インタビュー5

インタビューを終えて
聞き手:クロスロード株式会社  代表取締役社長 辻口 寛一(インタビュー日:2009年12月10日)

華々しい経歴とはうらはらに、とても不器用な人だな...という印象を受けました。しかし、不器用だからこそ困難にぶつかることを恐れず、周囲の人のアドバイスを素直に聞いて軌道修正をしながら、あるべき姿に近付いてきたのだと思います。こうした人にこそビジョンを語ってもらい、我々もその実現に向けて後押しをしていきたいですね。

藤末さんとは数年来のお付き合いですが、今回こうしてロングインタビューをしてみると、「実はとても不器用な人なのだな...」という印象を受けました。「チャレンジしなかったことの後悔」がよほど身に沁みたのかもしれませんが、「無難に過ごす」という生き方は藤末さんの辞書にないのでしょう。そのために、あちこちにぶつかって痛い目に会いながら、軌道を修正し、今日に至っています。軌道修正の際に、周囲のアドバイスを素直に聞くところも興味深いですね。政治家になった直後にも「正しいことを言えば通る」とばかりに正論を通そうとして、うまくいかずに落胆したことを率直に話しています。これも不器用さのひとつの現れといえますし、そこで知人の経営者からのアドバイスを素直に聞いて、「歯車をかみ合わせる」ように軌道修正するところが藤末さんらしいところです。

華々しい経歴のように見えますが、よく見ると紆余曲折が多くて、決してスマートな人生だとはいえません。冒頭、「落ち着きがないのは今でも変わっていない」と笑っていましたが、生まれ持ってのエネルギーが巨大なのでしょう。普通の人では、どれもこれも中途半端になってしまうところです。よしんば中途半端にならなかったとしても、これだけの経歴であれば鼻にかけて人のアドバイスを聞かなくなるでしょう。ご自身でもスマートに生きようなどとは少しも思っていないでしょうが、経歴だけから受けるイメージと実際の印象がこれほどギャップのある人も珍しいと思います。今回のインタビューで、そうしたギャップを正確にお伝えすることができれば、インタビュアーとしてうれしい限りです。

藤末さんは、大久保利通を「ほんとうの意味で無私の人だから」と尊敬しているそうですが、大久保はその怜悧で威厳のある印象とはうらはらに、家庭ではどこまでも優しく子ぼんのうな父親であったと聞きます。趣味もほとんど持たず、酒も飲まない、そうした大久保が英気を養う場となったのが、家族そろっての食事の時間だったそうです。大久保は明治維新後のわずか10年間で、現在の官僚制につながる新生日本の礎を築きました。そうした意味でいうと、藤末さんが今後10年間で新しい社会構造を作りたいと考えているのは納得がいきますし、なにやら大久保と藤末さんを重ね合わせてしまうのは行き過ぎでしょうか。大久保は残念ながら暗殺されてしまいますが、藤末さんは政治家として活躍した後、そこで築いた地位や名誉などに安閑とせず、新たな活躍の場を見出していくことになるのでしょう。

現在の日本は新しい社会構造を作る前の産みの苦しみだと語っていますが、こうしたタイミングでビジョンを語るのは、誰にでもできるわけではありません。外交や産業政策に明るく、福祉や教育、環境にも思いが至り、困難にぶつかることを恐れず、周囲の人のアドバイスを素直に聞きながら軌道修正を続ける藤末さんにこそ、その資格があると思います。何よりもこの五年間で、政治家としての動き方を身につけてきたのですから...。私たちも彼のビジョンを実現するべく、できる限りの後押しをしていきたいですね。

藤末さんの今後のご活躍を、心から応援したいと思います。

インタビュアー : クロスロード株式会社 代表取締役社長 辻口寛一