政府との共同声明の中にうたわれてございます金融政策、大規模な金融政策、そして財政政策、財政政策といった場合には、短期的には景気刺激的な財政政策と中期的には健全財政を目指すということ、そして三番目がいわゆる成長戦略でございます。
 私どもの三年間の経験というのは、金融政策、我々精いっぱいやってきたつもりでございます、我々、責任を持ってデフレ克服に向けていろいろな対応策をやってきたつもりでございますけれども、最初に申し上げましたような低成長ですね。やはり人口減少とかデフレの影響というのが根強く残っておりますので、私どもからすると、特に私、過去のいろんなスピーチでも既に申し上げておりますけれども、成長戦略、これによって潜在成長率を引き上げる、それによって自然利子率が上がる、それによって金利水準が今よりは少し正常な状態に戻っていく、こういった道筋は是非とも私どもとしても、金融政策を運営する立場からも必要だと思っておりますので、今後も適宜発信を私からしてまいりたいと思っております。
○藤末健三君 是非お願いします。これで終わります。

財政金融委員会質疑(消費税増税再延期法案)

11月17日に開かれた財政金融委員会で消費税増税再延期法案に対する質疑を行いました。

 20161117財金委その1

消費税増税を先送りしたのは財政再建を先送りしただけであって、将来のリスクを高めたものだという前提に議論いたしました。

 20161117財金委その2

日銀の黒田総裁に対し、「金融政策のみならず経済政策全体を総括するような対応が必要でないか」質問したところ、「潜在成長率を中期的に引き上げていくために必要なのは、資本ストックの増加、労働投入の増加、生産性の上昇が重要で規制緩和あるいは制度改革というものを通じてイノベーションを促進し、さらには労働生産性を上昇させていくということが重要である」との回答を得ました。

 20161117財金委その3

また、財務省と日本銀行の連携強化について質問したところ、麻生財務大臣より、「人間関係をきちんとつくっておくというのが一番大事だ」との回答を得ました。

20161117財金委その4

最後に、郵政消費税の非課税措置の必要性について、大塚拓財務副大臣に質問いたしました。

 20161117財金委その5

当日の会議録は以下のとおりです。

 

○藤末健三君 おはようございます。民進党の藤末健三でございます。
 本日は、本当に二日前に登壇しろという指示をいただきまして登壇させていただくわけでございますが、本日、この国の大きな役割であります社会保障や教育、子育てを支えます消費税の議論をさせていただくことは非常に有り難いことだと思っております。精いっぱい私の考えも述べさせていただき、麻生大臣、そして黒田総裁のお考えも伺いたいと思います。
 私は、基本的に今回の消費税の増税の先送りは反対しております、自分の考えとして。安倍総理は、本年五月の伊勢志摩サミットを受けまして、二〇一七年四月から予定されていました消費税増税を二年半後の二〇一九年十月へ先送りするという決断をされました。そして、今回この消費税増税の延期法案が出されたという形でございます。
 そのときに、安倍総理は、今は増税できる環境にはないという新たな判断をされたわけでございますが、確かに、当時、不安定化するヨーロッパの共同体の問題や、あとバブルや過剰設備などの問題があります中国経済、世界の大きな経済リスクが高まりつつあるという判断だったと思いますが、私は、日本の経済、潜在経済成長率は大体一%弱と言われておりますが、それと同程度の経済成長は実現できていると思っております。消費税増税が短期的には需要を奪うということはあるとは思いますけれど、中長期的には経済が混乱するということは、私はなかったんではないかと思います。
 私は、問題となりますのはやはり消費税の問題、この問題は、やはり経済成長が低いことにあるんではないかと考えています。よく言われますのが、少子化、高齢化において国内市場が縮小するからしようがないという声がございますけれども、私は、やはりこの消費税を財源として、国内の需要が高い例えば介護、医療、そして子育て、教育といったところに資金を回すことにより、この教育の問題、介護の問題、医療の問題、そして格差の問題や貧困の問題を解決し、私は経済成長を生めると思っております。
 今回、消費税増税を先送りにしたということにつきましては、私は財政再建を先送りしただけであって、将来のリスクを高めたものだというふうに考えております。それを前提に是非議論させていただきます。
 まず、麻生大臣にお聞きしたいんですけれども、アベノミクス、三本の矢というものがございますが、私は政権与党時代に、実は金融緩和政策をやるべしということを政権内で唱えていました。ただ、なかなか内部を説得することができず、実現できなかったわけでございますが、そういう意味では、私は、金融政策、初めのうちは私はうまくいったと思います。今はもう限界を超えていると思っています、正直申し上げて。後でそれは議論させていただきますが。
 金融政策がある程度常識の範囲で収まっているうち、成果を出しているうちに、私は、やはり残り二本の矢、財政政策はある程度やっていただきましたけど、一番大きい成長戦略そして産業の構造改革ができなかったんではないかと、十分には、そのために増税をできる環境じゃなくなったというふうに政府が判断したんではないかと思いますが、麻生大臣はどのようにお考えですか。お願いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 安倍政権でこれまで三本の矢ということでいろいろやらせていただいてきたんだと思っております。例えば、財政政策につきましては、これは財政健全化というのを確実に進めなければならぬという状況にあります一方で、時々の状況に応じて例えば補正予算をやりました。就任、安倍内閣が二回目のスタートをした後、直後の平成二十五年の一月には、いわゆる事業規模で約二十兆二千億の緊急経済対策をしておりますし、最近も事業規模で二十八兆五千億になります経済対策をこの八月にやらせていただいておりますのは御存じのとおりです。
 また、構造改革につきましても、コーポレートガバナンスなどの改革でやらせていただいたり、成長志向の法人税の話もさせていただきましたし、それから、農協もいろいろ騒ぎありましたけど、六十年ぶりの改革。また、観光も等々いろいろ、法務省いろいろありましたし、ほかのところもいろいろあったんですが、ビザの発給条件というのを緩和して、外国人観光客は従来八百万が昨年二千万と。それから、最近で、電力の小売市場も大きなものだったとは思っていますけど、いろんな分野で財政政策とか構造改革やらせていただいておりますので、十分ではないんではないかということは、十分って何をもって十分とされておるか分かりませんけれども、少なくとも、今までに比べればはるかに構造改革、財政政策というのは機動的に進ませていただいて前に進んだと思っております。
 それから、消費税引上げの延期につきましては、これはもう世界経済というものが、いろいろな意味で新興国の陰りなんかが出てきておりましたし、需要が低迷しましたし、成長というものからいったら減速リスクというものがかなり懸念されるという状況の中で、これ今、御存じのように、各個人においては個人消費が低迷しているという状況にあることなどを勘案して、これはサミットにおいてもあらゆる政策を総動員するという条件が付けられて、総合的かつ大胆な経済対策を講ずるということを七国で打ち合わせたのに併せて判断をさせていただいたと思っております。
 いずれにいたしましても、社会保障の一〇%の引上げというのは、これはもう御指摘のとおり、社会保障の持続可能性というものを確保を図る上ではこれはもう必要不可欠だというのははっきりしていると私どもはそう思っておりますので、政府といたしましては、二〇一九年の十月の消費税の引上げが可能な環境というのを確実に整えていくと、これが一番重要なところだと思っておりますので、そのためにも、未来への投資を実現する経済対策を始めといたしまして、強い経済というものを実現を目指すために経済財政運営というものを今後とも万全を期してまいりたいと考えております。
○藤末健三君 私が申し上げたいのは、構造改革も進めていっていただいていると思いますけれど、今日ちょっと主題でございます先ほど大臣がおっしゃった個人消費が低いということはすごく問題だと思います。
 私は今日お話ししたいのは、やはり、後でデータを見ていただきますけれど、中間層はすごく収入が落ちている、資産も落ちているという状況の中、ここに刺激を与えない限り私は消費が増えないと思っておりますので、その中間層に消費の刺激を与える、そのためには財源が必要でございますので、その財源として私は消費税があり得るという話をさせていただきたいと思っています。
 私は、この七月、選挙をさせていただきましたけれど、そのとき私は、やはり消費税増税により社会保障や子育て支援、教育を支持するという主張を自分の党、所属しています民進党が出せないかと思っておりましたが、それができないという状況になりました。それはもちろん私の力不足だと思っています、正直申し上げて。
 しかしながら、やはりこの社会保障を充実しますという中で何が大事かというと、財源どうするかという議論がやっぱり置き去りになっているんではないかなと思っております。実際に国民の皆様の関心事を見ますと、年金、介護、医療、教育、子育てという形がもう上位に並んでいる。じゃ、それだけの財源どうするんですかという議論がまだなされていないというのが非常に大きな議論でございまして、私は、やはりある程度政治的な決断がどこかで必要になるんではないかと思っています。
 例えば、二〇一六年度予算におきましては、社会保障費が三十二兆円のうち、十七兆円が消費税でございます。また、今、国民負担、所得当たりの国民負担率が、二〇一三年、一四・六%のうち、社会保障の負担率が一七・五%と、消費税が七・二%、あと個人所得が七・八%、法人所得が五・四%、あと資産課税が三・七%となっておりまして、この消費税がこれからある程度、ほかの国を見ますと、例えば、イギリスですと消費税一四・八、ドイツですと一三・九、スウェーデンは一八・八という形で、非常に消費税、付加価値税も含めまして、非常に大きに財政を支える基盤となっているわけでございますが、私はやはりこれから消費税が財政を支える基盤になるんではないかと思います。
 私は、先ほど経済の問題を指摘させていただきましたのは、この消費税の増税の問題として、私はやはり経済活性化がマイナスになるんではないかと私は思っております。アベノミクスが始まって三年が経過したわけでございますが、実質経済成長率は大体〇・六から〇・七という形になっています。こういう中におきまして、将来安心できる社会保障制度を構築しまして、そして、私は今大きな問題は格差だと思います。今回のアメリカの大統領選挙、そして様々な国で行われている選挙におきまして、格差や貧困の問題、そしてまた教育の問題、子育ての問題、様々な問題がございます。
 そこで、国民の皆様が安心できる制度をつくっていくこと、社会をつくることが大きな課題となるわけでございますけれど、私はやはり今は、後で議論させていただきますように、金融緩和だけが先行し、お金を、マネーを供給すればデフレから脱却できるというデフレ政策はもう壁にぶち当たっているのではないかと私は思っています。
 今お手元にお配りした資料をちょっと御覧になっていただきたいんですが、これは一橋大学の小塩教授が作られた資料でございます。二〇一四年の家計調査から作ったものでございまして、年間収入別にどれだけアベノミクスの期間に、この三年間、二〇一三年から二〇一五年間に収入が増えたかというパーセンテージを示しています。その比較としまして、二〇〇二年から二〇一二年、これをアベノミクス期以前と書いてございます。
 これを見ていただきますと分かりますように、七百万円以上の収入の方々、この二〇一三年から二〇一五年、アベノミクス期と書きましたけれど、七百万から一千万の収入の人は一・〇%の収入増、一千万から一千五百万の方は〇・一%、一千五百万以上の方は〇・二%増えている。そしてまた一方で、三百万から四百万の間の年収の方が大体アベノミクス期間に〇・八%収入が増えているというわけでございますが、四百から五百万の間の年収の方々はこの三年間にマイナス〇・九%と減っているわけでございます。
 そしてもう一つございますのは五百万から七百万の間の収入の方々、マイナス一・一%ということで収入が落ちている。この収入の方々の所得が、消費が増えなければ、私はなかなか経済は成長しないんではないかと思います。いろんなデータがございますが、これは家計調査に基づくデータになっています。
 そしてもう一つ、次のページを見ていただきたいんですが、これは資産分布の変化ということでございます。こちらの方を見ていただきますと分かりますように、貯蓄残高別の資産がどれだけ増えたか、これもまた同様にアベノミクスの期間を二〇一三年からこちらのは一四年にしておりまして、そしてアベノミクス期間の以前、二〇〇二年から一二年の間を比較しています。
 これを見ていただきますと分かりますように、貯蓄残高が三千万円以上の方々は二〇一三年から一四年の間に三・三%資産が増えていると。一方で、先ほど収入別で大きく落ち込みがありました貯蓄残高が大体七百万から一千万の方々、マイナス一・〇%です、二〇一三年から二〇一四年にかけまして。また、貯蓄残高が一千万円から千四百万円の間の方々はマイナス〇・九%、そして千四百万円から二千万円の貯蓄残高の方々はマイナス〇・六%ということでございまして、ちょうど中間層の方々の資産も減っているという状況になっているわけでございます。
   〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕
 この世の中に何が必要かと申しますと、やはり私は二極化がどんどんどんどん我が国でも進んでいるということのまさしく証明だと私は思います。世界的に今グローバル経済の問題、あとはIT化の推進、進展により、なかなか高い給料の仕事と、そして機械や例えば外国人労働者に取って代わるような単純労働の給与の格差がどんどん開いているというのは世界的な動きだとは思いますけれども、我が国におきまして、やはり政府の役割をもってこれを正していくことをしなければ、私はやはり政治というもの、そして国というものが安定しないのではないかと思っております。
 こういう中におきまして、私はちょっとお聞きしたいのは何かと申しますと、これ黒田総裁にお聞きしたいんですが、日銀はこの九月に総括的検証をされましたけれども、是非、金融政策のみならず経済政策全体を総括するようなことをやれないかということをお聞きしたいんですが、いかがでございますか。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の総括的検証の中で、実は、日本銀行が過去三年半やってまいりました量的・質的金融緩和、そして一月、今年の一月に導入を決定しましたマイナス金利、これらの効果を分析をいたしておりまして、そういう意味では包括的な分析になっておりますので、その中で実体経済の状況も分析をいたしております。ただ、政策面では確かに金融政策以外の財政政策であるとか構造政策についての分析は行っておりません。
 ただ、その上で申し上げますと、やはり御指摘のように、長期的に見ますとどのようにしてこの潜在的な成長率、成長力を引き上げていくかということが極めて重要であるということは指摘をしております。
○藤末健三君 ありがとうございます。
 総裁にお聞きしたいんですけれども、その総括検証の中に、構造改革や成長力強化に向けた取組によって自然利子率を高めていくことが重要であるというふうに書かれているわけですよね。これはさっき私が言ったことと全く同じでございまして、三本目の矢、構造改革、そして成長力強化、これはまさしく成長戦略なんですよ。それが必要と、全く私と同じ考えだと思います。
 具体的に何か想定されていますか。教えていただけませんか。
○参考人(黒田東彦君) まず前段の自然利子率という概念でございますが、これは特定の国の経済にとって、その景気を加速も減速もさせない中立的な実質金利の水準でありまして、それはその国の経済が持っている潜在的な成長力、いわゆる潜在成長率によって規定されているというふうに考えられます。
 御指摘の潜在成長率を中期的に引き上げていくというために具体的に何が必要かというと、やはり三つに分類できると思います。
 一つは、資本ストックを増加させる。そのためには、企業における前向きな投資を様々な形で促していくということが必要であろうと思います。二番目は、労働投入を増加させる。これは、このところかなり女性の就業率、労働参加率が高まっておりますけれども、女性や高齢者などの労働参加率を高めるということも引き続き重要であろうと思っております。そして最後に、何よりも生産性を上昇させるということが重要でありまして、これについてはやはり規制緩和あるいは制度改革というものを通じてイノベーションを促進し、さらには労働生産性を上昇させていくということが重要であろうと。この三つの策によりまして潜在成長率を高めていくということが重要ではないかというふうに思っております。
   〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕
○藤末健三君 まさしく総裁からは、教科書に書かれたような、資本ストックを増やす、労働力を増やす、あとイノベーションを増やすという経済成長の三要素をおっしゃっていただいたわけでございますが、それを日銀の方からある程度具体的な数字をもって提案できないんですかね。
 恐らく、金融緩和をします、資金を増やしますよと。じゃ、後でまたさせていただこうと思うんですけれども、お金どこに流れているかというところまでウオッチしていただかなければ、金融緩和の効果って計れないんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○委員長(藤川政人君) 黒田総裁。
○藤末健三君 いや、いいですよ。これ、要らないです、もう答え分かっていますから。と私は思うんですよ。
 ですから、金融緩和しましたよ、じゃお金どこに行っていますかといったら、私は、お金は血だと思っています、肉体で言うと。どこかに動脈瘤みたいなのがあって、血がたまっているんじゃないかと思うんですよね、どんどんどんどん不要なところに。じゃ、筋肉に行っていますか、筋肉に行っていませんと。設備投資はそんなに増えていない。じゃ、労働者の方々の給与は増えていませんと。その中でまた金融緩和をしてどんどん血を投入しても、動脈瘤が大きくなって最後破裂するんじゃないかという、私はそう思います。
 私は、実は、日銀法改正のときは、日銀法改正するべきじゃないと思っていました、正直言って。独立性は要らない、極論すると。世界の潮流と反しますけど、私は、やはり財政政策と金融政策は表裏一体であるべきだと思います。資金を提供し、それがどこに流れるかというのを同じ思想の下で、同じコンセプトの下でコントロールしなければ、一方お金どんどんどんどん流すけど、結局どこに流れているんですかと。じゃ、片方は一生懸命流れる先を変えていこうと、新しい血管を作ろうと構造改革をされる、イノベーションを起こそうとしても、血が届かないんじゃないかなという、私は今それが現状じゃないかと思います。トリクルダウンということで資金供給量を増やし、どんどんどんどんお金は増えているものの、それが設備投資に行っているか、個人消費に行っているかというと、私は、答えはノーじゃないかなと。
 ちょっと登録していませんけれども、私は、是非とも金融政策を担当する日銀さんと財務省の統合的なやっぱり運用みたいなものが必要じゃないかと思っています、正直言って。法律上できませんという答えになるかもしれませんが。
 また、日銀法の四条にはこう書かれておりまして、政府との関係を密接に行って意思疎通を図って行えと、政策をとあるんですけど、麻生大臣、いかがですか、この考えにつきまして。財務省と日銀の連携を強くするというのは……
○国務大臣(麻生太郎君) 可能性。
○藤末健三君 はい、やっていただくということについていかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 人によると思うけどね。日銀の総裁と金融担当大臣、財務担当、財務大臣との人間関係によって極めてスムーズにいったこの三年間。最初、白川総裁のときは結構大変でしたよ。その頃を知っている人いるけど、結構大変でしたよ。民進党の後を受けて、えらい迷惑しました、正直。物すごい凝り固まっておられましたから。はっきり言ってすごく時間が掛かりましたよ。
 結果として、日本銀行、金融政策間違ったと認めてください、明らかに金融収支が間違いでしたと認めてくださいと、そこからスタートですから、それはなかなか大変でしたな、正直申し上げて。結果的に認めていただいて、日銀との間に共同声明というのをやらせていただいて、何かアコードとかいう名前も出ましたけれども、ホンダ自動車の広告するつもりはありません、そう言ってやめてもらいました。共同声明という表現に変えていただいて、それで、結果としては、すんなりそれが出すことになったんですけれども、今言われましたように、日本銀行と財政を担当いたします我々との間の意思疎通が、アメリカのFRBと、ファイナンス、何というの、財務省との間の関係も、これは極めて連携を密にするというのは、今でも中央銀行総裁会議と財務大臣会議という共同で開かれる会議がよく世界中やっていますけれども、私ども、その人間関係をきちんとつくっておくというのが一番大事なので、法律だけ一緒にしても、そこの意思疎通ができなければ全然話にならぬと思っておりますので、そのコミュニケーションが大事かなと思っています。今、日銀、金融庁、財務省、結構頻繁にいろいろやらせていただいております。
○藤末健三君 白川総裁については余り申し上げる立場じゃないんですけれども、大臣のおっしゃることもよく御理解させていただきます。
 私は、先ほど麻生大臣がおっしゃいました政府、日銀の共同声明、これは平成二十五年一月の二十二日に出していただいたものでございますが、まさしく内閣府と財務省と日本銀行が一緒に出していると。
 私は、ここでちょっと提案させていただきたいのは、この共同声明を出していただきましたけれど、今回、総括検証の中におきまして、私は、日本銀行は大規模な目標セッティングというか、政策変更したと思っています、私は、正直申し上げて。もう長期金利のターゲッティングをしますよという話は、ちょっと私は正直否定的ではございますが、変更された中におきましてこの共同声明も見直すべきではないかと思っておりますが、この点につきまして、日銀若しくは政府からお答えいただければと思います。お願いします。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の二〇一三年一月の政府、日本銀行の共同声明では、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のためにそれぞれが果たすべき役割というものを明確に定めております。すなわち、日本銀行は金融緩和を推進し、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現する、これを目指す。一方で、政府は成長力の強化に向けた構造政策を進めるとともに、機動的な財政運営を行いつつ、中長期的に持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進するというふうにされております。
 こうした役割分担は引き続き妥当なものであり、この共同声明自体について何か見直しが必要とは私どもも現時点では考えておりません。
○国務大臣(麻生太郎君) 政府といたしましても、金融政策という面でいきますと、これは緩和的な金融環境を最大限に利用させてもらって、未来への投資を実現する経済対策を決定したところでもありますし、また、働き方改革を着実に進めるということで構造改革の推進にもしっかり取り組んでいるところでもありますので、今直ちに見直しを行う必要があると私ども考えているわけではありません。
 経済成長の実現というのは、これも御指摘のあったとおりなので、政府と日銀との連携というのはこれ極めて重要なのであって、これは共同声明にのっとって、これはこれまでのところ、少なくともこの三年数か月、緊密な連携というのを取らせていただいたおかげで、金融政策、財政政策、金融の方が行き過ぎているんじゃないかとか、白眞勲先生の御指摘にもありましたように、金融政策だけが先行しているということもありませんし、財政も結構私どもとしてはそれなりに、時間が掛かるのは財政の方だと思いますので、少々時間が、効いてくるまでに時間が掛かるのは確かですけれども、そういった意味では、金融政策、財政政策、構造改革を総動員して今一体となってやらせていただいておる最中ですので、直ちに今共同声明というのを書き直すとか修正するという必要を感じているわけではございません。
○藤末健三君 そこで、経済政策と申しますか、成長戦略について申し上げますと、ちょっと資料の、ページ振ってございますかね、三ページ目をちょっと見ていただいてよろしいですか、三枚目。サービス産業の所得を上げ、輸出型産業のイノベーションを興し経済を成長させるという図でございます。これは、大和総研のエコノミストの熊谷さんの資料をベースに作ったものでございます。
 これは何かと申しますと、縦軸が生産性でございまして、一人当たりどれだけの言い換えれば収入があるかということになります。横軸が経済波及効果ということでございまして、数は乗数効果でございまして、この数が大きければ大きいほどほかの産業に対する波及が大きいということになります。この円の大きさが雇用の数になります。
 どういうことかと申しますと、右の方に運送用機械というのがございます。これを見ていただきますと、乗数効果が大きいところにありまして、そして生産性というのが一五〇ぐらいにあるということであります。これはもう一般的に自動車のことを指しています。何かと申しますと、自動車産業が調子よくなれば、ほかのところの産業に波及する効果は大きいということになります。一方で、乗数効果一・五ぐらいの上にありますこのピンク色の丸い円が何かと申しますと、これがサービスになります。これ見ていただきますと分かりますように、雇用が非常に大きく、かつ乗数効果はそれほど大きくない。
 もう一つございますのは、生産性が低いということでございまして、一つ私が御提案申し上げたいのは、社会保障に予算を回すということの裏返しでございまして、例えば医療や介護や教育、また環境とかいうものがございます中に、ここに政府の資本を投入することにより、この円の生産性、収入を上に上げていくと。そうすることによって、大きな規模の雇用を生んでいるこの円の部分の収入を増やすことによって、先ほど申し上げました中間層の収入を増やし、そして消費を増やすことができるんではないかというのがまず一つございます。じゃ、その原資どうするのかというときに、私は、消費税ではないかなと考えています。
 一方で、黒田総裁、麻生大臣もおっしゃっていたイノベーションという話でございますけれども、そこはやはり輸送用機械、化学、電気というものが乗数効果が高く生産性が高いところにありますけれども、彼らはグローバリゼーション、まさしく世界で闘っていただいているわけでございますけれども、ここでやはり世界でも唯一日本だけしか造れないようなものをどんどん造っていただいて輸出していくという、この二つが私は大きな柱になってくるんではないかと思っております。
 特に、サービス産業の話を申し上げますと、政府のお金を例えば一千万円予算を使ったときにどれだけ雇用が生まれるかという統計が厚生労働省から出ています。例えば公共事業の場合、一千万円の予算を使ったときに生まれる雇用は大体〇・九人です。やはり土地を買ったり、あと建設機械のリース代とかいろいろなコストが掛かっている。一方、介護とかを見ますと二・四人ぐらいあるんですね。約三倍弱です、公共事業の。
 当然のことながら、人件費の割合は非常に大きいということもございますけれども、何を申し上げたいかというと、公共事業も非常に重要ですけれども、介護とか医療とか教育という人件費の割合が大きなところに予算を付けることによって、その人件費が雇用を生む効果、そして収入を増やす効果が非常に大きいという、そういう話でございます。ですから、このようなサービスの分野に国の資金を投入し、そして中間層の収入を増やすということを私はやるべきではないかということをずっと申し上げております。
 ただ、そのときに、やはり財源がどうなるのかということでございますが、今回、消費税の増税ということが先送りになったわけでございますが、私は、消費税の増税の財源をきちんとこういう介護や医療、そして教育、子育てといったニーズが高い分野に回すことにより、雇用を生み出す効果、そして働く方々の収入を上げ、消費を増やす効果があるんではないかと、そのように考えております。
 私、麻生大臣に是非御意見をいただきたいなと思いますのは、私は、やはり冒頭で申し上げましたように、この社会保障、教育とか、政府から有権者の国民の方々はもう与えるものを増やしてほしいと、それは当然でありますけれども、私は、どこかでその分負担をしてくださいねということを言わざるを得ないと思うんですね。私は、やはりいいことだけを言って、こういうものを提供します、サービスを提供しますよと言って負担を求めないということは、私はポピュリズムに近いんじゃないかと思うんですけど、麻生大臣のお考えを是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは最初に、今何でしたっけ、民社党じゃない、民進党、民進党になられる前の三党合意のときも、社会保障と税の一体改革というのが大前提ですから、おっしゃっているとおり大前提なんだと思っているので、別に、その点に関して私どもも全く同じ意見であります。
 それで、今この話で、ボストンに、前歴見ていたらボストンに住んでおられたというので、アメリカの北の方のところなんですけれども、このサービスの生産性向上という話をしているんだと思いますけど、例えば東京で伊勢丹というデパートに行ったとします、三越でもどこでもいいけど。それとボストンの、メーシーズでもどこでもいいですよ、デパートに行ったとするよ。はい、どっちが安い、ねえ、と言いますよ。まず、いらっしゃいませと誰も言わないよな。いねえんだもの、人が、だろう。誰も聞きに来ないよ、あなた一人だけですよ。自分で探して、買ったとしても荷物も包んでくれないし、はいと渡されて、後は自分で袋に入れて詰めて帰る。生産性が上がるってそういうことですよ。給料安いもん、それ。生産性めちゃ上がりますよ、それで。そのサービスで日本が通るかね。真剣に考えてみた方がいいよ。
 僕はよくこの話をするけれども、僕はもうサービス業の生産性って、サービス業でアメリカ人に日本が負けるわけがないと思っていますよ。だけど、その求め方のレベルが全然違いますから、だから生産性が上がらないというんですよ。だけど、人を減らさせてくれと言ったら、どんとそれだけはできるよ、生産性は一挙に上がる、人が減るんだから。生産性は上がるけれども、お客はそれでというと、逆に、安いから消費するかといったら、あんなサービスの悪いところで買わないわという話になったら元も子もないですから。
 だから、そこのところはもう商売した方というのは、役人やったのと違うんだから、難しいのを知っているんですよ、みんな。だから、これはもう非常に難しいというものだと思っていますので、私はこの分野は、日本というのはめちゃくちゃ今後伸びていく、世界の中で、医療にしてもおもてなしにしても、例えば加賀屋が台湾に行って大成功したり、多くの会社が成功しています。セブンイレブンですら海外で成功していますから、そういった例を見たら分かるんだけど、間違いなく伸びてきますよ、この部分は、日本という国が。
 だから、今までと違った状況になってきていますという点もよく考えて言っておかないといかぬなと思っておりますので、いずれにしても、雇用誘発効果というものが主要産業の中において高いという分析があるというのはよく承知をいたしております。
○藤末健三君 大臣、ちょっとこれ済みません、生産性という書き方が悪かったと思うんですけど、これはなるべく効率的にサービスを落として安くやりましょうというよりも、どちらかというと、その個人個人の収入単価みたいな意味なんですよ。ですから、生産性というと何か同じお金でもっと働けというイメージですけど、逆にこれは、同じ仕事であっても給料が上がれば実は生産性が上がるというそういう統計でございますので、そこはちょっと御理解いただきたいと思います。
 ただ、私は、先ほどおっしゃっていただきましたように、デパートとかいろんな飲食店のサービスは日本が格段にいいと私も思います。これは何かと申しますと、私は、例えば介護にしても医療にしてもやはり日本はサービスがいい、教育も私は日本の方が優れていると思います、正直申し上げて。やはり優れているものに対するきちんとしたお金を、収入を得ていただくというのが、今、私は大事じゃないかということを申し上げます。
 特に何が大事かと申しますと、この右側にあります輸送機器や電気機械や化学は、産業波及効果は大きいんですけど、結局、世界と戦わなきゃいけない。ですから、全く、ここで働く方々は、何があるかと申しますと、単純な労働をしているとそれが海外の労働者に取って代わられるという世界にある。ただ、実はこの介護とか医療とか教育の問題につきましては、実はその代替性がない、貿易代替性がない、貿易できないものでございますので、国内に閉じていますので、実は我々がきちんとした資金を供給することによって、単純に生産性という言葉をちょっと言い換えますと、所得が増えることになります。それによって経済を回すということでございますので、是非ちょっと御理解いただきたいと思いますし、是非、こういう、私はこのマップいつも使って人には説明しているんですけれども、やはりこの成長戦略ということの概念の大きなやっぱりコンセプトを是非日銀そして財務省、そしてほかの省庁とも共有してやっていただければ国民にも分かりやすいのではないかと、私は思っております。
 ただ、こういう状況の中におきまして、経済成長政策は申し上げましたが、今回消費税の増税の延期ということになったわけでございますが、この消費税増税の延期により、私はこの財政が維持できるかどうかということも非常に大きな問題ではないかと思います。
 この点につきまして、財務大臣、麻生大臣と日銀黒田総裁にお聞きいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、日本の財政というものは、簡単には三分の一、約三十兆円というものはまあ借金です。したがって、社会保障関係費は予算全体の三分の一というものを占めておりまして、毎年度増加をいたしております。よく言われる一兆円とかなんとか、いろいろ増加をいたしております。大変厳しい情勢にあるのは確かであります。
 今回の消費増税というか一〇%への引上げ時期というものを延長する法案を提出して御審議をいただいているんですが、二〇二〇年度における基礎的財政収支をチャラにする、黒字化するという目標はそのまま維持をいたしておりますので、その実現に向けましては、これはもう経済再生とか経済成長なくして財政健全化というのはあり得ぬ話なので、そういった基本方針をきちんと置いて未来への投資というものを実現する経済政策というものをやらさせていただいて、基本的には強い経済、この強い経済を目指して今取り組んでおります。
 あわせて、これは歳入だけの話じゃなくて、歳出の話も取り組まねばいかぬところなのであって、この改革工程表に基づいて、社会保障関係の改革を含めまして徹底的な重点化とか効率化とか、いろんなことを今やらせていただいておりますので、歳出の改革というのを継続していかない限りは、歳入だけ増やしても歳出がもうだだ漏れじゃ全然話になりませんので、そこをきちんとやらせていただいて、そういった上で、私どもとしては二〇一九年十月に消費税の一〇%というものをやらせていただき、本来の目的であった社会保障と税の一体改革というのをきちんとやらせていただきたいと、さように考えております。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど、二〇一三年一月の政府と日本銀行の共同声明にもうたわれておりますとおり、やはり持続可能な財政構造を確立するということは、これは財政にとって非常に重要だというだけでなく、日本経済が持続的な成長を達成していく上でやはり必須の課題であるというふうに私どもも考えております。そういう意味で、日本が国全体として取り組まなければならない課題であるというふうに認識をいたしております。
○藤末健三君 お二人ともお立場あるのでなかなか言いにくいことだと思いますが、私は、やはり麻生大臣がおっしゃいました、二〇二〇年、基礎的財政収支、プライマリーバランスを黒字化するという、これは国際公約になっておりますので、事実上はこれで不可能になったと私は思っています。
 なぜかと申しますと、そもそも、二〇一七年四月に消費税を一〇%に引き上げると。延長しない場合においても、アベノミクスの前提、実質二%、名目三%の経済成長を実現したとしても二〇二〇年のプライマリーの黒字化にはならないという、〇・五兆円の不足というのがそのときの計算だったわけです。
 二〇一七年四月に消費税を一〇%に上げ、アベノミクスのゴールを達成したとしても二〇二〇年のプライマリーバランス黒字化できないという中で、これを先送りしたということは、私はもっと傷が大きくなることは間違いないと思っております。恐らく、いろいろなこれから議論をなさると思いますけれど、これは非常に大きな私は財政的な問題として、問題を先送りしただけではないかなと思います。
 お配りした資料の四枚目でございますけれど、これ、経済産業省が発表した資料をそのまま持ってきたものでございます。財政危機発生における日本経済への影響の試算ということで、これはちょっと、ある程度金額も書いてあったんですが、この財政危機、我が国の政府がお金の調達ができなくなったときどうなるかということでございまして、二つの問題が起きると。過剰な円安と長期金利の上昇で国債価格が暴落しますということになります。
 過剰な円安となったときに円安による輸出産業の復活があるかというと、これはもう空洞化が進んでおり、現状でも、百二十円に円が安くなったときもなかなか輸出が増えなかった、もう工場はフル稼働でしたということもございます。もう工場は外に出ている、その中で円安による輸出振興による産業復活は難しいんじゃないかと。じゃ、何があるかと申しますと、結局は利払いが増え、財政が持たなくなるんではないかと。そうすると、先ほど申し上げましたように、社会保障、年金であり介護であり、医療、教育などが機能しなくなり、所得の再分配機能は低下するんではないかというのはこの図にあることでございます。そして、結局何が起きるかというと、経済的弱者、年金生活者や所得が低い方々に大きなマイナスが生まれるのではないかと。当然インフレになりますので、そのインフレの効果も、影響も出てくるわけであります。
 一方、下の方にございます、長期金利が上昇し国債価格が下落するということになりますと、当然のことながら企業が経営がうまくいかなくなる、企業の成長力は落ちてくると。それは雇用のマイナスにつながるであろうということと、もう一つあるのは、やはり銀行とか金融機関が、国債を持っている金融機関が非常に経営が不安定になるのではないかというのがこの図でございます。私はこの図は正しいと思います、財政危機が起きたとき。
 そこで、今日は、全体的な財政危機の話は別の機会にさせていただきたいと思いますが、私、一つございますのは、今どんどんどんどん日本銀行が国債を買っておられる状況の中、将来財政的なものが非常に不安定になり、危機とならなくとも、国債の価格が落ちることはあると思うんですね。先ほど黒田総裁は質問に答えられて、二〇一六年三月時点ですか、国債は十五兆円ぐらいのプラスになっていますよとおっしゃっておられますけれど、それは今だからだと思います。
 もし国債の価格が落ちたときどうなるのかということを、どう考えているかということを伺いたいんですが、まず初めに会計検査院にお聞きしたいんですが、日銀が保有している国債の利回りが低下になったときに損失が出るのではないかという指摘をされたわけでございますが、その見解を簡単に御説明ください。お願いします。
○説明員(村上英嗣君) お答え申し上げます。
 会計検査院は、平成二十七年度決算検査報告に、特定検査対象に関する検査状況として、「量的・質的金融緩和等の日本銀行の財務への影響について」を掲記しておりまして、その中で日本銀行が保有する長期国債の利回り等の状況について記述しております。
 その概要でございますが、平成二十五年四月の量的・質的金融緩和の導入以降、日本銀行の資産及び負債の額が過去に例を見ない規模で拡大している中で、日本銀行が保有している長期国債につきましては、二十七年度の平均残高に対しまして〇・四九五%の利回りが確保されておりました。
 一方、マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入決定後の二十八年二月以降、市場金利は一段と低下しておりまして、会計検査院が一定の仮定を置いて試算したところ、日本銀行が四月から六月までの間に買い入れたと見られる長期国債の利回りにつきましてマイナスとなっていることなどから、この間の長期国債の買入れは、日本銀行が保有する長期国債全体の利回りを今申し上げました二十七年度の利回りから低下させる方向に影響していると考えられるところでございます。
 そして、日本銀行は、二十七年度決算におきまして、マイナス金利付き量的・質的金融緩和の実施に伴って日本銀行に生じ得る収益の振幅を平準化する観点から、拡充されました債券取引損失引当金制度の下で同引当金の積立てを行っております。
 このような検査結果等を踏まえました会計検査院の所見といたしまして、日本銀行において保有する長期国債の利回りが低下してきているなどの状況も踏まえて適切に引当金を積み立てるなど、財務の健全性の確保に努めることが重要であるといったことなどを記述しているところでございます。
○藤末健三君 これにつきまして、総裁の見解を教えてください。
○参考人(黒田東彦君) 会計検査院の報告につきましては、ただいま御説明があったとおりであります。
 国債金利の低下に伴いまして、日本銀行が新たに買い入れた国債の利回りが低下傾向にあることは事実でありますけれども、平成二十七年度の国債金利収入全体としては約一・三兆円の利益となっておりまして、今年度入り後も高い水準が続いているというふうに見込まれます。
 なお、これは会計検査院からの御報告にもありましたとおり、量的・質的金融緩和というものは、実施中はバランスシートは拡大して収益が押し上げられ、利上げ局面では逆に収益が減少しやすいという特徴があります。したがいまして、昨年、引当金制度を拡充して収益の平準化を図っているわけであります。
 いずれにいたしましても、日本銀行が実施しております資産の買入れなどは財務に影響を与え得るわけでございまして、日本銀行の責務である物価の安定のために必要な政策を行っているわけですが、その際にも、財務の健全性には十分留意しつつ必要な政策を行ってまいりたいというふうに考えております。
○藤末健三君 今総裁が御説明いただいたのは、短期的なPL、お金の出入りじゃないですか。それ、私はちょっとだんだんおかしくなりつつあると思いますし、あと、バランスシート、国債が今どんどんどんどん資産として買い入れられている、それが落ちたときどういうふうにお考えですか。
 私は、これを日銀の方にお聞きしましたら、日銀のバランスシートの会計は簿価会計、時価会計じゃないから大丈夫というお答えいただいたんですよ。これでよろしいですか、理解は。
○参考人(黒田東彦君) その点はそのとおりであります。
○藤末健三君 今、企業がどんどんどんどん時価会計、今の価格で計算しなさいよと言っている中で、日本銀行が買ったときの価格をそのままずっと使っていいですよということは、私はすごい違和感があるんですが、これ、財務省が多分見ておられると思うんですけれど、どういう見解でそうなっているか教えていただけませんか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 日本銀行が保有しています国債につきましては、その大半が満期まで保有しているという状況でございまして、そういう実態、その保有の実態に鑑みまして償却原価法ということでございます。
 つまり、この債券を額面より低い価額で又は高い価額で取得した場合に、取得価額と額面との差額に相当する金額を償還期まで毎期一定の方法で加減するということでございまして、そういう意味では、仮に金利が動きましても決算時の期間損益で評価損失が計上されることはないということでございます。
○藤末健三君 そうすると、もう日銀は満期来なければ売らないということは担保されているんですか、はっきり言って。もういいです、その答えは。
 私はちょっと是非伺いたいんですけれど、私は、ある方から中央銀行が倒産した事例があるんじゃないかという話を聞いたことがありまして、どういうことかと申しますと、正式に法的に倒産したというよりも、例えば、中央銀行が発券しているその紙幣、完全に切り替わりましたと、あと、経営体制も変わりましたと、看板はある程度同じなんだけれど実質的に変わったという事例があるかどうか。それはお答えいただけませんでしょうか。これは日本銀行ですかね。
○参考人(黒田東彦君) 私どもが承知しております最近の例でいいますと、欧州のいわゆる移行国であるチェコであるとか、あるいは新興国であるイスラエルとかチリにおいて、基本的に保有外貨資産の評価損を主因にして債務超過になったという例があるようでございます。ただ、これらは、いずれもその後何年か掛けてその債務超過というのはなくして、消していっていると、こういうふうに聞いております。
 ただ、そのほか、ずっと前の例とか債務超過云々よりも、例えば、御承知のように、ジンバブエのような国は天文学的なハイパーインフレになって通貨を切り替えておりますので、債務超過とかそういうことではないにしても、そういう例は途上国にはあるようでありますが、今申し上げた、中央銀行が債務超過になったという例は、最近の例は今のようなことを聞いております。
○藤末健三君 たしか私がお聞きしたのはドイツで、戦後のドイツでその戦争の債務をカバーし切れなくなって、中央銀行が通貨を切り替え、様々な仕組みを切り替え、実質的にもう変わってしまったと。これは実質倒産であるというふうに言われているわけですよ。通貨の信認を失ったわけですから、通貨の番人が。
 私は、ここでもう返事は結構でございますけれど、このままいきますと、私は日本銀行が本当に厳しい状況になるんではないかと思います。黒田総裁は本当に一生懸命頑張っていただいていると私も本当に思います、それは。ただ、この状況で、日銀だけのこの狭い世界で金融政策だけを唱えていますと、多分総裁のフラストレーションはどんどんどんどんたまっていくんじゃないかなと。ですから、私は、日本銀行からも是非その成長戦略であり様々な政策を打ち出していただくことも必要ではないかと思っております。これは、私の意見として申し上げたいと思います。
 私、ちょっと皆様に、特にこの財政金融委員会の委員の皆様にちょっと説明したい資料がございまして、お配りした資料の一番最後の二枚でございます。財政危機における法制度の枠組みということです。これ、自分なりに整理したものでございまして、もし財政危機が起きたとき、先ほどもありましたように国債が売れなくなり、そして長期金利が上がって国債価格が下落し、あと過剰な円安に走ったとき、じゃ何ができますかということを、今ある法制度をまとめたものがこの資料でございます。大きいくくりでいきますと、金融を安定化するというのがまずローマ字のこのⅠでございまして、二番目が、企業がきちんと決済をできるようにしましょうねというのが二番目。そして、一番最後のページにございます個人の保護というふうになっています。
 これを見ていただきますと分かりますように、金融につきましては、例えば国債の問題につきましては日銀がある程度介入できますし、政府の資金繰りは予算総則の八条により二十兆円の最高額まで一時借入金ができる。
 あと、民間金融機関の資金繰りについては日銀法の三十三条、また日銀法の三十八条などを使って資金供給ができると。そしてまた、資本の強化につきましては、またこの国会で議論されると思いますけど、金融機能強化法による資本強化や、あと預金保険法による金融機関の資本強化ができるという状況になっていまして、非常に、金融機関の安定化という意味では、ある程度法制度は整備されているんではないかと思います。
 一方、ローマ字のⅡにございます企業の決済機能の維持ということにつきましては、事業者の資本強化の支援というのを見ていただきますと、(1)にあります産業活力再生、産業活動の革新に関する特別措置法の出資円滑化機能というのがございますが、これは実はもう今使えなくなっているという状況にあります。一方、企業が非常に厳しくなったときに支えるシステムとしましては、産業革新機構の政府保証枠がございます。あと、地域経済活性化支援機構の政府保証枠がありまして、何か企業が非常に厳しい状況になったときにはこの機構から出資ができるようになっているということです。
 そして、企業に関しましては、二ページ目にございますように、株価の不動産対策ということでございますが、日銀によるETF購入、あと銀行等が保有している株式の機構の買取り機能があるということでございまして、企業の株価、あと不動産などの対策はある程度できているのではないかと。
 また、過度な円安になったときの外貨の資金繰りは大変になりますけど、JBICの業務に、国際協力銀行の業務に企業の海外展開のための資金繰りの支援、あと外為特会を使いました融資という制度も整備されているということになります。
 そして、企業に関しましては企業の資金繰り支援ということで、日本政策金融公庫などの対策。あと、日銀による貸出支援という枠が、制度がございますので、企業についてもある程度は支えられるなという状況ではないかと思います。
 ただ一方で、個人を見ますと、簡単に言うと生活保護しかないような状況でございまして、先ほどの経済産業省の図でいきますと、過剰な円安になり、そして所得の政府の機能が劣化し、そしてインフレが起き、また、長期金利の上昇により企業活動が低下する中で、恐らく、誰が被害を被るかといいますと、年金生活者、あとは所得が低い方々ではないかと思います。
 ただ、そこに対する支援が何かというと、生活保護しかないような状況。食管法という法律があって、一九九五年にたしか改正したはずですけれど、それまでは国が食糧を集め、そして国民の皆さんに配るという機能がありましたが、それも今はクーポン券に変わっています、これは。私は残すべきだったと思います、正直申し上げて。あと、失業保険も枠があって、多分すぐ枯渇すると思います、今の枠組みですと。
 何を申し上げたいかというと、個人の保護というものが生活保護になっちゃっているという状況でございまして、金融の方は厚い、そして企業は少し手厚くなっている、じゃ、個人をどうするのかと。恐らく生活保護だけの支援でありますと、これはもう市町村が担当していますけれど、今どんどんどんどん生活保護を受ける方々が増えている中で、今、市町村の窓口の方はもうぱんぱんです、今既に。恐らく、この生活保護を受ける方が一・五倍や二倍になったとき、恐らくワークしないです、これ。オペレーションができない。
 という中でございますので、ちょっとこれにつきまして、これは副大臣ですかね、ちょっと見解を教えてください。お願いします。
○副大臣(大塚拓君) 財政危機時における法制度の枠組みということでいろいろ、頭の体操として興味深くお聞かせをいただいたわけでございますけれども、財政が破綻しているということを前提にした御質問と思いますので、これはお答えとしては仮定の質問にはお答えできないということになるわけでございまして、このいただきました資料が役に立つようなことが決してないように頑張っていくということでございます。
○藤末健三君 まさしくそのお答えで結構だと思いますよ。これは、私は、政府に見ていただいたというよりも、立法府の仲間に見ていただきたかったんですね。なぜかというと、将来の危機があるかもしれない、その中においてやはり立法府がきちんと法体制をつくっておかなきゃいけないということでございまして、私は、もし危機になったら、党派関係なく超党派で多分やらなきゃいけないときが来ると思うんですね。ですから、私は一つのサンプルとしてこれを示させていただきましたけれども、是非立法府におきまして、何が危機のときに必要かということは、ある程度の準備は必要だと思うんです。政府は多分対応するのはできないと思いますので、そのことを申し上げたいと思います。
 最後でございますが、ちょっと消費税について、非常にマクロな議論をしましたが、ミクロな議論を一点だけ申し上げますと、郵政。私、郵政の副大臣をさせていただいていまして、この郵政、何があるかと申しますと、元々郵政という一つの組織だったものが、会社が四つに分かれました。そして、金融二社と郵政と日本郵便と分かれまして、何が起きているかと申しますと、この金融二社から郵便会社に窓口委託料を払っているんですね。約一兆円ございます。
 本来、同じ会社内であれば、消費税、契約がありませんから消費税払わなくてもよかった。ところが、会社を分けましたので消費税を払う必要がありまして、約八百億円、年間払っていると。新規負担になってございます。これは、民営化法を作るときに、この消費税対策をやりましょうねと書いておりますけれども、ずっと今まで対応できていないんです。
 私自身、前、消費税の議論をするときに、この郵政のグループ内取引についてはもう非課税にした方がいいんじゃないかということで提案させていただいた。ところが今、総務省は、非課税ではなくこれを税額控除でやってくれという話をしているわけでございますが、これ、財務省にちょっとお聞きします、時間がないので。どちらがいいかということを、もしよろしければ見解をお聞かせください。
○副大臣(大塚拓君) どちらもなかなか厳しいというのがお答えになるわけでございますけれども、基本的に、金利とか保険料とか非課税のものに課税をするとかあるいはその調整をするということになってきますと、ほかの金融機関にも波及をしてまいりますので、全体としてなかなかやっぱり税の世界で調整することは非常に難しい部分があるということは御理解の上で、しかし、恐らくずっと問題意識を持って取り組まれていると思いますので、敬意を表させていただきたいと、このように思っております。
○藤末健三君 是非お願いします。
 今日は本当に、自分の考えを述べさせていただいて、ありがとうございました。私は、やはり消費税をきちんと使い、そして経済を活性化することを是非させていっていただきたいと思いますので、これで質問を終わらさせていただきます。

 

日韓・韓日協力委員会第52回合同総会(ソウル開催)「日本と韓国の経済協力について基調講演」

韓日経済協会 李鐘允副会長と富士通 佐々木伸彦執行役員専務(元経済産業審議官)による日韓の経済協力についての講演がありました。

 

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李鐘允副会長からは、

日韓企業の世界レベルでの過当競争が両国の企業のデメリットになっている。例えば、中東での原子力発電所の受注では、韓国企業が受注したが、利益がでない状況になっている。両国はともに貿易国であり、技術的・組織文化的に韓国と日本は補完できるため、より協調できるようにすべきである。海外でのインフラ開発で協調できるであろう。

また、国際標準化に韓日で取り組むことも重要ではないか。両国が同じ分野での製品を開発しており、この分野での協調は大きな利益をもたらすと考える。

そして、東アジア共同体への取り組みが提言されました。韓日ともに中国への依存度が高い。個々の国が単独で交渉するよりも、韓日が共同して中国と交渉することがあり得るであろう。

 

富士通 佐々木伸彦執行役員専務(元経済産業審議官)からは様々な統計データから

日韓の一人当たりGDP(IMF購買力平価ベース2014年)は、

日本:37,492ドル

韓国:35,436ドル

伸び率からすると数年で日本は抜かれると予想される。

 

韓国から見ると日本は最大の貿易赤字国(日本からの輸入が輸出を越えている)。2015年の対日貿易赤字は203億ドル(約2兆円)となる。半導体、プラスチック、鉄鋼板などの日本からの輸入が多い。また、韓国への累積直接投資(1962年-2015年)が最も多い国は日本、中国は9位。

 

韓国も少子高齢化に突入する。

合計特殊出生率(2015年)は

日本:1.46、

韓国:1.24

総人口に占める65歳以上の比率は、2030年に韓国も日本の現在と同じ状況になる。高齢化のスピードは日本よりも早くなると予想される。

高齢者比率の推移(7%→20%)

日本:36年

韓国:26年

両国とも少子高齢化に対応しなければならない。

 

基調講演に関して、会場からは、色々な意見が出ました。

両国の観光交流はお互いを理解するためには重要である。もっと進めるべきではないか。

政治の反日や嫌韓の火がビジネスに飛び火する。政治はもっと協調すべき。

日韓企業が海外で連携して対応したプロジェクトは5年前に5件だったものが、今は(2015年?)47件になっている。日韓の企業の協力は進んでいる。(記録が正確でない可能性大です。)

日韓FTAをとにかく早く進めるべき。日中韓のFTAで行うから時間がかかる。

臨時国会始まる!!

第192回臨時国会が始まります!!

 

今日から11月30日まで、66日間の国会審議が行われます。

 

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私は、今回の臨時会での論点は3つあると言っています。

 

ひとつは、景気対策の第二次補正予算。一般会計の総額3兆2900億円となりますが、その大部分が建設国債で賄われます。つまり、社会ニーズが高く、景気対策にもなる介護や子育てに税金を使うのではなく、また、公共事業や農地整理に税金が使われることになるのです。藤末は、子どもの未来や人生の先輩方の安心のために税金を使うべきであることを景気対策の観点からも指摘していきます。

 

二つ目は、TPP:環太平洋パートナーシップ協定です。アメリカも未だ手続きが進んでいない状況で、本当に日本が先行して国会承認を行い、国内法を整備するか?ここが問われます。アメリカ大統領選挙の二人の候補がTPPに否定的な中で、日本が先行してアメリカにプレッシャーを掛けるという考え方もあります。

 

三つ目に、憲法改正です。この7月の参議院選挙の結果、衆議院・参議院両院で、与党と憲法改正に前向きな勢力を合わせて、改正の発議に必要な3分の2の議席を占めることとなりました。この国会から憲法改正を前提とした議論が行われます。藤末は参議院憲法審査会のメンバーとなりました。憲法は不磨の大典ではありません。しかしながら、憲法の平和に関する条項、9条や前文は変えるべきではないと確信しています。国会で議論を深めていきます。

 

兎に角、全力で審議をしていきます。

国会議員の仕事は、国会での活動です。マスコミはスキャンダルなど目立つことばかりを取り上げますが、地道な議論を積み重ねていきます。 

玉木雄一郎候補の「子ども国債」について

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民進党の候補者集会などで
玉木候補の「子ども国債」はただの借金ではないか!との批判をよくいただきますが、

藤末は、
①日本の最大の課題である「少子化」に対する大きな対策となる
②子どもの数が増えれば、納税者も増え、借金を返済できる
③そして子どもへの投資の乗数効果(経済波及)は2.3(公共投資は1.1)もあり、経済成長にも貢献する
とみています。

ちなみに、子育てや教育を支援する公的支出のGDP比率は、
フランス   2.85%、
スウェーデン 3.46%
日本     1.3%。
となります。少子化を克服した国は、やはり子どもに対する支出が高いようです。

今まで、民進党(民主党)は、財源がなければ政策はやれないとのスタンスでした。
実際に、政権与党時代も財源を確保できずにマニフェストが実現できずに「失敗」との烙印を押されましたが、藤末は、「やるべきことはやる」と決めるのが政治の役割だと確信しています。

私の政策の三本柱の一つは「学びたい人が必ず笑顔で学べる教育」です。
玉木雄一郎さんと一緒に実現していきます。

 

以下、玉木雄一郎さんのブログの抜き出しです!


「こども国債」の発行で日本経済は蘇る

■子育て世代の支援が個人消費回復のカギ

本年4月~6月の実質GDPは0.04%、年率換算でわずか0.2%にとどまりました。特に、GDPの6割を占める個人消費は前期比0.2%増で力強さを欠いています。実質賃金がプラスに転じたのに、なぜ消費が振るわないのか。一つのヒントが、内閣府が今月発表した経済財政白書の記述の中にあります。同白書は「39歳以下の子育て世帯が、将来不安を背景に消費を抑制している」と指摘しています。非正規労働も増える中、本来旺盛な消費意欲のある彼らが財布のひもを固くしています。ただ、逆に言えば、彼らの世代の将来不安を取り除くことができれば、低迷する個人消費を下支えし、日本経済の停滞を打開する処方箋になるはずです。そこで、私は、以下に述べる「こども国債」の発行による、思い切った子育て・教育支援の拡充を提案したいと思います。


■「こども国債」の発行で消費拡大と持続的な経済成長を

過度に金融政策に依存する政策が限界にきていることは誰の目にも明らかで、伊勢志摩サミットでも、適切な財政政策(fiscal policy)が必要とされました。しかし、自民党政権による財政政策は、どうしても公共事業中心になりがちで、実際、この秋の補正予算でも、約4兆円規模の建設国債の発行を予定しているようです。これに対して、私は、全く別の方法による財政政策を提案したいと思います。それは、子育てや教育支援の財源確保のための新型国債(「こども国債」(仮称))の発行による、子育て・教育関連予算の倍増政策です。もちろん、子育てや教育支援はGDPの拡大を目的に行うものではありませんが、現在、我が国における子育て・教育といった「家庭政策」向けの支出は、GDPの約1%、金額で言うと5兆円程度で、OECD平均の約半分しかありません。そこで、「こども国債」の発行によって財源を確保し、関連予算の規模をOECD平均並みのGDPの約2%にまで倍増させれば、毎年新たに5兆円規模の支出が増え、我が国の子育て・教育関連予算は約10兆円規模になります。


■子育て・教育予算の倍増でGDP成長率1%程度アップ

そして、この規模の予算があれば、大学教育と就学前教育を無償化できるし、保育士の待遇改善も進めることも可能となり、子育てや教育の内容は驚くほど向上するでしょう。また、政府支出が新たに約5兆円分増えれば、その分、子育て世代の経済負担が減るので、国民のマインドも明るくなり、課題である個人消費の拡大も期待できます。安倍政権になってからの実質GDPの成長率は年率0.8%ですが、負担軽減分の5兆円のほとんどが消費に回ると仮定すれば、同程度の経済成長率は容易に達成できるはずです。


■「こども国債」は財政健全化にも整合的

問題は、「こども国債」といっても、結局は借金であって、財政再建に反するとの批判があるでしょう。しかし、問題はありません。まず、思い切った子育て・教育支援によって子どもの数が増えれば、彼らは将来、立派な納税者になります。20年~30年償還の「こども国債」を発行すれば、彼らが自らその借金を返していくことになります。財政学でいう「自償性」の高い国債と言えます。さらに、子育てや教育を充実させることによって失業率などが改善すれば、将来にわたる様々な公的支出も抑制されるでしょう。


■昔「建設国債」、今「こども国債」

前回の東京オリンピックが開催された昭和30年代の日本の課題は、道路や港湾といったインフラ整備でした。そしてインフラはいったん完成すれば、後の世代も恩恵を受けるという理由で、インフラ整備には、財政法上、「建設国債」の発行という形の借金が認められ、整備が加速していきました。あれから約半世紀、再び東京でオリンピックが開催されるようになった現代の日本が抱える最大の課題は、少子化・人口減少です。人が減り続ければ経済成長はあり得ないし、逆に人が生まれ育てば、その恩恵は後の世代も含めて享受できます。そうであるなら、今の日本において、借金してでも増やすべきなのは、公共事業予算ではなく、子育てや教育関連の予算ではないでしょうか。そのために発行するのが「こども国債」です。半世紀の時を経て、日本は「建設国債」を必要とする国から「こども国債」を必要とする国に変わったと言えます。


■「人への投資こそ最大の成長の源泉である」

「こども国債」を年間5兆円程度発行するだけで、日本の子育て・教育の家計負担のあり方はがらりと変わるはずです。その結果、個人消費の拡大と持続可能な経済成長が期待できます。さらに、短期的な経済効果にとどまらず、「こども国債」を活用した「人への投資」は、中長期的に、日本経済の潜在成長率の向上に寄与するはずです。もちろん、異論・反論はあるでしょう。しかし、私は臆せず訴えていきたいと思います。「人への投資こそ最大の成長の源泉である」と。

横浜市磯子のコンビナートを視察

同僚議員と「横浜市磯子のコンビナート」を視察しました。

現在、日本のコンビナートは、国内の需要減に伴いガソリン精製施設の縮小、化学製品材料生産の縮小など生産が縮小し、雇用も減りつつあります。
高度経済成長を支え、地方の経済の中核を担ったコンビナートを再び経済成長のコアとするような政策を党派を超えて打ち出していきます。


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JXの製油所(日本最大規模)


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天然ガスのタンク(手前が東京電力の発電用ガスタンク、奥が東京ガスのガスタンク(半分地中に埋まっています))


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ヘリ搭載護衛艦「加賀」です。

どうなる中国経済?

昨日、7月15日、中国国家統計局は2015年第二四半期(4-6月期)の国内総生産(GDP)は実質で前年同期比7.0%増と発表しました。
しかしながら、藤末はこの数値にはやや疑問があります。

丁度、先週書きかけたブログがありますので、安保法制強行採決のまっただ中ですが公開させてもらいます。

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ギリシャ問題の影響で、上海株式市場が大混乱し、「中国経済が崩れるのでは!」と思った藤末は、外資系の金融マン、上海の中国人ファンドマネージャー(国籍はイギリスのようです。オックスフォード大出身)、政府(出身役所の経済産業省)、そしてエコノミスト(日本人、国際経済専門)と話をしました。

その概要を書かせてもらいます。

 

結論から言うと「まだまだ中国政府がコントロールできるレベルだった」ということになります。

 

中国政府の株式市場コントロール

中国の金融環境を知る方々からは「中国の証券市場を欧米と同じと思ったら大きな判断ミスをする」と指摘されましたが、昔の日本というか大蔵省が行ったPKO(価格維持オペレーション)どころではない異常な証券価格維持政策が打たれたのには正直驚きました。ここまで政府がコントロールする市場には海外の「まともな資金」は今後入ってこないのではないかと思いました。
政府の介入には、政府の目標価格公表(価格形成が市場の役割では?)、政府の号令による中国金融機関による買い支え(日本政府も政府系の資金で似たようなことをしています)、中央銀行による市場流動性の保証、マスコミによる市場の安定性についての情報操作(「愛国者は株を売らない」といったプロパガンダが流れたそうです)、などなど凄まじいものがあります。


藤末個人としては、今回の価格変動を空売りなどで逃げった投資家を見せしめに公安が検挙したりするのではないかと見ています。


ちなみに、なぜ中国政府が株式市場をコントロールするか?
その大きな要因のひとつが「個人が株を買う資金は住宅を担保として借りている」ことにあるようです。つまり、株式市場が崩れれば住宅を失う人が増える。住宅を失う人が増えれば社会が不安定になる。社会安定のためには株式市場を崩すわけにはいかない。とのことのようです。

 

実体経済は良くない!中国もデフレに突入!!
さて、株式市場の安定化には一時的には成功したようですが、実経済は良くないようです。
生産者物価(第二次産業デフレーター)はマイナスになっています。つまり製品価格は下がっており、製造業は利益を十分には出せていない状況です。
また、株式市場よりもコモディティ(特に石油や鉄鉱石など原料)の輸入減の方が問題であるとの話も聞きました。実際に鉄鉱石輸入などは落ち、比較的正確な統計とされる鉄道輸送量も落ちています。


藤末が驚いたのは「中国も直近のGDPデフレータはマイナス(デフレに突入)に転じている。」というデータです。

 コモディティの価格は世界的に落ち込んでおり、これからますます価格下落するかもしれないとのことでした。(石油WTI2014年6月107ドル/バーレルが、2015年7月約55ドル、これから40ドルまで落ちるかもしれない。サウジは20ドルでも生産すると宣言、これはシェールオイルつぶし。鉄鉱石、銅鉱石なども価格が落ちている。チリ、コロンビアには影響が出ている。今後、オーストラリアやカナダの経済にも影響する可能性がある。上記のように『国際的にはデフレから脱却は困難となっている。日銀がいくら頑張っても、日本がデフレ脱却できる可能性は低い。』の話もありました。


ある専門家は「中国経済の失速は急速に始まる可能性がある。3,4%の経済成長を飛び越し、一気に0%成長になる可能性がある。」という大胆な話をしていました。

ちなみに、シンガポールの第二四半期の経済成長率はマイナス4.2%となっているようです。

 

藤末がなぜ中国経済をこれほど心配するかというと、それは、日本の国債暴落の引き金が中国経済だと見ているからです。

正直なところ上海の株式市場の混乱が日本の金融に飛び火する可能性を考えていました。

リーマン・ショックの時も、時の財務大臣は「日本にはほとんど関係ない」といった発言をしていましたが、それは日本の金融機関が自分たちが保有する資産の内容と性質を理解していなかっただけで、実は間接的に高リスクな商品を抱えているのが後で判明しました。これと同じようなことがまた起きるのではないかと心配していました。

 

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